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デイライトの上限は1,440cdと300cdの2種類ある|「昼間走行灯」に当たるかどうかで基準ごと変わる

スポーツカーの前まわりのヘッドライトとLEDリング。昼間走行灯の光度の上限は1,440cd Car|車
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オートライトの1,000ルクスを条文で追いかけたとき、同じ2016年10月7日の改正に、もうひとつ装置が入っていました。昼間走行灯です。あのときは名前を出しただけで先に進んでしまったので、今回はそちらを開きます。

調べ始めて最初に引っかかったのが、サジェストに `昼間走行灯 デイライト 違い` が出てくることでした。同じものを違う言い方をしているだけだと思っていたんですが、条文の側では、この2つは同じではありません。

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上限は1,440cdだと書かれている。ただし条件付きだった

「デイライトの明るさの上限は1,440cd」。これは正しいです。条文にそう書いてあります。

昼間走行灯の光度は、1,440cd以下であること。

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第202条の2第1項第1号

問題は、これが「昼間走行灯の光度」だというところ。昼間走行灯として認められる条件を満たしていない灯火は、この条文の対象になりません。ではどこに行くのかというと、検査の基準書にこう書かれています。

自動車に備える灯火は、次に掲げる灯火を除き、光度が300cd以下のものでなければならない。
①前照灯 ②前部霧灯 ③側方照射灯 ④低速走行時照射灯 ⑤側方灯 ⑥昼間走行灯 ⑦番号灯 (以下略)

審査事務規程 8-96 その他の灯火等の制限(11)

除外リストに入れてもらえなければ、上限は300cd。1,440cdの5分の1です。同じ「デイライト」という商品名で売られていても、制度の側では別の棚に置かれることになります。

昼間走行灯として扱われる場合 その他の灯火として扱われる場合
光度の上限 1,440cd以下 300cd以下
根拠 細目告示 第202条の2 審査事務規程 8-96(11)/細目告示 第218条第12項
色・大きさ・個数・位置 下の表のとおり細かく決まっている 昼間走行灯としての条件は課されない

上位に出てくる記事を5本読みましたが、この分岐を書いているものはありませんでした。1,440cdだけが書かれていて、満たさなかったらどうなるかが無い。買う側からすると、そこが一番知りたいところだと思うんですが。

車検で当たる条文は、多くの記事が引いている条とは番号が違う

条文の場所の話を先に片づけておきます。保安基準(省令)の第34条の3が昼間走行灯で、中身は例によって告示に丸投げされています。国土交通省の対応表で第34条の3の行を見ると、細目告示の側は3つに分かれていました。

細目告示 対象 数値が書かれているか
第46条の2 型式指定を受ける側 書かれていない。協定規則第148号への適合で書かれている
第124条の2 新規検査等を受ける自動車 書かれている
第202条の2 使用の過程にある自動車 書かれている

上の表でひとつ目を引くのが、第46条の2に数値が無いことです。799字しかない条文で、中身は「協定規則第148号の規則4.及び5.4.に定める基準とする」。1,440cdも25cm²も出てきません。新しく型式指定を取る車は国連の協定規則そのもので審査されて、いま走っている車は日本語の数値で審査されるという構造になっています。同じ装置なのに、書き方が2通りあるわけです。

車検(継続検査)で当たるのは第202条の2のほうです。審査事務規程の「7-76、8-76 昼間走行灯」を開くと、第8章(使用過程車)の側が引いているのが第202条の2でした。

読んだ記事のうち1本は第124条の2を引いていました。これは新規検査等の側の条です。ただ、この2つは条番号以外まったく同じ文章でした。PDFから本文を抜き出して条番号だけ置き換えて突き合わせたら、2,545字が1文字違わず一致します。だから中身の誤りにはならない。とはいえ「いま乗っている車の車検の話」をするなら、条は第202条の2だろうと思います。

弱点として書いておくと、この一致は2026年8月時点の版どうしの話です。どちらも最終改正が2023年1月4日で揃っているので今は同じですが、片方だけ改正されればずれます。

数字は6つに整理できる

昼間走行灯として認めてもらうために必要なものを、条文から拾って並べます。

項目 条文の基準
光度 1,440cd以下 第202条の2第1項第1号
灯光の色 白色 同 第3号
照明部の大きさ 25cm²以上 200cm²以下 同 第6号
個数 2個 同 第3項第1号
左右の間隔 照明部の最内縁で600mm以上(幅1,300mm未満の自動車は400mm以上) 同 第2号
高さ 照明部の下縁が地上250mm以上、上縁が1,500mm以下 同 第3号

`デイライト 車検 色` `デイライト 車検 青` がサジェストに出るので、そこだけはっきり書いておきます。色は白色と書かれています。青いデイライトが昼間走行灯として認められる書き方には、条文上なっていません。

大きさに下限があるのも見落とされがちなところだと思います。25cm²というのは、5cm角くらい。細いライン状のものを付けると、明るさではなく面積で下限に引っかかる可能性があります。

1,550mmと書いている記事があった

高さの上限について、大手の自動車メディアが「上縁の高さが地上1,550mm以下」と書いていました。しかも出典として国土交通省の告示を挙げています。

告示の原文は1,500mmです。第124条の2も第202条の2も、どちらもPDFで確認しました。50mmの差ですが、グリルの上側に付けるかバンパー側に付けるかを分ける程度には効いてくる数字なので、そのまま信じると面倒なことになります。

こういうことがあるので、数字は面倒でも一次資料に当たったほうがいい、と毎回思います。

表に入りきらない7つ目の条件がある

上の表には入れませんでしたが、条文にはもうひとつ、寸法では書けない要求があります。

昼間走行灯の照明部は、昼間走行灯の中心を通り自動車の進行方向に直交する水平線を含む、水平面より上方10°の平面及び下方10°の平面並びに昼間走行灯の中心を含む、自動車の進行方向に平行な鉛直面より昼間走行灯の内側方向20°の平面及び昼間走行灯の外側方向20°の平面により囲まれる範囲において全ての位置から見通すことができるものであること。

― 細目告示 第202条の2第3項第5号

一読して意味を取るのがしんどい文ですが、言っていることは単純です。灯火の正面から上下10°、左右に20°ずつ振った範囲のどこから見ても、光っている面が見えること。

これが効いてくるのは、バンパーの奥まった位置やグリルの格子の裏に埋め込むような付け方です。正面からは見えていても、斜め20°から見たときにバンパーの縁やグリルの桟に隠れてしまうと、この号を満たしません。高さや間隔をクリアしても、ここで落ちる形があるということですね。

上位5本のうち、この号を条文のまま載せていたのは1本だけで、意味の説明を付けているものはありませんでした。数字で書けない条件なので飛ばされやすいのだと思います。

前照灯を点けたら消えること、点滅しないこと

条文にはもうひとつ、構造の要求があります。

原動機の操作装置が始動の位置にないとき及び前部霧灯又は前照灯が点灯しているときは、昼間走行灯は自動的に消灯するように取り付けられなければならない。

― 審査事務規程 7-76-3-1(1)⑧

昼間走行灯は点滅するものでないこと。

― 同 ⑨

ヘッドライトを点けたらデイライトは自動で消える。エンジンを止めたら消える。点滅しない。市販のキットに「オートライト連動」と書かれているのは、この号を満たすためのものです。

ここで気づいたことがひとつあります。上に引いた⑧⑨は、新規検査等を扱う第7章の側の条文番号です。使用過程車を扱う 8-76-3 のほうを見ると、列挙されているのは5項目しかありません。

7-76-3(新規検査等) 8-76-3(使用過程車)
列挙されている項目数 13 5
数は2個 あり あり
下縁 地上250mm以上 あり あり
上縁 1,500mm以下 あり 列挙に無い
最内縁 600mm以上 あり 列挙に無い
前照灯点灯時に自動消灯 あり 列挙に無い
点滅しないこと あり 列挙に無い
左右対称 あり あり

これをどう読むかは、正直むずかしいところです。規程の列挙からは落ちていても、細目告示第202条の2の第3項には自動消灯の号も1,500mmの号も残っています。つまり基準として存在しないわけではない。規程は視認等による審査の手順を書いたものなので、列挙の粗密がそのまま「見られる/見られない」になるとは限りません。

ここは条文の状態をそのまま置いておきます。「車検では見られないから大丈夫」とは書きません。判断が要るなら、受ける予定の検査場や指定工場に聞くのが早いと思います。

「その他の灯火」に落ちたときに効いてくる制限

昼間走行灯の基準を満たさない灯火は、8-96「その他の灯火等の制限」で見られます。300cdの上限のほかに、覚えておくと効きそうなものを拾いました。

  • 点滅する灯火、光度が増減する灯火は原則として備えてはならない(8-96(5))。流れるように光るタイプは、ここに当たります
  • 前面ガラスの上方に、灯光の色が青紫色である灯火を備えてはならない(8-96(3))
  • 他の灯火の性能を損なうおそれのある灯火を備えてはならない(8-96(8))
  • 直射光・反射光が、自車および他車の運転操作を妨げるものであってはならない(8-96(9))

「点滅しない」は昼間走行灯の側にも書かれていて、その他の灯火の側にも書かれている。どちらの棚に置かれても、点滅するものは通らないということになります。

弱点も書いておくと、8-96 の除外リストは16項目あって、緊急自動車の警光灯や旅客事業用の空車灯など、乗用車には関係のないものがほとんどです。自家用車で使える抜け道が並んでいるわけではありません。

後付けのハードルが高いと言われる理由

ここまでの条件を並べると、後付けが難しいと言われる理由が見えてきます。明るさだけの話ではないんですね。

1. 光度 1,440cd以下(超えると昼間走行灯として不適合)

2. 面積 25cm²以上(細すぎると下限に届かない)

3. 高さ 250〜1,500mm(バンパー下すぎても、グリル上すぎてもだめ)

4. 左右の間隔 600mm以上

5. ヘッドライト点灯時に自動で消える配線

6. 色は白

このうち1と2は買う商品で決まり、3と4は車体側の形で決まり、5は配線で決まります。どれか1つが欠けても昼間走行灯にならず、300cdの棚に移る。「車検対応」と書かれた商品でも、自分の車のどこに付けるかで3と4は変わるので、商品側だけでは決まりません。

正直に書いておくと、私はデイライトを後付けしたことがありません。ドラレコの記事のときと同じで、施工の手間や配線の実際について書ける材料を持っていない。だからここには「取り付けてみたら」という話は出てきません。条文の側だけです。

買う前に確認する項目としては、上の6つがそのまま使えると思います。

LEDデイライト(昼間走行灯)

商品ページで確認したいのは、光度(1,440cd以下)・照明部の面積(25cm²以上200cm²以下)・色(白)・ヘッドライト連動での自動消灯の4つです。取り付け高さ250〜1,500mmと左右600mm以上は車体側で決まるので、商品を選ぶ前に付ける位置を測っておくと空振りが減ります。

そもそも付けなければいけないものではない

義務化されたと思っている人がいるので、装備要件を引いておきます。

自動車(側車付二輪自動車、三輪自動車、大型特殊自動車及び被牽引自動車を除く。)の前面には、昼間走行灯を備えることができる

― 審査事務規程 7-76-1(保安基準第34条の3第1項)

「備えなければならない」ではなく「備えることができる」。任意装備です。2016年10月7日の改正で入ったのは「付けるならこの基準で」という枠であって、装着義務ではありません。

同じ改正でオートライトの基準も入っていて、あちらは義務化でした。同じ日の同じ改正で、片方は義務、片方は任意。ここが混ざると「デイライトも義務化された」という話になります。

なお、オートライトの記事で条文を読んだとき、適用関係告示の柱書に「昼間走行灯を有するものを除く」という留保があるのが気になっていました。あそこで言っている昼間走行灯が、今回見てきた基準を満たすもののことです。ただし実車でどう当てはまるかは行政の解釈が要る部分なので、そこは前の記事と同じく踏み込んでいません。

自分の車がどちら側かを考えてみた

私が乗ってきた2台で考えてみます。

C43は2019年3月に買った個体です。オートライトの記事で書いたとおり、製作年月日で言えば令和2年4月7日より確実に前になります。G400dのほうは2021年5月に発売されたモデルで、乗り始めたのは2023年8月。どちらも正規ディーラーで買った個体です。

ただ、ここから先は書けません。それぞれの車の前まわりの灯火が、制度上の昼間走行灯として届け出られたものなのかどうか、私は確認していないからです。明るさを測ったこともない。純正で付いている灯火は指定自動車等に備えられたものと同一の構造であれば基準に適合するものとして扱われる、という規定(第202条の2第2項)があるので、実務的にはそこで処理されるはずですが、自分の車について「これは昼間走行灯です」と言い切れる書類を私は持っていません。

走っているのはほぼ都内なので、正直なところ点灯していることを意識する場面もあまりない、というのが本当のところです。

よくある質問

デイライトの明るさの上限は結局いくつですか?

昼間走行灯として基準を満たす場合は1,440cd以下です(細目告示第202条の2第1項第1号)。満たさない灯火は「その他の灯火」の扱いになり、審査事務規程 8-96(11) の300cd以下という上限がかかります。除外リストに「昼間走行灯」が挙げられているので、この2つは同じ灯火の話ではありません。

青いデイライトは車検に通りますか?

昼間走行灯の灯光の色は白色と条文に書かれています。青色が昼間走行灯として認められる書き方にはなっていません。また前面ガラスの上方については、青紫色の灯火を備えてはならないという別の制限(8-96(3))もあります。

取り付けの高さはどこからどこまでですか?

照明部の下縁が地上250mm以上、上縁が地上1,500mm以下です。「1,550mm以下」と書いている記事を見かけましたが、告示の原文は1,500mmでした。第124条の2と第202条の2の両方で確認しています。

流れるように光るタイプは付けられますか?

昼間走行灯は点滅するものでないこと、と条文にあります(審査事務規程 7-76-3-1(1)⑨)。その他の灯火の側にも、点滅する灯火または光度が増減する灯火を原則として備えてはならないという制限(8-96(5))があるので、どちらの扱いになっても通りません。

デイライトは義務ですか?

義務ではありません。保安基準第34条の3第1項は「備えることができる」と書いています。2016年10月7日の改正で基準が入りましたが、それは装着を義務づけるものではありません。同じ改正に入っていたオートライトのほうは義務化なので、そこが混同されているようです。

車幅灯と兼用にできますか?

条文に兼用を前提とした記述が出てくるのは二輪自動車についてで、走行用前照灯や車幅灯と兼用式である場合の位置の緩和が書かれています(第202条の2第3項第2号の2)。四輪について兼用を認める明文は、今回読んだ範囲では見つけられませんでした。実際の可否は検査場や指定工場に確認してください。

まとめ

  • デイライトの上限は1,440cdと300cdの2つある。昼間走行灯として基準を満たすかどうかで棚が変わる
  • 昼間走行灯の条件は6つ。光度1,440cd以下/色は白/照明部25〜200cm²/2個/最内縁600mm以上/下縁250mm以上・上縁1,500mm以下
  • 車検で当たるのは細目告示第202条の2。多くの記事が引いている第124条の2は新規検査等の側の条(本文は現時点で完全に同一)
  • 「上縁1,550mm以下」と書いている記事があるが、原文は1,500mm
  • 前照灯点灯時の自動消灯と点滅禁止は第7章側に列挙されていて、第8章の列挙は5項目に減っている。ただし告示の条文には残っているので「見られない」とは言えない
  • 点滅・光度が増減するものは、どちらの棚でも通らない
  • 義務ではない。保安基準は「備えることができる」と書いている

条文は改正されます。この記事は2026年8月時点で取得した原文に基づいていて、リンク先はすべて一次資料です。実際に取り付けたものが基準を満たすかどうかは車体側の寸法にも左右されるので、最終的な判断は指定工場や整備の専門家に現車を見てもらって決めてください。本記事は情報提供を目的としており、特定の商品の購入を勧誘するものではありません。

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