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サイドステップは車検で何を見られるのか|条文に「サイドステップ」という言葉は1つも無かった

メルセデス・ベンツ Gクラスの側面。前輪と後輪のあいだのサイドシル部分 Car|車
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サイドステップの車検について調べはじめて、30分でつまずきました。保安基準にも細目告示にも審査事務規程にも、「サイドステップ」という言葉が1つも出てこないんです。「ランニングボード」も出てきません。

出てくる「ステップ」はただ1か所で、それは「ホイール・ステップ」。タイヤと一緒に回る部分の例示として並んでいるだけで、人が足をかけるあのステップとは別物です。

先に立場を書いておきます。サイドステップを付けた記録は、私の記事のどこにもありません。だから取り付けの工賃や、実際に足をかけたときの感触は、ここには出てきません。

出せるのは条文の側と、自分の車の全幅の数字です。私は2023年8月からG400dに乗っていて、グレードはAMGライン。全幅1,985mm、車両重量2,520kgです。この1,985mmという数字が、あとで効いてきます。

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車検証の幅は、どこを測った数字なのか

サイドステップの話をする前に、「幅」の定義を押さえないと進めません。ここが分かっていないと、何mmまでなら大丈夫という話が全部ふわっとします。

測り方は審査事務規程 7-2、8-2の(2)②に書かれています。

幅については、自動車の最も側方にある部分〔大型特殊自動車以外の自動車に備えられる回転するタイヤ、ディスクホイール及びこれに付随して回転する部分並びに方向指示器のうち自動車の両側面に備える方向指示器(大型貨物自動車等の両側面の中央部に備えるものを除く。)を除く。〕を基準面に投影した場合において、車両中心線と直交する直線に平行な方向の距離

独立行政法人自動車技術総合機構 審査事務規程 7-2-1(2)②(最終改正 第74次)

長い一文ですが、構造は単純です。「自動車の最も側方にある部分」が幅。そこから外していいものが、カッコの中に3つだけ並んでいます。

幅の測定から外せるもの
回転するタイヤ
ディスクホイール及びこれに付随して回転する部分
両側面に備える方向指示器(大型貨物自動車等の中央部のものを除く)

この3つです。サイドステップは入っていません。

だからサイドステップを付けて、それが車体の最も側方になった瞬間、その車の「幅」はサイドステップの外側までになります。車検証に書いてある数字が変わる、ということです。

単位も決められていて、cm単位で1cm未満は切り捨て。これは長さや高さと同じ扱いです。細目告示第6条第2項と第84条第2項が根拠条文として併記されています。

なお同じ規程の長さ側(7-2-1(1))には、測定から外せるものの列挙がもう少しあります。そちらはヒッチメンバーの記事で全部開いたので、ここでは繰り返しません。

許されている変化は±2cm。私の車の仕様差は55mm

では、車検証の幅が変わったらどうなるのか。ここで出てくるのが平成7年の通達です。

自技第234号・自整第262号(最終改正は平成27年6月11日付け国自技第67号・国自整第55号)の記1(2)に、記載事項の変更に当たらない場合が3つ書かれています。

号 どういう場合か 寸法の条件
① 簡易な取付方法で装着した場合 なし(無条件)
② 指定部品を固定的取付方法で装着した場合 なし(無条件)
③ 指定部品を恒久的取付方法で装着、または指定外部品を固定的・恒久的取付方法で装着した場合 長さ±3cm/幅±2cm/高さ±4cm の範囲内

取付方法の定義も同じ通達の(1)にあります。簡易な取付方法が「手で容易に着脱できる取付方法」、恒久的取付方法が「溶接又はリベットで装着される取付方法」、固定的取付方法がその2つ以外。つまりボルト・ナット留めは固定的取付方法です。

サイドステップはボルトで留めるものがほとんどなので、②か③のどちらかに入ります。そして②に入れるかどうかは「指定部品かどうか」で決まる。ここが分かれ目です。

③に落ちた場合、効いてくるのが幅±2cm。つまり片側10mmずつではなく、車検証の全幅との差が20mm以内という条件です。

ここで自分の車の数字を出します。G400dの素のグレードは全幅1,930mm、AMGラインは1,985mm。差は55mmです。

メーカーが用意した仕様の違いだけで、全幅は55mm動いています。通達が許している20mmの、2.75倍です。

しかもこの55mmはタイヤのせいではありません。G550の素グレードは275幅のタイヤを履いていて、それでも全幅は1,930mm。265幅でも1,930mm。タイヤの太さは全幅の数字を動かしていませんでした。これは別の記事で表を1枚ずつ開いて確認した話なので、そちらに任せます。

何が言いたいかというと、20mmというのは、車のデザインの世界ではかなり小さい数字だということです。フェンダーの造形を少し張り出させるだけで超えてしまう。だから「サイドステップ程度なら大丈夫でしょう」という感覚は、根拠としては弱いと思っています。

少し気になるのは、通達が「幅」という1つの数字で切っていることです。左右で突出量が違う車の場合どう扱うのかは、この通達には書かれていませんでした。

指定部品の一覧にあるのは「ピックアップ・トラック・ランニングボード」

では指定部品なのか。これを決めているのが自技第235号の別紙です。

この通達の建て付け――指定部品と指定外部品がどう分かれ、取付方法の3分類がどう効くのか――は、ルーフボックスの記事で全部開きました。同じ説明をもう一度はしません。

ここで見たいのは別紙の中の、別のかたまりです。「Ⅰ アクセサリー等の自動車部品」の「1. 車体まわり関係」の「(1)空気流を調整等するための部品」。

エア・スポイラ、エア・ダム、フード・ウインド・デフレクター、フード・スクープ、ルーバー、フェンダー・スカート、ピックアップ・トラック・ランニングボード、その他エアロパーツ類、二輪車のカウル類、二輪車のウインド・シールド

国土交通省 自技第235号 別紙 Ⅰ-1-(1)

「ピックアップ・トラック・ランニングボード」。ランニングボードは載っていますが、頭に「ピックアップ・トラック」が付いています。

そして気づくのは、この部品が置かれている棚です。見出しは「空気流を調整等するための部品」。エア・スポイラやエア・ダムと同じ箱に、ランニングボードが入っています。足をかける板が空気の流れを調整する部品に分類されているのは、正直よく分かりませんでした。

ついでに言うと、別紙の中で「ステップ」という語が出てくるのはもう1か所あって、それは同じⅠ-1の(3)の末尾、「二輪車:グラブ・バー、バック・レスト、ステップ、クラッチ/ブレーキ・レバー」の並びです。四輪のサイドステップは名指しされていません。

ここから言えることと、言えないことをはっきり分けます。

別紙から言えること 別紙には書かれていないこと
ピックアップ・トラックのランニングボードは指定部品である SUVやミニバン用のサイドステップが「その他エアロパーツ類」に当たるかどうか
二輪車のステップは指定部品である 「ランニングボード」と「サイドステップ」が同じものを指すのかどうか

右側の2つは、別紙に書かれていません。だから私はどちらとも書きません。ここを「エアロパーツ類に含まれるので指定部品です」と言い切っている記事をいくつか見ましたが、根拠は示されていませんでした。

ただ、別紙のⅠ-1には全体にかかる注が1つ付いていて、これがサイドステップに一番近い文だと思います。

注:車体まわり関係の自動車部品を装着することにより、歩行者、自転車等乗員に接触するおそれのある車体外側表面部位は、外側に向けて先端が尖った又は鋭い部分があってはならない。

国土交通省 自技第235号 別紙 Ⅰ-1 注

歩行者が接触するおそれのある車体外側表面。サイドステップはまさにそこに付きます。

「鋭い突起」の中身は列挙で、ステップは1つも出てこない

その「尖った又は鋭い部分」が、保安基準の側ではどう書かれているのか。道路運送車両の保安基準第18条第1項第2号です。

車体の外形その他自動車の形状は、鋭い突起がないこと、回転部分が突出していないこと等他の交通の安全を妨げるおそれがないものとして、告示で定める基準に適合するものであること。

道路運送車両の保安基準 第18条第1項第2号

条文はこれだけで、中身は告示に投げています。そして告示を開くと、「鋭い突起」は定義されていません。代わりに「これに該当するものは適合しない」という具体例の列挙になっていました。

新型車側が細目告示第22条の第4項で12号、使用過程車側が細目告示第178条の第4項で10号。中身を並べるとこうなります。

列挙されているもの 第22条第4項(新型車) 第178条第4項(使用過程車)
バンパの端部(被服等を引掛けるおそれ) 第1号 第1号
アンテナ(高さ2.0m以下・最外側から突出) 第2号 第2号
ホイール、ホイールナット、ハブキャップ、ホイール・キャップ 第3号 第3号
外開き式窓 第4号 第4号
後写鏡・後方等確認装置の取付金具 第5号 第5号
スピンナー、ウイングナット等のプロペラ状の装飾品 第6号 第6号
レバー式のドア・ハンドル 第7号 第7号
貨物自動車の簡易クレーンのクレーンブーム 第8号 第8号
乗車定員10人以上のドア・ハンドル、充填口等 第9号 なし
乗車定員10人以上のアンテナ、上ヒンジ開き窓 第10号 なし
二輪自動車のフェアリング 第11号 第9号
側面の方向指示器・周辺監視装置(曲率半径2.5mm未満) 第12号 第10号

サイドステップは、どちらの列挙にも出てきません。バンパ、アンテナ、ホイールナット、窓、ミラーの金具、スピンナー、ドアハンドル、クレーンのブーム、二輪のカウル、方向指示器。これで全部です。

数字が出てくるのは最後の1つだけで、そこは「直径100mmの球体が接触する範囲であってその外部表面の曲率半径が2.5mm未満の突起」。ただし突出量5mm未満で端部に丸みがあるもの、突出量1.5mm未満のもの、突起の硬さが60ショア(A)以下のものは除く、という但し書きが付いています。この数字が効くのは方向指示器と周辺監視装置に対してだけです。

ついでに見つけた細かい話を2つ。第178条第4項には「平成29年3月31日までの間は、第2号、第3号及び第4号の基準を適用しないことができる」というただし書きが残っています。もう過ぎている日付ですが、条文からは消えていません。それと第178条第5項は「協定規則第26号の規則5.及び6.に適合している自動車を除く」と書いていて、国際基準に適合している車は後部バンパとアンテナ取付部の規定から外れます。

なお回転部分(タイヤ・ホイール)のはみ出しについては、第178条の別の号に前方30度・後方50度や10mmという数字があって、そこは別記事で全部開きました。本記事が触っているのは同じ条の「鋭い突起」の側なので、はみ出しの判定を知りたい場合はそちらを見てください。

普通の車検の章では、列挙が6個に減っている

検査官が実際に何を見るかは、告示ではなく手順書のほうに書かれています。審査事務規程 7-28、8-28(車枠及び車体)です。全18ページで、左右2段組み。左が第7章、右が第8章になっています。

この2つの章の違いは、右の章のタイトルに書いてあります。第8章は「改造等による変更のない使用過程車」。つまり改造を申告していない、普通の継続検査がこちらです。

2段組みのPDFはそのままテキストに落とすと左右が混ざるので、文字のx座標を取って列ごとに分けました。すると、こうなっていました。

項目 7-28-1(5)
第7章
8-28-1(4)
第8章(改造のない使用過程車)
「鋭い突起」として扱う列挙の数 11項目 6項目
バンパの端部/アンテナ/ホイールナット/外開き式窓/後写鏡の取付金具 あり あり
二輪自動車のフェアリング あり あり
スピンナー、ウイングナット等 あり なし
レバー式のドア・ハンドル あり なし
簡易クレーンのクレーンブーム あり なし
方向指示器の突出量100mm あり なし
曲率半径2.5mm未満の突起 あり なし

普通の車検で「鋭い突起」として見る対象は6つ。そこにもサイドステップは入っていません。

もう1つ、規程の書き方で面白いところがあります。8-28-1(2)は「鋭い突起を有し、又は回転部分が突出する等他の交通の安全を妨げるおそれのあるものでないこと」と書いたあとに、「なお、次の例に掲げるものにあっては、他の交通の安全を妨げるおそれのあるものとして取扱うものとする」と続けて、(例)を図で示しています。四輪自動車と二輪自動車の2枚。文字ではなく絵なので、私のほうでは中身を読み取れませんでした。ここは実際にPDFを開いて見てもらうしかありません。

数字を持っているのはエア・スポイラだけ。しかも側面は除外されている

ここまで「サイドステップには具体的な数字が無い」という話ばかりしてきましたが、後付けの外装部品で1つだけ、審査事務規程が細かく数字を決めているものがあります。エア・スポイラです。

7-28-1(3)③に、ア〜オの5つの要件が並んでいます。

要件 中身
ア 自動車の最前端・最後端とならないこと。ただしバンパ下端より下方で直径100mmの球体が静的に接触できる部分(フロアラインより下方を除く)の角部が半径5mm以上、または硬さ60ショア(A)以下なら除く
イ 直径100mmの球体が静的に接触できる部分に半径2.5mm未満の角部を有さないこと。角部の高さ5mm未満、または角部の間隔40mm以下などの場合は表の形状要件を満たせば除く
ウ その附近における車体の最外側とならないこと(バンパ上端より下方の部分は、当該自動車の最外側とならないこと)
エ 側方への翼状のオーバー・ハング部を有しないこと。ただし車体とのすき間20mm以下、最外側から165mm以上内側、または245N以下の力でたわむ・回転する・脱落する構造なら除く
オ 溶接、ボルト・ナット、接着剤等により車体に確実に取付けられている構造であること

165mm、20mm、245N、100mmφの球、半径2.5mm。ここまで具体的です。

で、この規定の柱書きを読んで、ちょっと声が出ました。対象が、こう限定されているんです。

専ら乗用の用に供する乗車定員10人以下の自動車及び貨物の運送の用に供する車両総重量2.8t以下の自動車に備えるエア・スポイラ(二輪自動車及び側車付二輪自動車に備えるもの並びに自動車の最前部の車軸と最後部の車軸との間における下面及び側面の部分に備えるものを除く。)であって、次の要件に適合するもの

独立行政法人自動車技術総合機構 審査事務規程 7-28-1(3)③(最終改正 第72次)

「最前部の車軸と最後部の車軸との間における下面及び側面の部分に備えるものを除く」。前輪と後輪のあいだの、側面。サイドステップが付く場所そのものです。

唯一数字を持っている規定が、サイドステップの位置を最初から対象外にしている。しかもこの規定は第7章にしか無くて、第8章の同じ場所は空欄です。列ごとに数えたら、第7章側に「エア・スポイラ」が19回出てくるのに対して、第8章側は0回。165mmも245Nも翼状も、右の列には1文字もありませんでした。

つまりエアロパーツの具体的な寸法基準は、改造を申告して受ける検査のときにしか出てこないということになります。

国交省が公表した実例に、実数が残っていた

ここまで全部「条文にはこう書いてある」の話なので、実際にサイドステップで記載変更が必要になった事例を探しました。1件、国が公表しているものがありました。

2006年(平成18年)11月8日の国土交通省の報道発表です。ホンダアクセスが、ホンダ エレメント(型式 UA-YH2 または CBA-YH2)用に販売したサイドステップについて、北米向けに製作されたものを誤って国内向けに販売したという案件。

なお、サイドステップがホンダアクセスの指定した方法で取り付けられている場合には、道路運送車両の保安基準は満たしていますが、自動車検査証の記載事項の全幅が異なることから、記載事項の変更手続きが必要となるおそれがあります。

国土交通省 報道発表資料(平成18年11月8日)

この一文が、ここまで追ってきた条文の構造とぴったり重なります。保安基準は満たしている。でも全幅が違う。鋭い突起で落ちるのではなく、車検証の数字で引っかかる。

そして改善箇所説明図のPDFに、実数が載っていました。

状態 車幅からの片側突出量 扱い
改善前(北米向け) 35.8mm 構造等変更検査を受けるか、国内用と交換
改善後(国内用) −2.2mm(車体幅より内側) 車検証の記載事項の幅に合致

35.8mmと−2.2mm。国内向けのサイドステップは、車体の最も側方より2.2mm内側に収まるように作られていました。北米向けは35.8mm外に出ていた。

ここで234号の±2cmを思い出してください。35.8mmは20mmを超えています。だから記載事項の変更に当たらない範囲から外れて、構造等変更検査が必要になる。数字が合っています。

対象は販売期間が平成17年9月1日から平成18年7月31日までで、販売数は37セット。自主改善開始日は平成18年11月10日、クレーム件数は0件でした。1つ細かいことを書いておくと、「改善の内容」の文章は「全車両54台を点検し」となっているのに、表の販売数は37セット。この2つの数字の関係は資料からは分かりませんでした。

ホンダアクセス側の告知ページも現在も残っていて、内容は同じです。

20年近く前の案件ですが、国内メーカーの純正アクセサリーでも、仕向け地が違うだけでこうなるという実例としてはかなり強いと思います。社外品なら、なおさら設計者が日本の20mmを意識しているかは分かりません。

落ちる経路は、3つに絞れる

条文を全部開いた結果、サイドステップで車検が止まる経路は3つでした。鋭い突起はここに入ってきません。

経路 根拠 何を見ればいいか
1. 全幅が車検証と合わなくなる 審査事務規程 7-2-1(2)②(幅の測り方)+ 自技第234号 記1(2)③(幅±2cm) 車検証の全幅と、取り付け後の最外側の差
2. 取付が確実でない 審査事務規程 8-28-1(1)②「車体は、車枠に確実に取付けられ、振動、衝撃等によりゆるみを生じないようになっていること」(細目告示第178条第1項関係) ボルトの緩み、ブラケットの変形、ガタ
3. 最低地上高が足りなくなる 保安基準第3条ほか(9cm) ステップ下端やブラケットの地上高

2つめは地味ですが、普通の継続検査の章にはっきり書かれている項目です。「車体は、車枠に確実に取付けられ」の一文は、8-28-1(1)②として第8章にちゃんと存在しています。サイドステップは乗り降りのたびに体重がかかる部品なので、ここは経年で効いてくるはずです。

3つめについては、9cmという数字の出どころと測り方を別の記事で追いました。アンダーカバーの扱いやローダウンの話も含めてそちらにあります。

買う前に見る順番

というわけで、「車検対応と書いてあるか」を見るより先に確認することがあります。

1. 車検証の「幅」を見る。ここが起点です。cm単位で書かれています

2. 自分の車のどこが「最も側方にある部分」なのかを確認する。多くの車はフェンダーの一番張っているところ。タイヤとホイールは測定から外れます

3. そこからステップの外側までが何mm出るのかを調べる。製品ページに「車幅からの片側突出量」が書かれていればそれを見る。書かれていなければメーカーに聞く

4. 車検証の全幅との差が20mmを超えるなら、指定部品に当たるかどうかを運輸支局か指定工場に確認する。別紙に名指しが無いので、ここは自分では決められません

5. 取り付けたあと、ボルトの緩みを定期的に見る。普通の車検で見られる項目です

3番の「何mm出るのか」が、意外と書かれていません。ホンダの事例でも「寸法は車幅からの片側突出量を示す」という注記があってはじめて35.8mmという数字の意味が分かる形でした。全長や全高と違って、幅の突出量は製品スペックとして表に出てきにくい数字だと思います。

測るなら、車体の最外側から垂直に線を落として、そこからステップ外側までを見ることになります。デジタルノギスだと深さを測るのが難しいので、直尺を車体に当てて読むほうが現実的かもしれません。

サイドステップ(車種別)

※ 車種別の適合があるので、型式で絞って探すほうが早いです。私がこれを使っているという話ではなく、こういう部品があるという紹介です(2026年10月時点)

デジタルノギス(200mm)

※ ブラケットの厚みやボルトの頭の出方を測るには使えます。車体からの突出量そのものは直尺のほうが向いています(2026年10月時点)

全幅が増えると、車検とは別のところでも効く

条文の話から少し離れますが、全幅を増やすことの影響は車検だけではありません。

私の車は全幅1,985mmで、素のG400dより55mm広い。この55mmが都心の機械式駐車場で効く場面が実際にあります。1,930mmなら通って、1,985mmなら通らない。そのあいだに線を引いている駐車場があるんです。

それと、枠に入れたあとに起きるのは「隣の車との距離が無くなること」でした。サイドステップを付けると、その分だけ隣に近くなります。乗り降りのための部品なのに、乗り降りしにくくなる方向にも働きうる、というのは一応書いておきます。

構造等変更検査を受けることになった場合の費用感については、受けた記録が私の記事のどこにもないので書けません。書けるのは通常の車検の実額までです。2019年3月に新車で買ったC43(W205型)の初回車検はヤナセで、請求は127,666円。内訳は「MB2年点検A 47,916円」と「車検費用 79,750円」の2行でした。外車の車検費用の内訳はこちらにまとめています。

調べていて分からなかったこと

正直に残します。

  • サイドステップが「その他エアロパーツ類」に当たるのか。別紙に名指しが無く、「当たる」「当たらない」のどちらを書いても根拠になりません。だから書いていません
  • 「ランニングボード」と「サイドステップ」が同じものを指すのか。別紙は「ピックアップ・トラック・ランニングボード」という1語として書いているだけで、定義はありません
  • 外部突起の規制が何年の新車登録から適用されるのか。業界団体の資料に日付が載っているという検索結果は出ましたが、当該PDFが404で原文を確認できませんでした。適用関係告示の該当項まで追えていないので、日付は書きません
  • 審査事務規程 8-28-1(2) の「(例)」の中身。図版なのでテキストとして取り出せませんでした
  • 左右で突出量が違う場合の扱い。234号は「幅」という1つの数字で切っていて、左右差の扱いは書かれていません
  • G400dにサイドステップを付けた場合の実際の突出量。カタログにもメーカー公式にも無く、付けた記録も私の記事のどこにもないので、数字を推計することはしません

よくある質問

サイドステップを付けると車検に通らなくなりますか

付けたこと自体で落ちる条文は見つかりませんでした。「鋭い突起」として扱う列挙(細目告示第22条第4項・第178条第4項、審査事務規程 7-28-1(5)・8-28-1(4))に、サイドステップは1つも出てきません。問題になるのは、取り付けた結果として車検証の全幅と合わなくなった場合です。

何mmまでなら大丈夫ですか

自技第234号 記1(2)③が示している範囲は、車検証に記載されている幅に対して±2cmです(長さは±3cm、高さは±4cm)。ただし簡易な取付方法(手で容易に着脱できるもの)の場合、または指定部品を固定的取付方法で装着した場合は、この寸法条件がかかりません。サイドステップが指定部品に当たるかは別紙に明記が無いため、個別に確認が必要です。

「車検対応」と書いてある製品なら安心ですか

その表示が何を指しているのかは製品によって違うと思います。確認したいのは「車幅からの片側突出量が何mmか」のほうです。国土交通省が公表したホンダ エレメントの事例では、国内用が−2.2mm(車体より内側)、北米向けが35.8mmで、後者は構造等変更検査が必要という扱いになっていました。保安基準そのものは満たしていた、とも明記されています。

車検証の記載変更が必要になったらどうすればいいですか

ホンダの事例での案内は「使用者において構造等変更検査を受けるか、もしくは国内用のサイドステップと交換し自動車検査証の記載事項の幅に合致させる」の2択でした。手続きは運輸支局になります。道路運送車両法第67条第1項の記載事項の変更は、事由があった日から15日以内と定められています。

エアロパーツの基準にある165mmや245Nは、サイドステップにも使えますか

使えません。その規定(審査事務規程 7-28-1(3)③)の柱書きが、対象から「自動車の最前部の車軸と最後部の車軸との間における下面及び側面の部分に備えるもの」を明示的に除いています。さらにこの規定は第7章(改造等の申告がある検査)にしかなく、改造のない使用過程車の第8章には対応する条文がありません。

まとめ

  • 「サイドステップ」「ランニングボード」という語は、保安基準・細目告示第22条・第178条のどこにも無い。出てくる「ステップ」は「ホイール・ステップ」(回転部分の例示)と「二輪車:ステップ」だけ
  • 幅は「自動車の最も側方にある部分」で測る。外せるのはタイヤ、ディスクホイールと付随して回転する部分、両側面の方向指示器の3つだけ。サイドステップは幅に入る
  • 記載事項の変更に当たらない範囲は幅±2cm(自技第234号 記1(2)③)。簡易な取付方法、または指定部品の固定的取付方法なら寸法条件はかからない
  • 指定部品の別紙にあるのは「ピックアップ・トラック・ランニングボード」(自技第235号 別紙 Ⅰ-1-(1))。四輪のサイドステップは名指しされていない
  • 「鋭い突起」の中身は列挙で、第22条第4項が12号・第178条第4項が10号。審査事務規程では第7章11項目・第8章6項目。どこにもサイドステップは無い
  • 唯一寸法が決まっている後付け外装品はエア・スポイラだが、その規定は軸間の下面・側面を対象外にしていて、第7章にしか存在しない
  • 国土交通省の公表事例では、片側突出量35.8mmで構造等変更検査が必要、国内用の−2.2mmなら記載事項の幅に合致、となっていた
  • 落ちる経路は、全幅のずれ/取付の確実性(8-28-1(1)②)/最低地上高の3つ

本記事は情報提供を目的としており、特定の商品・サービスの勧誘を目的とするものではありません。引用した条文・告示・通達および審査事務規程は、2026年10月31日時点でe-Gov法令検索、国土交通省および独立行政法人自動車技術総合機構が公開している内容に基づきます。保安基準・細目告示・通達・審査事務規程はいずれも改正されることがあり、審査事務規程は最終改正が第72次・第74次の版を参照しています。ホンダ エレメントの事例は平成18年11月8日の国土交通省報道発表に基づく当時の内容です。127,666円および47,916円は私のMercedes-AMG C43(2019年式・W205型)における新車から3年目(初回車検)の実際の支払額であり、車種・年式・整備内容・依頼先により金額は大きく異なります。全幅1,985mm・車両重量2,520kgは私のMercedes-Benz G400d(AMGライン)の公表値です。車検の合否、記載事項の変更や構造等変更検査の要否は、個別の車両状態および運輸支局・検査を行う事業者の判断によります。取り付けや申請の前には、指定自動車整備事業者・運輸支局などの専門家にご相談ください。

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