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バッテリー上がりが1位なのは一般道路の話だった|高速道路の1位はタイヤ、2位は燃料切れ

バッテリーにつながれたブースターケーブル。JAFの一般道路の出動理由1位は過放電バッテリーで755,785件 Car|車
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車中泊のグッズ記事を7本書いてきて、電源の話はさんざんしてきました。ポータブル電源、インバーター、車載冷蔵庫。なのに車そのもののバッテリーについては、まだ1本も書いていません。自分の記事を検索してみて気づきました。

きっかけは、その直前にオートライトの条文を読んでいたことです。自動で点く機能は手で解除できないけれど、自動で消える機能のほうは手で解除してよいと告示に書いてある。つまり制度上、ライトは点けっぱなしにできる。そこで、バッテリー上がりの件数が実際どうなっているのかを見に行きました。

JAFが「ロードサービス救援データ」として、出動理由の内訳を毎年・毎月公開しています。月別12本と年間の1本、あわせて13本のPDFを落として並べたら、よく見る「1位はバッテリー上がりで約35%」という数字が、一般道路だけの話だと分かりました。

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1位がバッテリーなのは、一般道路の表だった

まず2024年度(2024年4月1日〜2025年3月31日)の年間、四輪の一般道路です。

順位 故障内容 件数 構成比
1 過放電バッテリー 755,785 35.31%
2 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 427,833 19.99%
3 破損/劣化バッテリー 185,855 8.68%
4 落輪・落込 132,452 6.19%
5 キー閉じ込み 106,995 5.00%
6 事故 78,000 3.64%
7 燃料切れ 36,327 1.70%
8 発電機/充電回路 33,409 1.56%
9 ハンドルロック・キー作動機構 21,117 0.99%
10 スタータモータ 20,444 0.96%
以上計 1,798,217 84.00%
その他 342,433 16.00%
総計 2,140,650 100.00%

出典:JAF ロードサービス救援データ(2024年度:年間)「四輪」

よく引用される「1位はバッテリー上がり、約35%」はこの表の1行目です。ここまでは各社が書いているとおり。

見落とされているのは3位だと思います。バッテリーは表の中に2回出てきます。過放電バッテリー755,785件と、破損/劣化バッテリー185,855件。足すと941,640件で、一般道路の出動の43.99%。JAFが一般道で駆けつけた10件のうち4件強がバッテリーがらみ、ということになります。

この2つは中身が別です。過放電は「電気を使いすぎた・充電が足りない」、破損/劣化は「バッテリーそのものがもう終わっている」。後で見ますが、月別のピークもずれます

高速道路の表は、順位がまるごと入れ替わる

同じ年度、同じ四輪の、高速道路だけの表です。

順位 故障内容 件数 構成比
1 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 26,219 42.27%
2 燃料切れ 5,843 9.42%
3 事故 5,032 8.11%
4 過放電バッテリー 2,864 4.62%
5 発電機/充電回路 1,439 2.32%
6 破損/劣化バッテリー 845 1.36%
7 オートマチックミッション 770 1.24%
8 キー閉じ込み 652 1.05%
9 エンジンオイルの不足、補充 502 0.81%
10 クラッチ機構(ロッド、ワイヤー含む) 477 0.77%
総計 62,022 100.00%

出典:同上

1位と4位が入れ替わっています。高速道路では、過放電バッテリーは全体の4.62%しかありません。かわりに1位がタイヤで42.27%。走っている状態でトラブルになるのだから、当たり前と言えば当たり前なのですが、順位表として並べて初めて腑に落ちました。

そしてもうひとつ。2位が燃料切れです。一般道路では7位・1.70%なのに、高速道路では9.42%。構成比で5.5倍あります。入ったら次のスタンドまで降りられない、という構造がそのまま数字に出ている。

ランフラットタイヤについては以前に書いたことがあります。「仮にパンクしても一定のスピードで、一定の距離を走行して安全なところまで行ける」というやつです。あのときは製品の特徴として書いていましたが、高速道路の出動理由の42.27%がタイヤという表を見たあとだと、意味の重さが少し変わります。

弱点も書いておくと、高速道路の出動は総数がとても少ない。62,022件で、一般道路と高速を合わせた2,202,672件の2.82%です。順位は入れ替わりますが、母数が違うので「高速のほうが危ない」とは読めません。

夏と冬、どっちが多いのか。12ヶ月ぶん並べた

サジェストを見ると「バッテリー上がり 夏と冬」「夏 冬」「冬 夏」の3つが並びます。読者が知りたいのは理由よりもどっちが多いのかのほうだと思うのですが、月別の実数を出している記事が見つかりませんでした。JAFは月別のPDFも出しているので、12本落として並べました。一般道路、四輪です。

過放電バッテリー 構成比 タイヤ 破損/劣化バッテリー
2024年4月 56,690 36.52% 33,163 10,159
5月 53,240 34.65% 34,319 10,264
6月 47,525 32.04% 34,492 9,550
7月 50,585 29.35% 38,661 12,390
8月 56,687 29.88% 41,135 17,412
9月 53,352 30.76% 38,929 17,664
10月 57,797 32.58% 39,662 18,672
11月 65,633 35.66% 37,336 19,051
12月 81,168 38.56% 35,506 21,999
2025年1月 82,118 41.00% 30,554 19,464
2月 76,471 40.39% 28,567 16,198
3月 74,519 39.98% 35,509 13,032
合計 755,785 427,833 185,855

出典:JAF ロードサービス救援データ(2024年度:月別)「四輪」

12ヶ月を自分で足してみたら、3列とも年間の値と1件のずれもなく一致しました(755,785/427,833/185,855)。転記ミスが無いことはこれで確認しています。

答えから書くと、冬のほうが多いです。最多は1月の82,118件、最少は6月の47,525件で、1.73倍。ここは通説どおりでした。

ただ、その先が面白い。8月は56,687件で、6月の47,525件より9,162件多いのです。約1.19倍。7月(50,585件)よりも9月(53,352件)よりも多い。「夏は少ない」ではなく、「夏はいったん盛り返す」という形になっています。1年でいちばん少ないのは、暑くも寒くもない6月でした。

件数と構成比で、8月の答えが逆になる

同じ表の構成比の列を見ると、印象が変わります。

  • 件数がいちばん少ない月:6月(47,525件)
  • 構成比がいちばん低い月:7月(29.35%)、次いで8月(29.88%)

8月は件数だと6月より2割近く多いのに、構成比では1年で2番目に低い。なぜかというと、分母のほうがもっと増えているからです。タイヤの列を見ると、8月は41,135件で1年の最多。夏は他のトラブルが同時に増えるので、バッテリーの「割合」は下がる。

タイヤは完全に逆の動きをしていて、最多が8月の41,135件、最少が2月の28,567件です。バッテリーとタイヤは、1年をかけてシーソーのように入れ替わっている。この2本の線が交差する形は、片方だけ見ていても出てきません。

「バッテリー上がりは冬に多い」も「夏も起きる」も、どちらも正しかった。件数の話をしているのか、割合の話をしているのかで答えが変わるだけでした。サンシェードの記事で車内温度とダッシュボード温度の列が逆転していたのと、構図としてはまったく同じです。

バッテリーは2種類あって、ピークがずれている

表のいちばん右、破損/劣化バッテリーの列だけを追うと、別の動きが見えます。

  • 最少:4月(10,159件)
  • 8月に17,412件へ跳ね上がる
  • ピークは12月(21,999件)
  • 1月は19,464件、2月は16,198件と、そこから落ちていく

過放電バッテリーのピークは1月ですが、破損/劣化のピークは12月で、1ヶ月ずれています。そして4月から6月にかけていちばん少ない。

どうしてこうなるのかは、JAFのデータからは分かりません。救援データに載っているのは件数と構成比だけで、原因の分析は付いていないからです。このサイトでは、一次情報に書かれていないことは書かないことにしています。読めるのはあくまで「夏の終わりから増えて、12月に最も多い」という形だけです。

ただ、どちらのバッテリーであっても、備えとして持てるものは同じでした。過放電なら他車から、または蓄えた電気からエンジンをかけられます。

ジャンプスターター

ブースターケーブル

ただし、上の表を素直に読むなら、備えるべきは上がってからではありません。3位に18万件ぶんの「破損/劣化」が並んでいるということは、上がる前から弱っている個体がそれだけあるということです。電圧を見るだけのテスターも市販されています。

バッテリーテスター(電圧チェッカー)

何ボルトを下回ったら交換すべきか、という判定値はここでは書きません。各社が数字を出していますが、JAFの救援データにも、その根拠にたどり着ける公的な資料にも見当たりませんでした。年数の目安(2〜3年、3〜5年)も同じ理由で書いていません。

なお、車中泊で使うポータブル電源は別記事で扱っていますが、あれは車のバッテリーとは別の電源です。この表に出てくる過放電バッテリーは、エンジンをかけるほうのバッテリーの話になります。

このデータが数えているのは「JAFを呼んだ人」だけ

数字が細かいので忘れそうになりますが、これは統計調査ではなくJAFの出動記録です。読むときに気をつけたほうがいいと思ったことを3つ。

1つめ。JAFを呼ばずに済ませた人は入っていません。自分でケーブルをつないだ人、保険付帯のロードサービスを使った人、ディーラーを呼んだ人は数えられていない。だから「日本でバッテリー上がりが何件起きたか」ではなく、「JAFが何件出動したか」です。

2つめ。会員数や出動体制が変われば件数も動きます。今回は2024年度の1年ぶんしか確認していないので、増えているのか減っているのかは書きません。

3つめ。上の表はすべて「四輪」のPDFから取っています。JAFは四輪・二輪合計の版も出していて、そちらだと数字が変わります(一般道路の過放電バッテリーは775,574件・34.76%)。同じ「1位はバッテリー」でも、どのPDFを見たかで%が動くので、他所の記事と数字が合わないときはここを疑うといいと思います。

それでも、200万件を超える出動記録が月単位で公開されていて、道路種別まで分かれているデータは他にありません。読み方さえ間違えなければ、けっこう強い材料です。

よくある質問

Q. バッテリー上がりは夏と冬、どちらが多いですか

件数では冬です。2024年度・一般道路・四輪の過放電バッテリーは、最多が2025年1月の82,118件、最少が2024年6月の47,525件で1.73倍の差があります。ただし8月は56,687件で、6月より9,162件多い(約1.19倍)。夏に減るわけではなく、1年で最も少ないのは6月でした。構成比で見ると8月は29.88%で1年の下から2番目になりますが、これは夏に他のトラブル(特にタイヤ)が増えて分母が大きくなるためです。

Q. 高速道路でいちばん多いトラブルは何ですか

タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足で、26,219件・42.27%です(2024年度・四輪)。2位は燃料切れの5,843件・9.42%、3位が事故。過放電バッテリーは4位で4.62%しかありません。一般道路の表とは1位が入れ替わります。

Q. なぜ冬にバッテリーが上がりやすいのですか

JAFの救援データには件数と構成比しか載っていません。原因の内訳や理由の分析は付いていないので、理由のほうは書いていません。競合記事には気温・エアコン・渋滞といった説明がありますが、その根拠にたどり着けませんでした。

Q. 「過放電バッテリー」と「破損/劣化バッテリー」は何が違いますか

JAFの表では別の行として集計されています。2024年度・一般道路では過放電が755,785件(1位)、破損/劣化が185,855件(3位)。足すと941,640件で、一般道路の出動の43.99%を占めます。月別の動きも違い、過放電のピークは1月、破損/劣化のピークは12月でした。

Q. 何年で交換すべきですか。電圧はいくつが目安ですか

どちらも書いていません。JAFの救援データに年数も電圧も出てこず、根拠を確認できる一次資料に行き当たらなかったためです。数字を出している記事は多いのですが、出どころを追えないものは載せない方針にしています。

Q. 他所の記事と%が合わないのですが

JAFは「四輪」「二輪」「四輪・二輪合計」の3種類のPDFを出しています。この記事はすべて「四輪」です。合計版だと一般道路の過放電バッテリーは775,574件・34.76%になり、同じ順位でも%が変わります。

まとめ

  • 「1位はバッテリー上がりで約35%」は一般道路の数字(755,785件・35.31%/2024年度・四輪)
  • 高速道路の1位はタイヤで42.27%。過放電バッテリーは4位・4.62%まで下がる
  • 高速道路の2位は燃料切れ(9.42%)。一般道路では7位・1.70%で、構成比にすると5.5倍の差
  • バッテリーは表に2行ある。過放電+破損/劣化=941,640件=一般道路の43.99%
  • 月別の最多は1月の82,118件、最少は6月の47,525件で1.73倍
  • 8月は6月より9,162件多い。夏に減るのではなく、少ないのは6月
  • 構成比だと8月は下から2番目。夏はタイヤが増えて分母が伸びるから
  • 破損/劣化バッテリーのピークは12月で、過放電の1月と1ヶ月ずれる
  • 数えられているのはJAFを呼んだ人だけ。四輪版と合計版で%も変わる

グッズの記事を7本書いておいて、エンジンをかけるほうのバッテリーを1本も書いていなかったのは、我ながら間が抜けていました。表を並べてみて、いちばん効きそうだと思ったのは備えの道具ではなく、3位に18万件ぶんの「劣化」が並んでいるという事実のほうです。上がる前に分かる余地が、それだけあるということなので。

本記事は2026年8月時点で公開されているJAFのロードサービス救援データ(2024年度)に基づく情報提供を目的としており、特定の商品・サービスの利用を勧誘するものではありません。数値はJAFの出動記録であり、日本国内で発生したトラブルの総数を示すものではありません。個別の車両の点検・整備については、整備事業者などの専門家にご相談ください。

ライトの点けっぱなしが制度上できるのはなぜか。告示は、自動で点く機能と自動で消える機能を別々に扱っていました。

同じJAFの数字で、見る列を変えると答えが逆になる例。こちらは車内温度とダッシュボード温度でした。

高速道路の1位であるタイヤの側。交換にいくらかかったかの実額です。

車中泊で使う電源のほう。この表に出てくる車載バッテリーとは別物です。

外車をリースで乗るという選択肢

車両価格・税金・車検・保険を月額に均せるのがリースです。外車を新車で扱えるところは限られていて、オリコで乗ーるはその数少ない1社です。頭金なし・ボーナス払いなしでも組めます。

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