私は2023年8月からG400dに乗っています。グレードはAMGラインで、2021年5月に発売されたモデルです。
先日、自分の車の相場をなんとなく調べようとして「gクラス リセール」と打ちかけたところで、サジェストに出た言葉に手が止まりました。1番目が「崩壊」、2番目が「下がった」。バリューでもランキングでもなく、まず不安の言葉が並んでいました。
自分が乗っている車なので、これは他人事として流せません。それで、売る側が実際にいくらで買い取っているかという数字を探しに行きました。
結論から書きます。私と同じ型式の残価率は61.3%〜95.7%で、しかも「前月から上昇」と表示されていました。崩壊とは逆方向です。ただし、この2つの数字の間には457万円の開きがあって、本当に厄介なのはそっちでした。
サジェストに出ていた言葉を、そのまま並べておく
まず、何が検索されているのかを先に出しておきます。2026年9月19日にGoogleのサジェストをそのまま取得したものです。
| 入力した語 | 返ってきた候補(上位から順に) |
|---|---|
| gクラス リセール | 崩壊 / 下がった / バリュー / ランク / 色 / グレード / 率 / 左ハンドル リセール / 限定車 リセール / 中古 リセール |
| gクラス 残価 | 残価率 / 残価設定 / 残価設定ローン / 中古 残価設定 / 残価ローン |
| g400d 中古 | 中古車 / 相場 / 価格 / 認定中古 / マヌファクトゥーアエディション 中古 |
「崩壊」が1番目に来るというのは、けっこうな状態です。Gクラスは長いあいだ「値落ちしない車」の代表みたいに扱われてきたので、その前提が崩れたと感じている人がそれだけいる、ということになります。
ここで気になるのは、その感覚がどのデータを見て生まれたのかです。相場を調べようとしたときに最初に目に入るのは、中古車情報サイトに並んでいる「掲載価格」です。あとで書きますが、掲載価格は売るときの金額ではありません。
型式まで降りると、数字を出している会社がある
グレード単位(G350d、G400d、G550)で相場を語っている記事はたくさんあります。ただ、Gクラスは同じG400dでも売られていた時期で中身が違うので、もう一段下の型式で見ないと数字がぼやけます。
私のG400dは型式463350です。カタログ上、この型式は2021年5月から2024年7月まで売られていて、新車時価格は1,289万円(素のG400d)から1,329.6万円(AMGライン)。税込です。
この新車時価格は、カーセンサーのカタログとガリバーのリセールバリュー情報の両方で同じ数字が出ていました。2社で一致しているので、ここは信用していいと判断しました。
そして中古車買取のガリバーは、型式ごとの残価率を公開しています。しかもその出どころが、同社の注記によれば「弊社の査定・買取実績データ(直近6ヶ月)から算出」したものです。掲載価格ではなく、実際に買い取った値段から作られた数字だということになります。
少し気になるのは、この数字が最小値と最大値しか出ないことです。中央値や分布は公開されていないので、「61.3%と95.7%のどちらに寄っているのか」は外からは分かりません。そこは後半でもう一度触れます。
815万円と1,272万円のあいだ
その型式463350の数字がこれです。ガリバーの該当ページで、2026年9月17日更新と表示されていました。
| 型式 | 新車時価格(税込) | リセールバリュー(残価率) | 相場傾向 |
|---|---|---|---|
| 463350(私のG400d) | 1,289〜1,329.6万円 | 61.3% 〜 95.7% | 前月から上昇 |
| 463349(先代のG350d・G550期) | 1,170〜1,549万円 | 61.0% 〜 85.6% | 前月からほぼ同じ |
| 465310C(現行のG450d期) | 1,824〜3,000万円 | 74.7% 〜 77.2% | 前月データなし |
「崩壊」を予想して開いたので、前月から上昇という4文字は正直ちょっと拍子抜けしました。少なくとも2026年9月17日時点のガリバーの表示では、下がっている方向ではありません。
問題はそこではなくて、61.3%と95.7%という幅のほうです。AMGラインの新車時価格1,329.6万円に当てはめると、こうなります。
- 1,329.6万円 × 61.3% = 815万円
- 1,329.6万円 × 95.7% = 1,272万円
差が457万円あります。素のG400d(1,289万円)でも790万円〜1,234万円で、幅は443万円です。
同じ型式、同じ年式の範囲で、これだけ違う。グレード差・走行距離・内外装の状態・ボディカラー・社外パーツの有無あたりが効いているはずですが、その内訳をガリバーは公開していません。だから「自分の個体がどちら寄りか」は、この表だけでは判断できません。ここは正直、調べていていちばんもどかしかったところです。
上の金額は、公開されている残価率を新車時価格に掛けただけの単純計算です。ガリバー自身も「表記のリセールバリュー値での買取を保証するものではございません」と注記しています。実際の査定額はこの計算と一致しません。
掲載中のG400dを221台、自分で数えた
買取側の数字が分かったので、今度は反対側(買う人が見る値段)を見ます。ここは他人の要約ではなく、自分で数えました。
カーセンサーのGクラス一覧からグレードを絞り込んで、G400dとG400d AMGラインの掲載を全ページ巡回し、重複を除いた結果が221台です(2026年9月19日時点)。
| グレード | 掲載台数 | 車両本体価格の中央値 | 最安 | 最高 |
|---|---|---|---|---|
| G400d AMGライン | 203台 | 1,475万円 | 1,165万円 | 2,850万円 |
| G400d(素) | 18台 | 1,590万円 | 1,240万円 | 2,112万円 |
| 合計 | 221台 | 1,484万円 | 1,165万円 | 2,850万円 |
圧倒的にAMGラインです。203対18なので、市場に出ているG400dの9割以上がAMGラインということになります。素のG400dを探している人は、選択肢がかなり少ないはずです。
年式ごとに分けると、こうなりました。AMGラインの新車時価格1,329.6万円と並べています。
| 年式 | 台数 | 掲載価格の中央値 | 中央値 ÷ 新車時価格 |
|---|---|---|---|
| 2021年式 | 62台 | 1,434万円 | 107.9% |
| 2022年式 | 53台 | 1,378万円 | 103.6% |
| 2023年式 | 64台 | 1,498万円 | 112.7% |
| 2024年式 | 21台 | 1,650万円 | 124.1% |
全部100%を超えています。新車で買ったときの値段より高い値札が付いて売られている、という状態です。
ここだけ見れば「崩壊どころか値上がりしている」と言いたくなります。私も一瞬そう思いました。でも、この数字を自分の売却額だと思って計算すると、かなり痛い目に遭います。
2020年式が3台ありましたが、ガリバーの型式463350は2021年5月からの区分なので、上の表からは外しました。同じG400dでも型式が違う可能性があるためです。
値札と査定額は、そもそも別の数字
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。
さっきの2つを並べます。2021年式のG400d AMGラインで揃えました。
| 何の数字か | 金額 | 出どころ |
|---|---|---|
| カーセンサーの掲載価格(中央値・62台) | 1,434万円 | 私が数えた実測 |
| ガリバーの残価率の上限から計算した額 | 1,272万円 | 1,329.6万円 × 95.7% |
| ガリバーの残価率の下限から計算した額 | 815万円 | 1,329.6万円 × 61.3% |
掲載価格の中央値は、買取実績の上限すら162万円上回っています。そして下限とは619万円違います。
理由はそんなに複雑ではありません。中古車の値札には、販売店の利益、仕入れてからの整備費用、保証の原価、置いておくあいだのコストが全部乗っています。買取価格はそれを引いた手前の数字です。同じ車の同じ瞬間の値段でも、立っている場所が違えば額が違うというだけの話です。
「リセールが崩壊した」と感じる人が出てくる理屈も、たぶんここにあります。ネットで見える値札は1,400万円台なのに、いざ査定に出したら3桁前半だった。差が大きければ大きいほど、裏切られた感覚になります。でも数字としては、崩壊ではなく最初から別物を見ていた、という説明のほうが素直です。
新しいほど残価率が低い、という逆転が起きている
もうひとつ、表を作っていて予想と違ったところがあります。年落ちが浅いほうが、残価率は低いのです。
| 区分 | 対象の新車時価格 | 残価率 | 相場傾向 |
|---|---|---|---|
| 1〜3年落ち | 1,824〜3,000万円 | 50.9% 〜 77.2% | 前月データなし |
| 4〜5年落ち | (型式463350など) | 61.0% 〜 95.7% | 前月から上昇 |
普通の車なら逆です。新しいほうが残価率は高いはずで、4〜5年落ちのほうが上回るというのは、素直に読めば異常な形をしています。
理由は新車価格のほうにありそうです。現行型(2024年7月〜)は新車時価格が1,824万円から3,000万円まで上がっていて、私の型式(1,289〜1,329.6万円)とは分母がまるで違います。分母が跳ね上がれば、同じ金額で売れても残価率は下がります。
つまり「崩壊」しているように見えるのは、主に現行型の残価率のほうで、型落ちのほうはむしろ踏みとどまっている、という読み方になります。私の車がたまたまそちら側だっただけとも言えるので、あまり得意げに書ける話ではありませんが。
G400dと現行のG450dが何をもって別物になっているかは、別の記事で分解しています。
走行距離の中央値は2.15万km。つまり、ほとんど乗られていない
221台のうち走行距離が読み取れた216台で中央値を出したら、2.15万kmでした。最小は0.2万km、最大でも9.7万kmです。
2021年式なら5年目なので、年あたり4,300kmほど。週末に少し乗るくらいの使い方です。私のほうはほぼ都内で乗っていて、実燃費は6〜7.5km/Lです。この中央値を見たときは「みんなそんなに乗っていないのか」と少し驚きました。
ついでに、掲載文に何が書かれているかも数えました。
| 掲載文に含まれていた語 | 221台中 |
|---|---|
| 修復歴 なし | 221台(100%) |
| サンルーフ | 73台(33.0%) |
| 禁煙 | 34台(15.4%) |
| ワンオーナー | 21台(9.5%) |
修復歴なしが221台中221台というのは、わりと強い事実だと思います。ただしこれは「掲載文にその言葉が書いてあるか」を数えたもので、車両の実態を保証する数字ではありません。サンルーフや禁煙の割合も同じで、書いていないだけの個体が混ざっているはずなので、実際の装着率はもっと高い可能性があります。
年4,300kmしか動かない車には、乗らないなりの問題が出ます。いちばん多いのはバッテリーで、Gクラスのように電装が多い車を数週間放置すると、次に乗ろうとしたときに反応が鈍いことがあります。
屋外保管なら、塗装と内装の日焼け対策にボディカバーという手もあります。全長4,660mm・全幅1,985mmなので、サイズ選びだけは気をつけたほうがいいところです。
どちらも査定額が上がると言えるものではありません。そういう研究データを私は見つけられませんでした。あくまで、動かさない期間があるなら普通に要るもの、という程度の話です。
社外ホイールを履いている人は、戻す前に確認したほうがいい
221台のうち、掲載文に「社外」が入っていたのは12台(5.4%)、「ブラバス」が10台(4.5%)でした。Gクラスはカスタムされている率が高い車です。
売るときに純正へ戻すかどうかは、よく議論になります。ここははっきり書きますが、どちらが得かを裏づける公開データを私は見つけられませんでしたので、断定は避けます。分かっているのは、G400dの純正サイズが1種類ではないこと(265/60R18・275/55R19・275/50R20)くらいです。
売却を考える時期は、保証が切れるタイミングとよく重なります。5年目というのはちょうどそこです。
持っているあいだのコスト側だと、ディーゼルの自動車税の上がり方も効いてきます。
この数字では分からないこと
自分で調べておいて言うのもなんですが、限界がはっきりしているので先に書いておきます。
去年と比べられません。 ガリバーが出しているのは当月の値と「前月からの方向」だけです。1年前の残価率が公開されていないので、「崩壊したのか」を過去との比較で答えることはできません。私が書けるのは、2026年9月17日時点で上昇と表示されていた、という事実までです。
61.3%と95.7%のどちらに寄るかが分かりません。 最小値と最大値しか出ないので、分布は外から見えません。自分の個体がどのあたりかを知る方法は、実際に査定に出す以外にありませんでした。
メルセデス・ベンツ日本の公式サイトが読めませんでした。 HTTP/2でもHTTP/1.1でも応答が返らず(ステータス000)、新車時価格はカーセンサーとガリバーの2社一致で代用しています。この症状はGクラスの別記事を書いたときから続いています。
私はG400dを売ったことがありません。 2023年8月から乗っていて、いまも乗っています。だからこの記事には「査定に出したらいくらだった」という話は出てきません。出せない以上、書きませんでした。
自分の個体がどこに位置するかを知る方法
残価率の幅が457万円ある、というのがこの記事の結論です。そして幅のどこに自分が入るかは、公開データからは分かりません。
となると、数字を動かせる余地があるとすれば査定を1社で決めないことくらいです。ガリバーが公開しているのはガリバーの実績であって、他社が同じ評価をするとは限りません。
カーセンサー 愛車買取
この記事で掲載台数と価格を数えたカーセンサーには、売る側の窓口もあります。車種・年式・走行距離を入れると複数社に査定を依頼できる形式です。上の表のとおり、同じ型式でも評価の幅がかなり広いので、1社の額を相場だと思わないための材料にはなります。
※ 2026年9月時点。査定額は車両の状態・時期・依頼先によって変わります。金額を保証するものではありません。
なお私はこのサービスで自分のG400dを売ったことはありません。売っていないものを「使ってよかった」とは書けないので、そこは正直に置いておきます。
よくある質問
Gクラスのリセールは本当に崩壊したのですか?
少なくとも型式463350(2021年5月〜2024年7月のG400d)については、ガリバーの2026年9月17日更新のデータで残価率61.3%〜95.7%、相場傾向は「前月から上昇」と表示されています。下がっている方向ではありません。ただし1〜3年落ち(現行型が中心)は50.9%〜77.2%で、こちらは分母となる新車価格が1,824〜3,000万円まで上がっているため、残価率としては低く出ています。「崩壊」という言葉がどの世代を指しているかで答えが変わります。
中古車サイトで新車価格より高い値段が付いているのはなぜですか?
中古車の掲載価格には販売店の利益・整備費用・保証の原価・在庫コストが含まれているためです。実測では2021年式のG400d AMGラインの掲載価格中央値が1,434万円(62台)で、新車時価格1,329.6万円の107.9%でした。一方、買取実績から算出された残価率の上限95.7%を同じ新車時価格に掛けると1,272万円です。掲載価格は売却時に受け取れる金額ではありません。
同じ型式なのに残価率の幅が広いのはどうしてですか?
ガリバーの注記では「型式が複数ある場合は、そのなかの最小値と最大値を表示しております」とあり、グレード(素/AMGライン)、走行距離、内外装の状態、装備などの違いが幅として出ていると考えられます。ただし内訳は公開されていないため、外部から自分の個体の位置を推定する方法はありませんでした。
G400dの中古はどのくらい流通していますか?
2026年9月19日時点のカーセンサーで、G400dとG400d AMGラインを合わせて221台でした。内訳はAMGラインが203台、素のG400dが18台です。走行距離の中央値は2.15万km(216台で算出)でした。Gクラス全体では871台が掲載されています。
売るタイミングはいつがいいですか?
その判断に使える公開データを私は持っていません。相場傾向は月単位で更新されており、本記事の数値も2026年9月時点のものです。売却の判断には税金や次の車の購入条件も絡むため、金額が大きい場合はファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家にご相談ください。
※ 本記事は情報提供を目的としており、特定の商品やサービスの勧誘を目的とするものではありません。記載した価格・残価率は2026年9月時点で各社が公開していた数値をもとにしたもので、実際の査定額・売却額を保証するものではありません。売却や買い替えの判断にあたっては、必要に応じて専門家にご相談ください。






