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リアフォグは、単独では点けられない構造だと条文に書いてあった|後部霧灯の基準を第8章まで読む

白いメルセデス・ベンツのリアコンビネーションランプ。後部霧灯(リアフォグ)の基準を条文で確認した記事のアイキャッチ Car|車
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同じ日に前側の霧灯を調べていて、条文の作りが前後でまるで違うことに気づきました。前部霧灯は「同時に3個以上点灯しないこと」と点灯で書いてあるのに、後部霧灯は「数は、2個以下であること」と個数で書いてある。装置の名前が似ているだけで、条文は別々に作られています。

そして後ろ側には、前側に無い条件がいくつも付いていました。いちばん驚いたのがこれです。

後部霧灯は、前照灯又は前部霧灯が点灯している場合にのみ点灯できる構造であり、かつ、前照灯又は前部霧灯のいずれが点灯している場合においても消灯できる構造であること。

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第129条第3項第2号

リアフォグだけを点けることは、構造上できないように作れと書いてある。スモールだけの状態でも点かない。ヘッドライトかフロントフォグが点いていて初めて操作できる装置です。

先に立場を書いておきます。私が乗ってきた2台はどちらも正規ディーラーで買った個体で、日本仕様として出てきた車です。ただ走っているのはほぼ都内なので、リアフォグを実際に使う場面はまず来ません。使用感は書けないので、ここでは条文を読みます。

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リアフォグとは何なのか。まず条文の場所から

サジェストで「リアフォグ」を引くと、2番目と3番目に「リアフォグランプとは」「リアフォグとは」が出てきます。そもそも何なのか分かっていない人がかなり多い装置ということです。国産車には付いていないことが多く、輸入車に乗り換えて初めてスイッチの存在に気づく、という順番になりやすい。

根拠は道路運送車両の保安基準の第37条の2です。

自動車の後面には、後部霧灯を備えることができる。
2 後部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の後方にある他の交通からの視認性を向上させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。

道路運送車両の保安基準 第37条の2

役割がここに書かれています。前部霧灯が「前方を照らす照度を増加させ」なのに対して、後部霧灯は照らすためではなく、後ろから見つけてもらうための装置です。だから明るい。テールランプと同じ明るさでは意味がないので、目的からして強くなる。「リアフォグ 眩しい」がサジェストに2語ぶん出てくるのは、装置の設計目的そのものが理由です。

そして第1項が「備えることができる」。これも任意装備で、付いていないこと自体は基準に反しません。

数値は例によって告示のほうにあります。国土交通省の対応表で第37条の2の行を見ると3本に分かれていて、第51条(型式指定を受ける側)は本文がまるごと「協定規則第148号の規則4.及び5.9.に定める基準とする」で、数字がありません。数字が書いてあるのは第129条(新規検査等)と第207条(使用の過程にある自動車)です。

この2条をPDFから抜き出して条番号だけ置き換えて突き合わせたところ、違いは1文字だけでした。第207条第3項第8号に「内側方向10°)平面」とあって、第129条の「内側方向10°)の平面」から「の」が1文字落ちています。誤字だと思いますが、それ以外は完全に一致します。実務上は同じ条文として読んで差し支えないと考えています。

色は赤。そして「35W以下・140cm²以下なら合格」というみなし規定がある

明るさの条文がおもしろい書き方をしています。

一 後部霧灯の照射光線は、他の交通を妨げないものであること。この場合において、その光源が、35W以下で照明部の大きさが140cm²以下であり、かつ、その機能が正常である後部霧灯は、この基準に適合するものとする。
二 後部霧灯の灯光の色は、赤色であること。

細目告示 第129条第1項第1号・第2号

前部霧灯のほうは「他の交通を妨げないものであること」で終わっていて、それ以上の手がかりがありません。後部霧灯にはみなし規定が付いています。35W以下で照明部が140cm²以下なら、それだけで「妨げない」に当たる。

140cm²というのは、だいたい12cm角くらいです。ワット数と面積という、外から測れる2つの数字で判定できるようになっている。前側にこれが無いのは、後ろは「見せる」灯火で光源の強さがそのまま効くのに対し、前側は配光の話になって面積では決まらないから、ということだと思います。ここは条文に理由が書いてあるわけではないので、あくまで私の読み方です。

色は赤です。フロント側は白色又は淡黄色でしたから、前後で色が違う。同じ「霧灯」でも別物だというのが、ここでもはっきりします。

ブレーキランプから100mm以上離す、という条文がある

リアフォグを見て「ブレーキを踏んでいるのかと思った」という話はよく出ます。制度の側にも、その答えらしきものがありました。

後部霧灯の照明部は、制動灯の照明部から100mm以上離れていること。

細目告示 第129条第3項第7号

10cm。数字としては小さいのですが、条文がわざわざ距離を指定している灯火は多くありません。制動灯と後部霧灯は同じ赤で、点いている時間の長さでしか区別できない。近くに並べると見分けがつかなくなるので、離せということだと読めます。

弱点として書いておくと、この条文は「離す」だけで、上下か左右かを決めていません。縦に10cm離しても横に10cm離しても条文は満たします。だから実車では、テールランプの内側に別ユニットで置く車もあれば、同じレンズの中で離して配置している車もある。ここは条文だけ読んでも実車の形は決まりません。

見通しの角度も決まっています。後部霧灯の中心を通る水平線から上方5°・下方5°、車の進行方向に平行な鉛直面から内側25°・外側25°。前部霧灯が内側10°・外側45°と大きく非対称だったのに対して、後ろは左右対称です。前は「路肩を照らす」ための角度で、後ろは「後続車から見える」ための角度なので、形が違って当然といえば当然でした。

1個だけのとき、付く場所は中心か右側と決まっている

ここが今回いちばん外車向けの話です。

後部霧灯を1個備える場合にあっては、当該後部霧灯の中心が車両中心面上又はこれより右側の位置となるように取り付けられていること。

細目告示 第129条第3項第9号

左ではありません。中心か、右です。

日本は左側通行なので、対向車線側は右になります。後続車に見せる灯火を車線の中央寄りに置く、という発想だとすれば筋は通っている。ただしこれは私の推測です。条文に理由は書かれていません。

そして正直に書いておくと、「欧州仕様は左側に付いている」という説明はここでは書けません。国連の協定規則第48号を確認しようとして、unece.orgがスクリプトからのアクセスに403を返し、原文を取得できませんでした。日本側の条文はいま引いたとおりですが、欧州側がどう書いてあるかは確認していないので、比較として並べるのは避けます。

もう1つ、確認できなかったことを書いておきます。特定の車種にリアフォグが付いているかどうかは、ここでは書きません。メルセデス・ベンツ日本の公式サイトはボット遮断で取得できず、装備表を一次ソースとして当たれませんでした。自分の車のスイッチの話も、条文の裏付けなしに書くつもりはありません。

消し忘れを潰すために、条文が2つの方法を用意している

リアフォグは明るい灯火なので、霧が晴れたあとも点けっぱなしだと後続車が困ります。条文はそこを構造で潰しにきています。

後部霧灯は、次のいずれかの要件に適合する構造であること。
イ 原動機を停止し、かつ、運転者席の扉を開放した場合に、後部霧灯の点灯操作装置が点灯位置にあるときは、その旨を運転者席の運転者に音により警報すること。
ロ 前照灯又は前部霧灯を消灯した場合にあっても点灯しているときは、尾灯は点灯しており、かつ、尾灯を消灯した後、前照灯又は前部霧灯を点灯した場合には、再度、後部霧灯の点灯操作を行うまで消灯していること。

細目告示 第129条第3項第3号

イは音です。エンジンを止めてドアを開けたときにスイッチが点灯位置のままなら、ブザーで知らせる。ハザードやライトの消し忘れ警報と同じ仕組みが、リアフォグにも条文として要求されている。

ロは配線側で潰す方法です。いったんエンジンを切って次に乗ったとき、リアフォグは点いていない状態から始まる。もう一度スイッチを操作するまで点かない。

「イかロのどちらか」なので、メーカーはどちらの方法を採ってもいい。つまり、車によって挙動が違うのが正しい状態です。前に乗っていた車では次の始動時に消えていたのに、乗り換えたら消えていない、ということが起きうる。仕様が違うのではなく、条文がどちらも認めています。

そのうえで、点いていることは運転者に分かるようになっています。

後部霧灯の点灯操作状態を運転者席の運転者に表示する装置を備えること。

細目告示 第129条第3項第10号

メーター内のインジケーターです。前部霧灯は緑、後部霧灯は橙色のマークで表示されるのが一般的ですが、色まで指定した条文は今回の範囲では見つけられませんでした。条文が要求しているのは「表示する装置を備えること」までです。

高さと個数

数字をまとめておきます。

項目 基準
個数 2個以下 第129条第3項第1号
赤色 同 第1項第2号
明るさ 他の交通を妨げないこと(35W以下・140cm²以下ならみなし適合) 同 第1項第1号
高さ(上縁) 地上1.0m以下。他の灯火と集合式なら1.2m以下 同 第3項第4号
高さ(下縁) 地上0.25m以上
制動灯からの距離 100mm以上 同 第7号
見通し 上方5°・下方5°・内側25°・外側25° 同 第8号
1個の場合の位置 中心が車両中心面上又はこれより右側 同 第9号
点滅 点滅するものでないこと 同 第12号
前方への照射 前方を照射しないように取り付けられていること 同 第14号

前部霧灯の高さが「上縁800mm以下・下縁250mm以上」だったのに対して、後ろは上縁1.0m以下・下縁0.25m以上。後ろのほうが高い位置まで許されています。照らす灯火ではなく見せる灯火だから、目線に近いほうが効く、という設計だろうと思います。

第14号の「前方を照射しない」は、読んだときに一瞬なんのことかと思いました。後ろ向きの灯火なのに前を照らすわけがない、と。おそらく後付けや汎用品で、車体の内側に光が回り込む取り付け方を想定した条文です。

車検(第8章)では、5つの項目が消える

ここが今回の本題です。審査事務規程は2段組で、左が第7章(新規検査等)、右が第8章(改造等による変更のない使用過程車=ふつうの継続検査)になっています。この2つが、同じ装置について違う数の項目を並べていました。

PDFの文字ブロックをx座標で左右に分けて、境界300ptで突き合わせました。

取付要件の項目 第7章 第8章(ふつうの車検)
数は2個以下
前照灯・前部霧灯の点灯中のみ点灯できる
消し忘れ対策(音による警報 or 尾灯連動)
高さ 上縁1.0m以下 無い
高さ 下縁0.25m以上
制動灯から100mm以上 無い
見通し(5°・25°・25°) 無い
1個の場合は中心面上又は右側 無い
インジケーター
後面の両側に備えるものは左右対称
点滅しない
前方を照射しない 無い
灯器・レンズ取付部の緩み

第7章は①〜⑭で、第8章は①〜⑨。5項目ぶん減っています。そして④の高さは、第8章では条文そのものが短く書き直されていて、「その照明部の下縁の高さが地上250mm以上となるように取り付けられていること」だけになる。上縁1.0m以下が落ちています。

前部霧灯も同じ現象が起きていて、あちらは①〜⑭が①〜⑩に減っていました。落ちるものが違うだけで、構造は共通です。

読み方は慎重にいきます。第8章に無いからといって、細目告示の条文が消えているわけではありません。第207条には100mmも1.0mも書いてあります。言えるのは、視認等による審査で列挙されている項目からは外れている、ということまでです。発炎筒のときも、デイライトのときも、同じ形が出てきました。

平成17年12月31日以前の車は「尾灯より明るいこと」だけだった

従前規定も見ておきます。適用関係告示第38条により、平成17年12月31日以前に製作された自動車は別の基準でよい、となっています。その性能要件がこれです。

後部霧灯の光度は、尾灯の光度を超えるものであること。
② 後部霧灯の灯光の色は、赤色であること。

審査事務規程 7-82-6-2

2つだけです。しかも1つ目が絶対値ではなく相対値でした。テールランプより明るければよい。いまの条文の「35W以下・140cm²以下」とはまったく違う決め方をしています。

上限ではなく下限だ、というところも今と逆です。昔の条文は「暗すぎると意味がない」ほうを心配していて、いまの条文は「明るすぎて妨げる」ほうを心配している。同じ装置に対する条文の向きが、20年で入れ替わっていました。

さらに古い区切りもあって、従前規定①は平成8年1月31日以前に製作された自動車です。マフラーの音量を調べたときにも思いましたが、年式の区切りは装置ごとにばらばらで、覚えられるものではありません。

「眩しい」と言われる側の話

サジェストに「リアフォグ 眩しい」「リアフォグランプ 眩しい」が並んでいます。後続車として困っている人の検索です。

ここは正直に書きます。保安基準は装置の構造の話をしていて、いつ点けるかを決めていません。読んだ範囲では、後部霧灯の使用条件を定めた条文を道路交通法の側にも見つけられませんでした。前照灯には第52条第1項という点灯義務の条文があるのに、後部霧灯には対応するものが見当たらない。

つまり、霧でもないのに点けている車がいたとして、それを直接禁じる条文を私は示せません。制度が持っているのは「35W以下・140cm²以下なら妨げないとみなす」という装置側の線と、消し忘れを構造で潰す仕組みまでです。あとは運転する側の判断に委ねられている。

条文を読んでいちばん腑に落ちなかったのがここでした。これだけ細かく構造を決めているのに、使い方の条文が見当たらない。探し方が足りていない可能性はありますので、断定はしません。

よくある質問

リアフォグ(後部霧灯)とは何ですか?

霧などで視界が制限されているときに、後方にいる他の交通からの視認性を向上させるための灯火です(保安基準第37条の2第2項)。前を照らすための装置ではなく、後ろから見つけてもらうための装置なので、テールランプより明るくなります。任意装備で、付いていなくても基準に反しません。

リアフォグだけを点けることはできますか?

条文の上ではできません。「前照灯又は前部霧灯が点灯している場合にのみ点灯できる構造であること」と細目告示第129条第3項第2号に書かれています。スモール(車幅灯・尾灯)だけが点いている状態でも点けられない構造が求められています。

リアフォグの色は何色ですか?

赤色です(細目告示第129条第1項第2号)。前部霧灯は白色又は淡黄色なので、前後で色の規定が違います。

リアフォグは何個まで付けられますか?

2個以下です(同第3項第1号)。前部霧灯が「同時に3個以上点灯しないこと」と点灯で書かれているのに対し、後部霧灯は個数そのもので書かれています。1個だけ備える場合は、中心が車両中心面上又はこれより右側になるよう取り付けることとされています(同第9号)。

ブレーキランプと見分けがつかないのですが、決まりはありますか?

「後部霧灯の照明部は、制動灯の照明部から100mm以上離れていること」という条文があります(同第7号)。ただし上下か左右かは指定されていません。なおこの項目は、審査事務規程の第8章(ふつうの継続検査)の列挙からは外れています。

消し忘れを防ぐ仕組みはありますか?

条文が2通り用意しています。イはエンジンを止めて運転者席の扉を開けたときに音で警報する方法、ロは尾灯連動で次の始動時には消えている構造にする方法です(同第3号)。どちらかを満たせばよいので、車によって挙動が違うのが正しい状態です。

霧でもないのに点けている車は違反ですか?

保安基準は装置の構造を定めていて、点灯させる場面を決めていません。今回調べた範囲では、道路交通法の側にも後部霧灯の使用条件を定めた条文を見つけられませんでした。探し方が足りていない可能性があるので、違反にならないと断定はしません。

まとめ

  • リアフォグは前照灯か前部霧灯が点いているときにしか点灯できない構造であること、と条文に書かれている(第129条第3項第2号)
  • 色は。明るさは「他の交通を妨げないこと」だが、35W以下・照明部140cm²以下ならみなし適合という規定が付いている
  • 制動灯の照明部から100mm以上離す。ただし上下か左右かは決まっていない
  • 個数は2個以下。1個なら中心面上又はこれより右側(左ではない)
  • 高さは上縁1.0m以下(集合式1.2m以下)・下縁0.25m以上。前部霧灯より高い位置まで許される
  • 消し忘れ対策は音による警報か、尾灯連動のどちらか。車によって挙動が違うのが正しい
  • 第8章(ふつうの車検)の列挙は①〜⑨で、第7章の①〜⑭から5項目が消えている。上縁1.0m・制動灯から100mm・見通し角度・1個の場合の位置・前方を照射しないこと。ただし細目告示の条文には残っている
  • 平成17年12月31日以前に製作された車は「尾灯の光度を超えること」と「赤色」の2つだけ。上限ではなく下限で書かれていた

書けなかったことを残しておきます。協定規則第48号・第148号はunece.orgが403を返して取得できず、欧州仕様との比較は書いていません。特定の車種の装備の有無も、メーカー公式サイトがボット遮断で取得できないため書いていません。「眩しい」への答えも、使用条件を定めた条文を見つけられなかったところまでです。

条文は改正されます。この記事は2026年8月時点で取得した原文に基づいていて、リンク先はすべて一次資料です。実車が基準を満たすかどうかは車体側の寸法にも左右されるので、最終的な判断は指定工場や整備の専門家に現車を見てもらって決めてください。本記事は情報提供を目的としており、特定の商品の購入を勧誘するものではありません。

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