PR:本記事には広告が含まれます。

ETCの深夜割引は、まだ何も変わっていない|22時〜5時への拡大が2度延びた理由と、次に効いてくる「登録」

ETCの深夜割引が2026年8月時点でまだ0時〜4時のままであることを示すアイキャッチ。夜の高速道路 Car|車
この記事は約13分で読めます。
スポンサーリンク

ETCマイレージの記事を書いたとき、私はこう書いています。「今までのETC代金を遡って考えてみたら、10年はETCを使っているので、軽く10万円ぐらいは損したなと思いました」。制度を知らなかっただけで、その間ずっと取りこぼしていたという話です。

同じ形の話が、もう一度来ます。深夜割引が見直されると、ETCマイレージサービスに登録していない人は割引そのものを受け取れなくなります。

ただ、そこに行く前に確かめておくことがありました。その見直し、2026年8月の時点でまだ始まっていません。

スポンサーリンク

今日時点の答え:まだ0時〜4時のまま

検索すると「2025年7月頃から」と書いてある記事がまだ上位に残っています。あれは古い情報です。

NEXCO東日本の深夜割引のページは、いまもこう書いてあります。

毎日午前0時~午前4時の間にご利用いただくと30%割引になります。すべての車種が対象になるお得な割引制度です。

対象車種は「すべての車種」、対象日時は「毎日 0時~4時」、対象道路はNEXCO3社が管理する全国の高速道路など。現行制度がそのまま動いています。

見直し専用のページのほうも、締めの一文は変わっていません。

本見直しの運用開始日時については、決まり次第改めてお知らせします

つまり 開始日は未定。ここが出発点です。

延期は2回あって、理由がそれぞれ違う

競合記事の多くが「システム整備の遅れで延期」と一括りにしていますが、原文を並べると2回の延期は別の話でした。時系列で置きます。

時期 誰が 何を言ったか
令和3年8月4日 社会資本整備審議会 国土幹線道路部会 中間答申。滞留と労働環境を理由に、時間帯の拡大と「走行分を対象に」という方向性を示す
令和5年1月20日 国土交通省 道路局高速道路課 令和6年度中を目処に深夜割引を見直すこととします」
令和6年12月25日 NEXCO3社 令和6年度末頃 →「令和7年7月頃に延期」。理由はシステム整備に時間を要している
令和7年4月6日 NEXCO中日本管内で広域的なETCシステム障害が発生
令和7年10月29日 NEXCO3社 障害を受けて作業を一時中断。「令和8年度以降となります
令和8年2月 NEXCO3社 データ連携機能の構築が完了
令和8年3月3日 NEXCO3社 「今後の作業状況を踏まえて、改めてお知らせいたします

1回目(令和6年12月)の理由は、NEXCO西日本のリリースにはっきり書いてあります。

割引適用時間帯に走行した分の料金を対象として割り引くために必要となるシステム整備に時間を要しており、当初の見込みより遅れが生じている

2回目(令和7年10月)は理由がまったく違って、ETCシステム障害です。そしてここが、今回いちばん面白かったところでした。

延期させた障害は、深夜割引のために作っていたシステムが起こしていた

2025年4月6日のETCシステム障害を覚えている方もいると思います。料金所のバーが開かず、各地で大混乱になったあれです。

多くの記事はこれを「別の出来事」として扱っています。でも、NEXCO3社が公開しているPDFの3ページ目を開くと、原因の説明にこう書いてありました。

「ETCカードの取り扱い是非を判定するためのデータ」は、深夜割引の見直しに向け構築中のシステムを活用して配信しており、ETCシステム障害は広域管理システムから地域管理システムへ配信する際に、データが破損したため発生。

これにより、一部のお客さま車両を通行不可と誤って判定してしまい、ETCレーンで発進制御バーが開閉しない状態となったもの。

図の凡例でも、原因箇所は「深夜料金割引見直しに向けた構築中システム」と名指しされています。

深夜割引の見直しを延期させた障害は、その深夜割引の見直しのために作っていたシステムが起こしたものだった。 順序としては、作る → 障害が出る → 作業が止まる → 見直しが延びる、という一周回った構図です。

原因そのものも具体的に書かれていました。

今回の原因は、ETCカードの判定データ部分に他の情報データ(宛先データ)が書き込まれ破損したものである。これは、送信済みの前回宛先データを消去する機能がなく、この宛先データが蓄積し、ETCカードの判定データを侵食して、データ破損を引き起こしてしまったものである。

データ破損のメカニズムを実証すべく、工場にて再現試験を行った結果、同一の破損状況の出現が確認できたことから、これを原因と確定した。

消し忘れたデータが溜まって、隣の領域を食いつぶした。ソフトウェアを触ったことがある人なら、背筋が寒くなる書き方だと思います。そして再現試験までやって原因を確定させている。ここまで書いてある資料はなかなかありません。

慎重になるのも当然で、いま追加されている作業は「データ破損等検出機能」の実装です。障害を受けて新たに足された工程だと、PDFの注記に明記されています。

公式が「令和8年度以降」と書くのをやめた

ここは細かいですが、見落とすと状況を読み違えます。

令和7年10月29日と令和8年3月3日、NEXCOはほぼ同じ体裁のPDFを出しています。同じタイトル、同じ3ページ構成。1ページ目と3ページ目は「R7.10.29 …より再掲」と注記があって中身も同じです。

違うのは2ページ目の最後の一文でした。

資料 結びの一文
令和7年10月29日 「深夜割引の運用開始時期については、作業の進捗状況を踏まえて、改めてお知らせさせていただきますが、令和8年度以降となります。」
令和8年3月3日 「新たな深夜割引の運用開始時期については、今後の作業状況を踏まえて、改めてお知らせいたします。」

「令和8年度以降となります」が消えています。

この記事を書いている2026年8月25日は、すでに令和8年度の途中です。その段階で年度の目安すら書かれていない。進んだ話(データ連携機能は完成した)と、後退した話(時期の目安は消えた)が同じ資料に同居しているというのが、いまの正確な状態です。

「公式が言っていない期日が独り歩きする」のは、ETCでは前にも見た型でした。

で、何が変わるのか

延期の話ばかりしましたが、中身は確定しています。ドラぷらの見直しページが3点にまとめています。

見直しの3点

POINT1 割引適用時間帯を22時から翌5時に拡大(現行は0時〜4時)

POINT2 割引適用時間帯の走行分のみ3割引。ただし22時台に流出した場合は2割引

POINT3 「ETCマイレージサービス」または「ETCコーポレートカード」への後日還元型に変更

いま話題になるのはPOINT1の「22時に広がる」ですが、実際の効き方が変わるのはPOINT2です。

現行制度は、0時〜4時に少しでも走れば通行料金の全体が3割引になります。だから0時の直前に料金所の手前で待つ、いわゆる「0時待ち」が起きる。国交省の資料には、その滞留の写真まで載っています。撮影日時は令和2年12月23日(水)23時58分、場所は東京本線料金所前。制度の課題を、待っている車列の写真で示しているわけです。

見直し後は、22時〜5時に走った分だけが3割引の対象になります。0時前に待つ意味は無くなる代わりに、深夜帯にちょっとだけかかる走り方だと割引額は小さくなります。

そして見落とされがちなのが22時台の扱い。国交省の令和5年1月20日の発表に、こう書かれています。

※上記措置とあわせて、22時台に高速道路を流出した場合、深夜割引の割引率を3割から2割に縮小

22時台に降りると3割ではなく2割。「22時から割引」とだけ覚えていると、ここで数字が合わなくなります。

いちばん実害が出るのは、登録していない人

POINT3が、この記事でいちばん伝えたいところです。

いまの深夜割引は、何もしなくても効きます。ETCカードを挿して0時〜4時に走れば、その場で3割引された料金が請求される。登録も申請も要りません。

見直し後は違います。ドラぷらの注記です。

ETCマイレージサービスへの登録が必要になります。(既にご登録済みの方は再度お申込みいただく必要はございません)

割引の適用には、事前に「ETCマイレージサービス」への登録または「ETCコーポレートカード」…

料金所ではいったん通常料金が請求されて、あとからマイレージ側に還元される仕組みになるからです。受け皿が無ければ、返す先が無い。

つまり、登録していない人は割引が丸ごと受け取れなくなります。

ここで冒頭の話に戻ります。私はETCマイレージの記事に「知ったその日に申し込みしました」と書いていて、申請はインターネット経由でやりました。だから私自身はもう受け皿がある側です。ただ、あのとき10年ぶんを取りこぼしたと書いた構図が、今度は登録していない人に同じ形で来ます。制度を知っているかどうかだけで差がつく、という点がまったく同じなんですよね。

弱点も書いておきます。還元がいつ行われるのか(翌月なのか、何日後なのか)は、NEXCOの原文に書かれていませんでした。「後日還元」という言葉までです。ここは開始が近づいたら改めて確認する必要があります。

還元されたかどうかを確かめる側の話は、利用額の確認方法と地続きです。

「上限距離」という、見慣れない仕組みが入る

見直し後の資料には、あまり報じられていない表が付いています。割引の対象になる距離に上限を設けるという仕組みです。

理由も書かれていて、割引対象距離を増やそうとして速度超過などの無謀な運転が起きるのを抑えるため。令和5年11月7日から11月20日まで意見募集も行われています。

22時から翌5時における高速道路の利用時間(休憩含む) 深夜割引の対象となる距離の上限
4時間以内 利用時間 ×(上限距離)
4時間〜4時間30分 4時間 ×(上限距離)
4時間30分〜7時間 (利用時間 − 30分)×(上限距離)

「上限距離」は1時間あたりの数字で、大型車以上の貨物自動車等は90km、それ以外の車両は105km。真ん中の行で頭打ちになって、その先で30分引かれるのは「無休憩運転の抑制のため、最大30分の休憩を加味」した設計だと注記されています。

資料には「道路交通法の施行令改正に伴い、上限距離の見直しを行っています」という但し書きも付いています。数字が動いた履歴があるということなので、開始時にはもう一度確認したほうがいい箇所です。

正直なところ、乗用車で一晩に105km×4時間=420kmを超えて走る場面はそう多くありません。この表が効いてくるのは長距離の運送側で、そこは私の守備範囲の外です。表の形だけ置いておきます。

なお、この表は4時間30分〜7時間で終わっていて、7時間を超えた場合がどうなるかは資料に書かれていません。書かれていないので、こちらでも埋めません。

長距離側には、拡充もある

割引が減る話ばかりに見えますが、長距離逓減制のほうは拡充されます。国交省の資料に現行と見直し後が並べて書かれていました。

逓減率
現行 100km超〜200km以下を25%引、200km超を30%引
見直し後 上記に加え、400km超〜600km以下を40%引600km超〜800km以下を45%引800km超を50%引

さらに激変緩和措置として、見直しから5年程度は「深夜割引時間帯に一定以上の距離を走行し、かつ1,000km以上走行した場合は、1,000kmを超えて走行した分を深夜割引の対象とする距離に加算」という扱いが入ります。

長距離逓減制は、対距離料金を適用する高速自動車国道で、走った距離に応じて割引前の通常料金そのものを下げる制度です。深夜割引とは別建てなので、両方が効きます。

私がETCマイレージに登録した経緯

自分の話も書いておきます。

私がETCマイレージサービスを知ったのは、ETCを使い始めてからだいぶ経ってからでした。その記事には「知ったその日に申し込みしました!」と書いていて、申請はインターネット経由です。郵送でもできますが、私はネットのほうを選びました。

そのとき計算して「10年はETCを使っているので、軽く10万円ぐらいは損した」と書いています。金額の内訳はその記事に譲りますが、制度を知らなかっただけで消えた金額でした。

線を引いておきます。私が深夜に高速を走った、0時待ちをした、深夜割引を実際に使った、という話は自分の記事のどこにも書いていません。 公開している記事を「深夜割引」「休日割引」「0時待ち」で全文検索して、すべて0件でした。2025年4月のETCシステム障害に巻き込まれたという記述もありません。だから、待ち行列の体感や運送の現場の話は書けません。

書けるのは、登録していないと受け取れなくなるという一点と、それを一度取りこぼした側の実感だけです。ETCまわりは車載器の規格を調べたときにも思いましたが、公式の資料は出ているのに、届いていないことが多すぎるんですよね。

高速代を事業の経費として見ている側なら、入口はこちらになります。

ついでに書くと、車まわりの制度は延びるものばかりでもありません。同じ時期に、こちらは前に動きました。受けられる期間が1ヶ月ぶん広がった話です。

一次情報が無いので書かなかったこと

このサイトでは、原文にたどり着けなかったことは書かないことにしています。今回外したものを並べます。

書かなかったこと 理由
開始日の予想 公式が年度の目安すら示していない。予想を書くと、それ自体が独り歩きする
還元額の計算式(走行距離の比率×30%という形) 検索結果の要約には出てくるが、NEXCO・国交省の原文で確認できなかった
還元のタイミング(翌月/何日後) 原文は「後日還元」までで、時期の記載が無い
現行の深夜割引がいつ終わるか 国交省は「導入開始までの間は現行の深夜割引を継続します」までしか言っていない
7時間を超えて走った場合の上限距離 表が4時間30分〜7時間で終わっている
「改悪」かどうかの結論 走り方によって有利にも不利にもなる。断定する材料が無い
ETCシステム障害の影響台数・補償 資料は原因の説明までで、規模と補償に触れていない

平日朝夕割引や休日割引は、今回の見直しの対象ではありません。混ぜて書くと別の制度の話が紛れ込むので、触れていません。

よくある質問

深夜割引が22時からになるのはいつからですか

2026年8月時点で決まっていません。国土交通省は令和5年1月20日に「令和6年度中を目処に」としましたが、令和6年12月25日に令和7年7月頃へ延期、さらに令和7年10月29日に「令和8年度以降」となり、令和8年3月3日の資料ではその「令和8年度以降」という記載自体が無くなり、「今後の作業状況を踏まえて、改めてお知らせいたします」に変わりました。それまでは現行の0時〜4時・3割引が続きます。

見直し後もいまと同じように自動で割引されますか

されません。「ETCマイレージサービス」または「ETCコーポレートカード」への後日還元型に変わります。料金所ではいったん通常の料金になり、あとから還元される形です。そのためETCマイレージサービスへの登録が必要になります。すでに登録済みなら、改めて申し込む必要はないと明記されています。

22時に高速に乗れば3割引になりますか

22時〜翌5時に走った分が対象になりますが、22時台に高速道路を流出した場合は3割ではなく2割引に縮小されます。また、割引になるのは対象時間帯を走った分だけで、昼から走り続けて22時をまたいだ場合、22時より前の走行分は対象外です。

2025年4月のETCシステム障害と深夜割引は関係がありますか

関係があります。NEXCO3社の資料によれば、障害が起きたのは「ETCカードの取り扱い是非を判定するためのデータ」の配信で、これは深夜割引の見直しに向けて構築中のシステムを使っていました。宛先データを消去する機能が無く、蓄積したデータが判定データを侵食して破損した、というのが確定した原因です。この障害を受けて作業が一時中断し、見直しの開始時期が延びました。

「0時待ち」は無くなりますか

見直しの目的のひとつがそれです。国交省の資料は、東京本線料金所前で0時前に割引待ちの車両が滞留している写真(令和2年12月23日23時58分撮影)を課題として挙げています。見直し後は対象時間帯に走った分だけが割引になるため、0時ちょうどを待つ意味は無くなります。ただし見直しが始まるまでは現行制度のままです。

まとめ

  • 2026年8月時点で、深夜割引は0時〜4時・3割引のまま。 22時〜5時への拡大はまだ始まっていない
  • 開始時期は2度延期。1回目はシステム整備、2回目はETCシステム障害で理由が違う
  • 🔴 延期の原因になった障害は、深夜割引の見直しのために構築中だったシステムが起こしていた
  • 令和8年2月にデータ連携機能は完成したが、令和8年3月3日の資料からは「令和8年度以降」の文言が消えた
  • 見直し後は22時〜翌5時走った分のみ3割引22時台の流出は2割引
  • 🔴 後日還元型になるため、ETCマイレージサービスへの登録が必要。登録していないと受け取れない
  • 長距離側は逓減制が拡充(400km超40%/600km超45%/800km超50%)

いま何かする必要があるとすれば、ひとつだけです。ETCマイレージサービスに登録しているかどうかを確認しておくこと。 開始日が決まってから慌てても、その間の走行分は戻ってきません。私が10年ぶんを取りこぼしたのと、同じ理由で。

本記事は情報提供を目的としており、特定の商品・サービスの勧誘を目的とするものではありません。掲載している制度の内容・時期は2026年8月時点で 国土交通省NEXCO東日本NEXCO西日本ドラぷらが公表している内容に基づきます。見直しの運用開始日は未定で、内容も変更される可能性があります。実際の割引の適用可否については、ご利用前に各高速道路会社の最新の案内をご確認ください。

同じETCでも、こちらは料金所の側の話です。ETC専用料金所に入ってしまったときに何をすればいいのかを、公式の原文で確認しました。

外車をリースで乗るという選択肢

車両価格・税金・車検・保険を月額に均せるのがリースです。外車を新車で扱えるところは限られていて、オリコで乗ーるはその数少ない1社です。頭金なし・ボーナス払いなしでも組めます。

※ 条件は各公式サイトの最新情報をご確認ください。