2019年3月から2023年8月までAMG C43に乗っていて、いまはG400dです。前の車の自動車税は年間51,000円で、その額はC43の記事にそのまま書きました。
Gの維持費がいくらになるのかを調べようと思って「Gクラス 維持費」の上位記事を6本まとめて取得し、本文に「11年」という語が何回出てくるかを数えました。6本とも0回でした。
6本のうち5本は、G350dやG400dというディーゼルのグレードを名指しで扱っていて、「ディーゼル」という語は5〜11回出てきます。それでいて「11年」は0回。ついでに「重課」も数えましたが、こちらも6本とも0回でした。
2,924ccがどの箱に入るか
先に自分の車の数字を確認します。G400dの総排気量は2,924cc、エンジン型式はOM656の直列6気筒DOHC、使用燃料は軽油、型式は3DA-463350です(カーセンサーのカタログ・2026年9月時点で確認)。メルセデス・ベンツ日本の公式サイトはこちらからは読めないので、出典はここに取っています。
2,924ccなので、自動車税の区分は「2.5リットル超3リットル以下」です。ここまではC43と同じ箱で、あちらは2,996ccでした。どちらも「3.0リットル」と呼ばれる車ですが、実際の総排気量は3,000ccに届いていません。
問題は、同じ箱に入っていても額が1種類ではないことです。東京都主税局の税率表によると、自家用乗用車の2.5リットル超3リットル以下はこうなっています。
| 初回新規登録の時期 | 自動車税(種別割)年額 |
|---|---|
| 令和元年10月1日以後 | 50,000円 |
| 令和元年9月30日以前 | 51,000円 |
私のC43は51,000円でした。2019年3月納車なので、令和元年9月30日以前の側です。1,000円の差なので実害としては小さいのですが、排気量ではなく登録の時期で額が変わるという構造がここに出ています。
Gのほうがどちらになるかは、初度登録の年月で決まります。ここで正直に書いておくと、自分のGが何年に初度登録された個体なのかを、私はこれまでの記事のどこにも書いていません。なので「私のGは何円です」とは書けません。書けるのは、車検証を見れば上の表のどちらかに一意に決まる、というところまでです。
先ほどの6本を見ると、3本がこの欄に「51,000円」を挙げていました。うち1本は新旧を並べて書いているので正確です。残りの2本は、旧税率だけを載せているか、Gクラスの年額としてそのまま51,000円を出しています。金額そのものより、この欄が2段になっていることのほうが見落とされやすいのだと思います。
ディーゼルだけ、線が2年手前にある
ここからが本題です。自動車税には、古くなった車の税率を上げる仕組みがあります。グリーン化特例の重課と呼ばれるもので、東京都主税局の書き方はこうです。
2 環境負荷の大きい自動車に対する重課
適用対象 4月1日現在、初回新規登録後
・ディーゼル自動車…11年を超えるもの
・ガソリン自動車・LPG自動車…13年を超えるもの
重課率 概ね15%(※バス・トラックは概ね10%の重課です。)
ディーゼルは11年、ガソリンとLPGは13年。2年違います。
C43はガソリンなので13年でした。C43の記事にも「ガソリン車は初回新規登録から13年を超えると概ね15%の重課対象になる」と一行だけ書いてあります。当時はそれで正しかったのですが、ディーゼルに乗り換えた以上、自分に当たるのは11年のほうです。
もうひとつ細かいところを。判定は「4月1日現在」です。自動車税は4月1日時点の所有者に課されるので、11年を超えたかどうかもその日で見ます。年度の途中で11年を迎えても、その年度には効きません。
重課率は「概ね15%」までしか書かれていません。50,000円に1.15を掛ければ57,500円になりますが、出典がその額を書いていない以上、ここでは円で断定しません。実際の額は税率表の重課欄で確認してください。
減免もあります。都が指定する粒子状物質減少装置を装着したディーゼル車と、1945年(昭和20年)までに製造されたヴィンテージカーは、納期限までに申請すれば重課分が減免されます。ただし装置の指定がどこまでを指すのかは都のページ側の話なので、自分の車が当てはまるかは都税事務所に確認してください。ここで「G400dなら対象です」とは言えません。
この2年差は、正直あまり気持ちのいい数字ではないです。Gは長く乗られる車で、11年落ちでも平気で値が付いている。その車に、燃料の種類だけを理由に線が2年手前に引かれている。環境負荷で線を引くという理屈は分かるのですが、納得感とは別の話だなと思いました。
重量税の側には、この2年差が無い
ここで混乱しやすいのが、車にかかる税金がもう一種類あることです。自動車重量税のほうにも「古くなると上がる」仕組みがありますが、こちらは燃料の種類で分かれていません。
国土交通省が出している重量税の税額の考え方(フローチャート)を見ると、対象がこう書かれています。
○2026年5月1日から2028年4月30日までに乗用車(ガソリン車・LPG車・クリーンディーゼル車)の継続検査、中古車の新規登録等を行う場合
ガソリン車・LPG車・クリーンディーゼル車がひとつの括弧にまとめられています。その先の分岐も「13年未満車」「13年経過車」「18年経過車」の3つだけで、ディーゼルを11年で切る枝は出てきません。
つまり、こうなります。
| 税の種類 | ディーゼル | ガソリン・LPG | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 自動車税(種別割) | 11年超 | 13年超 | 東京都主税局 |
| 自動車重量税 | 13年・18年 | 13年・18年 | 国土交通省 |
同じ「古くなったら高くなる」でも、片方だけ2年早い。ここを一本の年数だと思っていると、11年目の5月に届く納税通知書で驚くことになります。
もうひとつ、重量税の「13年経過」は素直に13年ではありません。同じ資料の2ページ目にこうあります。
初度登録年月(小型二輪車の場合は初度検査年月)から12年10ヶ月以後に自動車検査証の交付等を受ける場合、「13年経過」となります。(租税特別措置法:第九十条の十一の二、第九十条の十一の三)
12年10ヶ月です。2ヶ月手前から効きます。車検のタイミングによっては、13年を迎える前の車検で13年経過の額を払うことになります。
重量税そのものの仕組みと、法定費用の内訳がどうなっているかは、C43の初回車検を受けたときに書いた記事にまとめてあります。ここでは繰り返しません。
2.5トンの線を、Gはまたいでいる
重量税は車検証の車両重量で決まります。ここでGクラスがちょうど厄介な位置にいます。
カーセンサーのカタログでは、G400d(ディーゼルターボ 4WD)の車両重量は2,490kgです。一方で私が燃費の記事で書いたAMGラインの車両重量は2,520kgでした。
重量税の区分は0.5トンごとに切れます。2,490kgは「2トン超2.5トン以下」、2,520kgは「2.5トン超3トン以下」。30kgの差で、隣の欄に移ります。
2026年5月1日からの税額表(継続検査等・乗用車・2年自家用)の該当部分を抜き出すと、こうなっています。
| 車両重量 | エコカー(本則税率) | エコカー外(右以外) | 13年経過 | 18年経過 |
|---|---|---|---|---|
| 2トン超2.5トン以下 | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
| 2.5トン超3トン以下 | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
エコカー外の欄で見ると、41,000円と49,200円。差は8,200円です。2年に1回なので年あたり4,100円。金額としては大きくありませんが、グレードやオプションの積み方で線をまたぐという事実は知っておいて損はないと思います。ルーフレールや大径ホイールを足していけば、車両重量は動きます。
ここで断定できないことがひとつあります。G400dが上の表のどの列に入るかを、私は確定できていません。エコカーの本則税率が適用されるかどうかは排出ガス規制の適合と燃費基準の達成率で決まるのですが、その達成率を一次資料で確認できませんでした。3つの列を並べたのはそのためで、「エコカー外だから49,200円です」とは書きません。
自分の車の額を知りたい場合は、国土交通省が車台番号から引ける次回自動車重量税額照会サービスを出しています。推測で計算するより、こちらが確実です。
「年間いくら」を、私は書けません
ここまでが税金です。では年間の維持費はいくらかというと、私はその数字を出せません。出せない理由をそのまま書きます。
確定するのは、車検証から一意に決まるもの。自動車税と重量税、それに自賠責保険料です。確定しないのは、任意保険料・駐車場代・年間走行距離の3つです。
任意保険については実額を書いたことがあります。ただしあれはC43のときの契約で、初年度56,830円、3年目(8等級)で34,330円という数字でした。Gに乗り換えてからの保険料は、まだどこにも書いていません。月極の駐車場代と、年間何km走っているかも同じです。書いていない数字を今日ここで足せば、それは実額ではなく作り話になります。
代わりに、燃料費だけは自分の実測から出せます。燃費の記事に書いたとおり、都内中心で車載表示は6〜7.5km/L、直近の給油は89.25Lで12,941円(約145円/L)でした。
1,000kmあたりに直すとこうなります。
| 実燃費 | 1,000kmに必要な軽油 | 燃料費(約145円/Lで試算) |
|---|---|---|
| 6.0km/L | 約166.7L | 約24,200円 |
| 7.5km/L | 約133.3L | 約19,300円 |
年間8,000km走る人なら15〜19万円、15,000km走る人なら29〜36万円。幅が出るのは走り方のせいで、車のせいではありません。総額をひとつの数字で出している記事は、この走行距離をどこかで勝手に決めています。だいたい年1万kmです。自分がそれに当てはまるかどうかは、自分で確かめたほうがいい。
なお軽油の価格は当然動きます。上の145円/Lは私が実際に給油したときの単価で、いまの相場ではありません。
税金以外で額がはっきりしているものをもうひとつ挙げると、メルセデス・ケアが切れたあとの延長プログラムがあります。Gのディーゼルで759,000円でした。3年目に一度、まとまった判断が来ます。
自分の額を出す手順
やることは4つです。車検証を1枚出してくれば、10分もかかりません。
- 総排気量を見る … 自動車税の区分が決まります。2,924ccなら2.5リットル超3リットル以下
- 初度登録年月を見る … 令和元年10月1日以後なら50,000円、それ以前なら51,000円。そして重課の起算日もここです
- 燃料の種類を見る … 軽油なら11年超で重課、ガソリンなら13年超
- 車両重量を見る … 重量税の区分。2,500kgをまたぐかどうかを確認する
重課の年に当たるかどうかは、初度登録年月に11年(ガソリンなら13年)を足して、その後の最初の4月1日を過ぎているかで見ます。
納め方の話はここでは扱いません。自動車税をカードで払うと手数料がいくらで、還元と差し引きでどうなるかは別に書いてあります。
税金と車検をまとめて月額に含めてしまう持ち方もあります。リースは自動車税・重量税・自賠責が契約に含まれる形なので、11年や13年の線を自分で管理しなくてよくなる。そのかわり総支払額は別の話になります。
よくある質問
G400dの自動車税は結局いくらですか
総排気量2,924ccなので「2.5リットル超3リットル以下」に入り、初回新規登録が令和元年10月1日以後なら年50,000円、それ以前なら年51,000円です(2026年9月時点・東京都の税率表)。車検証の初度登録年月で決まるので、中古で買った個体は登録時期を確認してください。
ディーゼルが11年で高くなるというのは本当ですか
自動車税(種別割)についてはそのとおりです。東京都主税局は「4月1日現在、初回新規登録後 ディーゼル自動車…11年を超えるもの」を重課の対象とし、ガソリン車・LPG車は13年超としています。重課率は概ね15%です。ただし自動車重量税のほうは燃料で分かれず、13年経過・18年経過の区分だけです。
重量税の「13年経過」はちょうど13年目からですか
いいえ。国土交通省の資料では、初度登録年月から12年10ヶ月以後に車検証の交付等を受ける場合に「13年経過」となります(租税特別措置法 第90条の11の2、第90条の11の3)。2ヶ月手前から効くので、車検の時期によっては13年を迎える前に高いほうを払うことがあります。
Gクラスの年間維持費はいくらくらいですか
税金と自賠責は車検証から一意に決まりますが、任意保険・駐車場・走行距離は条件で大きく変わります。そのため総額はあえて出していません。燃料費だけは実測から出せて、都内中心の6〜7.5km/Lなら1,000kmあたり約19,300〜24,200円(約145円/Lで試算)でした。自分の年間走行距離を掛けてください。
税金を安くする方法はありますか
法人名義や経費化の話は税理士の領域なので、ここでは扱いません。この記事で言えるのは、重課の起算が初度登録年月であること、重量税は車両重量で0.5トンごとに切れること、この2つを車検証で先に確認しておくと判断材料になる、というところまでです。
まとめ
- G400dは総排気量2,924ccで、自動車税は「2.5リットル超3リットル以下」。50,000円か51,000円に分かれ、決めるのは排気量ではなく初回新規登録の時期
- 自動車税の重課はディーゼル11年超・ガソリン13年超で、2年ずれている。判定は4月1日現在、重課率は概ね15%
- 自動車重量税に11年は無い。国交省の資料はガソリン車・LPG車・クリーンディーゼル車をひとまとめにし、13年経過・18年経過だけで分けている
- 重量税の「13年経過」の起算は12年10ヶ月
- 車両重量2,490kgと2,520kgは、重量税の2.5トンの線をまたぐ。エコカー外の欄で41,000円と49,200円、差は8,200円(2年)
- 年間の総額は出していない。走行距離と保険と駐車場を決め打ちしないと出ない数字だから
Gクラスの維持費を調べていて総額の表ばかり出てくるのは、そのほうが読みやすいからだと思います。ただ実際に払うのは自分の車検証に書かれた数字のほうで、そこは総額の表からは出てきません。車検証を1枚出してくるほうが早いです。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の商品やサービスの勧誘を目的とするものではありません。記載した税額・区分・年数は2026年9月時点で東京都主税局および国土交通省が公表している内容に基づきます。自動車税(種別割)は都道府県税であり、税率や減免の取り扱いは自治体によって異なる場合があります。税制は改正されるため、実際の納税額は納税通知書、お住まいの都道府県税事務所、または国土交通省の次回自動車重量税額照会サービスでご確認ください。個別の税務判断については税理士など専門家にご相談ください。
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