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車のローンが残っていると、住宅ローンの審査でどう見られるのか

暗がりに立つ輸入SUV。車のローンが住宅ローンの借入可能額に与える影響を示すイメージ Car|車
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自宅を買おうとしたときに、銀行から「売るか、一括返済か」と言われたことがあります。

引っかかったのは車のローンではありませんでした。投資用不動産のローンです。その話は別記事に書いたので、ここでは車の側から見ていきます。

ただ、あのとき銀行が見ていた数字は、借りている先が不動産か車かに関係なく同じものでした。そこがこの記事の中身です。

外車を買うと、ローンの額はそれなりに大きくなります。私が乗っていたMercedes-AMG C43は、年間の維持費が約100万円で、そのうち55万円がローンの返済でした。この55万円が、家を買うときにどう扱われるのか。調べてみたら、思っていたよりはっきり公開されていました。

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銀行が見ているのは「住宅ローン以外の返済が年いくらか」

住宅ローンの審査でよく出てくる言葉に「返済負担率」(総返済負担率、返済比率とも)があります。

フラット35の公式サイトには、利用条件としてこう書かれています。

年収 総返済負担率の基準
400万円未満 30%以下
400万円以上 35%以下

出典: 住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件(2026年8月時点)

問題はここからで、同じページには「すべての借入れ」の中身が書いてあります。原文を引きます。

> 【フラット35】のほか、【フラット35】以外の住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローン(クレジットカードによるキャッシング、商品の分割払いやリボ払いによる購入を含みます。)などを

自動車ローンが名指しで入っています。 これは「一般的にそう扱われるらしい」という話ではなく、公的な融資制度の条件として明記されているものです。

つまり、年収に対して使える枠は最初から決まっていて、車のローンはその枠を先に食っているという構造です。家のために残っている枠は、その残りになります。

弱点も書いておくと、これはフラット35の条件であって、民間の銀行が同じ数字で運用しているとは限りません。銀行ごとに基準は違いますし、公開もされていません。ただ、考え方の枠組みは共通していると見ていいと思います。その根拠が次の話です。

7割の金融機関が、他の借入と返済履歴を見ている

国土交通省が毎年やっている「民間住宅ローンの実態に関する調査」があります。令和7年度の調査には994機関が回答していて、調査票の配布・回収は令和7年10月〜12月です。

その中に「融資を行う際に考慮する項目」という設問があります。回答は次のとおりでした。

審査項目 考慮する機関の割合
完済時年齢 98.4%
借入時年齢 96.2%
健康状態 96.1%
年収 94.2%
勤続年数 93.9%
担保評価 91.0%
返済負担率 90.9%
金融機関の営業エリア 89.2%
連帯保証 84.7%
カードローン等の他の債務の状況や返済履歴 72.5%

出典: 国土交通省 住宅局「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(令和8年3月・PDF)

返済負担率が90.9%、他の債務と返済履歴が72.5%。 どちらも過半をはるかに超えています。

さらに同じ資料には、返済負担率をどのラインで見ているかの内訳も載っています。40%以内としている機関が74、35%以内が58、30%以内が39、45%以内が4、50%以内が2。厳しいところは30%で切っています。

ここで正直に書いておきたいことがあります。この調査は「考慮する項目」を聞いたものであって、「落とされる基準」を聞いたものではありません。 72.5%という数字は、7割の人が他の借入で落ちるという意味ではないです。見られている、というだけです。

それでも、7割の機関がわざわざ確認する項目だと分かっているなら、扱いは変わってきます。

なお、借入の状況は個人信用情報として記録されています。CICの場合、登録されるのは「契約した会社名/氏名/生年月日/電話番号/契約の内容/契約年月日/契約額/請求された額/入金した額/残高/返済の状況/入金の状況」です(CIC公式)。残高と返済の状況が両方入っているので、申告するかどうかの問題ではありません。

4割の機関は、スコアリングで機械的に見ている

同じ調査には、審査のやり方についての設問もあります。

審査方法 割合
スコアリング方式では審査を行っていない 59.9%
スコアリング方式により一部審査を行っている 24.4%
スコアリング方式を中心にして審査を行っている 15.7%

出典: 国土交通省 住宅局「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」(回答852機関)

同資料の注記によれば、スコアリング方式とは「申込者のデータにより審査項目(年収、返済負担率等)毎に点数を付け、その合計点によって融資するか否か等を決める方式」です。

一部または中心にスコアリングを使っている機関を足すと40.1%。 つまり4割の機関では、返済負担率が点数として直接効いてきます。

ここは受け取り方に注意が必要なところで、残りの約6割はスコアリングを使っていない、とも読めます。「事情を説明すれば通る余地がある」機関のほうが多数派という見方もできます。私は後者だと思っていますが、これは資料から読めることではなく、私の受け取り方です。

1位が「完済時年齢」だったことの意味

さきほどの審査項目の表で、いちばん高かったのは返済負担率ではなく完済時年齢の98.4%でした。ほぼ全部の機関が見ています。

具体的な内容の内訳も出ていて、80歳未満とした機関が716と圧倒的に多く、85歳未満が65、75歳未満が42と続きます。

フラット35の借入期間の条件も、これと揃っています。「15年以上で、80歳-申込時年齢 または 35年のいずれか短い年数が上限」(フラット35 ご利用条件)。45歳で申し込むと80-45でちょうど35年、46歳を過ぎた時点から上限が1年ずつ削られていきます。

車の話とどう繋がるかというと、返済期間が短くなると、同じ月々の返済額でも借りられる額が落ちるからです。さきほどの試算(金利3.400%・月291,667円)を35年ではなく30年でやり直すと、約7,157万円が約6,577万円になります。580万円ぶん減ります。

つまり、車のローンを完済してから家を検討しようという判断そのものが、待った年数のぶんだけ返済期間を削るという別の効き方をします。ここはトレードオフで、正解が一つに決まりません。

私自身は、この2つを天秤にかけた記憶がありません。そもそも並べて考えていなかったというのが正直なところです。

年55万円のローンが、いくら分の枠を消すのか

抽象的な話が続いたので、数字を入れます。

私のC43のローンは年55万円でした。年間維持費が約100万円で、そこからローンを抜くと45万円前後。この55万円という数字を使います。

計算の前提は次のとおりです。

  • 年収1,000万円(総返済負担率の基準は 35%以下
  • 金利 年3.400%(フラット35の融資率9割以下・借入期間11年超で最も多い金利。2026年6月資金受取分/住宅金融支援機構
  • 返済期間35年・元利均等・ボーナス返済なし

年収1,000万円の35%は年350万円。これが年間の返済に使える上限です。

住宅ローンに回せる年間返済額 借入可能額(試算)
車のローンなし 350万円(月291,667円) 約7,157万円
車のローン 年55万円あり 295万円(月245,833円) 約6,032万円
55万円 約1,124万円

※ 上記は総返済負担率の基準と上記の前提条件から筆算した試算です。実際の審査は金融機関ごとに基準・審査金利が異なり、この額が借りられることを示すものではありません。

年55万円のローンが、住宅ローンの枠を約1,124万円削る計算になります。

私はこの数字を出したときに、正直「そんなに効くのか」と思いました。月に直せば45,833円です。月4万円台の支払いが、家の予算では1,000万円以上の差になって出てくる。

面白いのは、この差額が年収に依存しないことです。年収1,000万円でも600万円でも、上限に収まっている限り、車のローン年55万円が消す枠は同じ約1,124万円です。上限に対する割合で見ると、年収が低いほうが痛いということになります。

弱点というか、この試算の限界も書いておきます。実際の銀行は審査金利(実行金利より高い金利で返済額を計算する運用)を使うことが多く、その場合は借入可能額がさらに下がります。審査金利は公開されていないので、ここでは触れられません。この試算は、あくまで枠の削られ方の桁を掴むためのものです。

じゃあカーリースなら載らないのか

ここが調べていていちばん引っかかったところです。

「カーリースなら借入にならないので住宅ローンに影響しない」「いや、リースも債務扱いで返済比率を圧迫する」——どちらの説明も、カーリース事業者や不動産会社のメディアに出てきます。主張が正反対なのに、どちらも根拠を示していません。

私が調べた範囲では、次のとおりでした。

  • フラット35の利用条件に列挙されている借入の中に、リース料の記載はありません(自動車ローン・教育ローン・カードローン・分割払い・リボ払いは明記されています)
  • 国土交通省の調査にも、リースの扱いを聞いた設問はありません
  • 民間の金融機関で、リース料の扱いを公開しているものは見つけられませんでした

なので、「リースなら審査に影響しない」とは書けません。 逆に「必ず含まれる」とも書けません。分からないというのが調べた結果です。

現実的な対処としては、申し込む予定の金融機関に直接聞くのがいちばん早いと思います。リース契約書を持って行って、これは返済負担率に入りますかと聞く。担当者レベルで即答できないなら審査部に確認してもらう。ここを曖昧にしたまま進めるのがいちばん危ないです。

残価設定ローン(残クレ)についても同じで、月々の支払額の扱いや、最終回の残価をどう見るかについて、公的な資料は見つかりませんでした。残クレは「ローン」なので自動車ローンとして扱われるはず、という推測は成り立ちますが、推測です。

車の持ち方そのものについては別記事で3社を比較しています。審査に有利という話ではなく、所有以外の選択肢としての整理です。

私が引っかかったのは、車のローンではなかった

冒頭に書いた話に戻ります。

住み替えのために自宅のローンを検討したところ、返済比率が引っかかりました。結果として金融機関から、投資用物件を売却するか、一括返済するかを求められました。

一括返済できる現金があるならそれも選択肢ですが、それができるなら最初から借りていません。売るしかない状況になって、5年を待たずに4年目で手放しました。

車のローンのせいで落ちたわけではありません。 そこは正確に書いておきます。

ただ、あのとき見られていたのは「住宅ローン以外の返済が年いくらあるか」という一本の数字でした。その中身が投資用ローンか車のローンかは、計算式の上では区別されません。 フラット35の条件に自動車ローンが並んで書かれているのは、まさにそういうことです。

私の場合はたまたま不動産でしたが、外車を残価設定なりフルローンなりで買っていて、数年以内に家を考えている人は、同じ壁に別の入口から当たることになります。

そしてこれは、物件の良し悪しとも、車の良し悪しとも関係ありません。順番の問題です。

順番をどうするか

「家が先か、車が先か」に一般解は無いと思っています。私も後から気づいた側なので、偉そうなことは言えません。

そのうえで、事実として言えることを整理します。

  • 車のローンは、住宅ローンの枠を年間返済額ぶんそのまま削る(フラット35の条件に自動車ローンが明記)
  • 枠の削られ方は年収に依存しない。 年55万円なら、誰でも同じだけ削られる
  • 完済すれば消える。 ただし信用情報には契約と返済の記録が残るので、遅延があった場合はそちらが別途見られる(CICの登録項目に「返済の状況」「入金の状況」がある)
  • 数年以内に家を考えているなら、車の契約を決める前に、その金額を返済負担率の式に入れてみる

最後のものが、いちばん安く済む対策だと思います。式は単純で、(住宅ローンの年間返済額 + 車を含む他の返済額)÷ 年収。これが30〜35%のラインをどれくらい食っているかを見るだけです。

年収ごとに、使える年間返済額の上限と、そこから車のローン年55万円を引いた残りを並べるとこうなります。

年収 基準 年間返済額の上限 車のローン55万円を引いた残り 上限に占める割合
400万円 35% 140万円 85万円 39.3%を使用
600万円 35% 210万円 155万円 26.2%を使用
800万円 35% 280万円 225万円 19.6%を使用
1,000万円 35% 350万円 295万円 15.7%を使用
1,500万円 35% 525万円 475万円 10.5%を使用

※ 基準はフラット35の総返済負担率(年収400万円以上は35%以下)から筆算したものです。民間金融機関の基準は各社異なります。

削られる金額は同じでも、痛み方は年収で変わります。 年収400万円の人にとって、外車のローン1本で枠の4割が消えます。ここは「外車を買うかどうか」の判断より前に見ておく数字だと思います。

車の固定費をどこに寄せるかという話は別に書いています。ローンの元本そのものは動かせませんが、周辺の支払いは動かせます。

よくある質問

車のローンがあると住宅ローンは組めませんか?

組めないという話ではありません。返済負担率の枠を車のローンが先に使う、という構造の話です。フラット35の基準は年収400万円以上で35%以下。枠に収まっていれば問題になりません(フラット35 ご利用条件)。

住宅ローンの前に車のローンを完済したほうがいいですか?

完済すれば返済負担率からは外れます。ただ、手元の現金を減らすと頭金や諸費用に響くので、どちらが有利かは条件次第です。金額が大きい判断なので、実際の数字を持ってファイナンシャルプランナーや金融機関に相談してください。

カーリースは返済負担率に含まれますか?

公的な資料では確認できませんでした。 フラット35の利用条件にリース料の記載はなく、国土交通省の調査にもリースを聞いた設問はありません。事業者のメディアには「含まれる」「含まれない」の両方の説明がありますが、根拠は示されていません。申し込む金融機関に直接確認してください。

残価設定ローンはどう扱われますか?

こちらも公的資料では確認できませんでした。名称としてはローンなので自動車ローンとして扱われると考えるのが自然ですが、残価部分の扱いを含めて、金融機関に確認するのが確実です。

車のローンを申告しなければ分かりませんか?

個人信用情報に契約額・残高・返済の状況が登録されています(CIC)。申告の有無とは別に照会されるものなので、隠す前提で考えないほうがいいです。

まとめ

  • フラット35の総返済負担率は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下。「すべての借入れ」に自動車ローンが明記されている
  • 国土交通省の調査(令和7年度・994機関)では、返済負担率を見る機関が90.9%、他の債務と返済履歴を見る機関が72.5%
  • 年55万円の車のローンは、上記の前提での試算で住宅ローンの借入可能額を約1,124万円押し下げる
  • カーリース・残価設定ローンの扱いは、公的資料では確認できなかった。 金融機関に直接確認するしかない
  • 私が返済比率で引っかかったのは投資用ローンだった。ただし銀行が見ていた数字は、車のローンでも同じ式に入る

※ 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスの勧誘を目的とするものではありません。掲載した金利・制度・調査結果は2026年8月時点で各公式サイトおよび公表資料で確認したものです。借入可能額の試算は記載した前提条件による筆算であり、実際の審査結果を示すものではありません。金融機関ごとに審査基準・審査金利は異なります。個別のご判断にあたっては、金融機関またはファイナンシャルプランナー・税理士等の専門家にご相談ください。