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ナンバー灯の「30ルクス以上」は、2003年版の告示に書かれていた数字だった

夜の幹線道路とテールランプの光跡。番号灯(ナンバー灯)の照度は現行の細目告示で8ルクス以上 Car|車
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同じ日にバックランプ(後退灯)の条文を読んでいて、審査事務規程が引用している保安基準の一文が、実際の条文と一致していないことに気づきました。それで、後面に残っていたもう一つの灯火も開くことにしました。番号灯、いわゆるナンバー灯です。

検索すると「番号標板面の照度が30ルクス以上」という数字がよく出てきます。上位の記事にも、検索結果の要約にも出ます。

細目告示の現行版を開いたら、8ルクスでした。

バックランプが片方だけなのは、条文が「1個又は2個」と書いているからだった
後退灯の数は長さ6m以下の車で1個又は2個。片側だけでも条文に反しません。第8章(車検)には100m・15W以上75W以下・20cm²以上も上縁1,200mmも無く、告示と規程で速度の数字が食い違っている箇所も見つけました。
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30lxが書かれているのは、2003年版のほうだった

国土交通省は細目告示を条ごとにPDFで配っていて、番号灯は第49条(型式の指定等)、第127条(新規検査等)、第205条(使用の過程にある自動車)の3本です。このうち第205条は、現行版と2003年版の両方がmlit.go.jp上に生きています。並べます。

照度の規定
第205条【2003.09.26.】 「番号灯試験器を用いて計測した番号標板面の照度が30lx以上のものであり、その機能が正常である番号灯は、この基準に適合するものとする」
第205条【2025.6.17】 「番号灯試験器を用いて計測した番号標板面の照度が8lx以上のもの又は協定規則第148号(略)に基づく番号標板面の輝度が2cd/m²以上のもの」

機械で数えると、2003年版は `30lx` が1件で `8lx` が0件。現行版はその逆で、`30lx` が0件、`8lx` が1件です。二輪自動車と側車付二輪自動車は15lx(輝度なら1.6cd/m²)と別に書かれています。

上位に出てくる記事を6本落として数えたところ、6本とも「8lx」が0件で、うち1本は「30lx」を3回書いていました。20年以上前の数字が、いまも現役の数字として流通していることになります。

数字が下がっているのに加えて、照度だけでなく輝度でも代替できる形に変わっているのが現行版です。ルクスは板の面が受けている光の量、cd/m²は板の面から出ている光の量なので、測っているものが違います。字光式ナンバーのように板そのものが光るタイプがあることを考えると、この2本立てには理屈があるなと思いました。

車検の章には、20mも8ルクスも書かれていない

ここからは実際に検査をしている独立行政法人自動車技術総合機構の審査事務規程です。番号灯は 7-80、8-80(最終改正 第74次)。左が第7章(新規検査など)、右が第8章(改造等による変更のない使用過程車=いわゆる普通の車検)です。

7-80-2(1)(新規検査など) 8-80-2(1)=車検
夜間後方20mから番号標の数字等を確認できる(照度8lx以上 又は 輝度2cd/m²以上なら適合とみなす。二輪は15lx/1.6cd/m²) 無い
灯光の色は白色 ①に繰り上がる
灯器が損傷し、又はレンズ面が著しく汚損している若しくは一部が点灯しないものでない ②に繰り上がる

8-80-2 の側には「20m」も「8ルクス」も「cd/m2」も出てきません。規程の全文で `20m` は3件ありますが、3件とも第7章の側(7-80-2、従前規定の7-80-6-2、7-80-7-2)に属しています。

つまりいじっていない車の車検で、番号灯の明るさは測っていないということになります。見ているのは色が白いことと、壊れたり汚れたり一部が消えたりしていないこと。この2つだけです。

「ナンバー灯 車検 ルーメン」「ケルビン」というサジェストがありますが、ルーメンもケルビンも、規程にも告示にも0件でした。W(ワット)も0件です。条文が使っている単位はルクスとcd/m²だけで、色については「白色であること」としか書かれていません。色温度の数値は出てきません。

告示に無い一文が、規程だけに足されている

上の表の③で、ひとつ引っかかったところがあります。「一部が点灯しない」という部分です。

細目告示 第205条第1項第3号は、こうです。

三 番号灯は、灯器が損傷し、又はレンズ面が著しく汚損しているものでないこと。

細目告示 第205条第1項第3号(【2025.6.17】)

対して審査事務規程 8-80-2(1)② は、こうなっています。

② 番号灯は、灯器が損傷し、又はレンズ面が著しく汚損している若しくは一部が点灯しないものでないこと。

審査事務規程 8-80-2(1)②(7-80-2(1)③も同文)

「一部が点灯しない」は、細目告示 第205条に0件。審査事務規程には3件あります。

告示の側には無い条件を、規程が足している形です。番号灯は複数のLEDが並んでいる製品が多く、そのうちいくつかが消えている状態を告示の「損傷」「汚損」だけで拾うのは難しい。検査をする側が具体的に書き足したのだろうな、とは思いますが、そこは条文に理由が書かれているわけではないので推測にとどめます。

明るさを測らない代わりに、ここが効いてくる項目になります。「ナンバー灯 車検通らない」で調べている人にとって、いちばん近い条文はこの一行です。

消せる構造にしてはいけない、という決まりがある

取付要件のほうも見ておきます。番号灯には、他の灯火であまり見ない条件が入っています。

① 番号灯は、運転者席において消灯できない構造又は前照灯、前部霧灯若しくは車幅灯のいずれかが点灯している場合に消灯できない構造であること。
ただし、道路交通法第52条第1項の規定により前照灯を点灯しなければならない場合以外の場合において、前照灯又は前部霧灯を点灯させる場合に番号灯が点灯しない装置を備えることができる。

審査事務規程 8-80-3(1)①(7-80-3(1)①も同文)

前段は「運転席から消せてはいけない」。ナンバーだけ消して走れる構造にするな、という趣旨で読めます。ヘッドライトを点ければナンバー灯も一緒に点く、というのが普通の車の作りですが、それは条文の側から要求されているものでした。

ただし書きのほうは逆の話で、道交法52条1項で前照灯を点けなければならない場合(夜間など)以外、つまり昼間にヘッドライトやフォグを点けるときは、番号灯が点かない装置を備えてもよい、と書いてあります。デイタイムでライトを点ける使い方が想定されている一文です。

そしてもう一つ、番号灯の取付要件には気づきにくい特徴があります。

7-80-3 と 8-80-3 は、①から④まで完全に同じ文でした。

後退灯では上縁1,200mm以下と幾何学的視認性が第8章で落ち、制動灯では取付要件が9項目から6項目に減っていました。番号灯は減りません。「第8章では項目が減る」を法則にすると外れます。

残る②③④は、点滅しないこと、直射光や反射光が運転操作を妨げないこと、灯器の取付部やレンズ取付部に緩み・がたがないこと。この3つです。

令和8年9月1日に区切りがあった。変わったのは版番号だけ

適用関係の整理(7-80-4)を読んでいて、日付に目が留まりました。

(3)次に掲げる自動車については、7-80-7(従前規定の適用③)の規定を適用する。(適用関係告示第36条第11項関係)
① 令和8年8月31日以前に製作された自動車
② 令和8年9月1日以降に製作された自動車であって、次に掲げるもの(略)

審査事務規程 7-80-4(3)

令和8年、つまり2026年の9月1日。この記事を書いている3日前です。灯火の条文をいくつか読んできましたが、従前規定の区切りは昭和32年、昭和44年、平成8年、平成27年といった具合で、これまで開いた範囲では昭和か平成しかありませんでした。令和、しかも数日前というのは初めて見ました。

何が変わったのかと思って、従前規定③(7-80-7)と現行(7-80-2)を1行ずつ突き合わせました。

現行 7-80-2 従前規定③ 7-80-7-2
20m・8lx・15lx・2cd/m²・1.6cd/m² あり 同じ数値
色(白色)・損傷の号 ②③ 「7-80-2(1)②に同じ」「同③に同じ」
取付要件 7-80-3 「7-80-3 に同じ」
参照している協定規則の版 UN R148-01-S5 UN R148-00-S4

日本語で書かれた要件は、1文字も変わっていませんでした。違うのは参照先の協定規則の版が 00-S4 から 01-S5 になったところだけです。

なので「9月から基準が厳しくなった」という話ではありません。少なくとも規程の日本語の側では何も動いていない。協定規則そのものは取得できていないので、その中身がどう変わったかは書けません。ここで言えるのは「区切りはあったが、日本語の条文は同じ」までです。

古いほうの従前規定も残っています。昭和35年3月31日以前に製作された軽自動車は装備要件も性能要件も「なし」、同日以前の自動車は照度が二輪15ルクス・その他8ルクスという形で、こちらは現行と同じ数字でした。

保安基準の条文と、規程の引用がまた合わなかった

道路運送車両の保安基準の第36条は246文字しかありません。第1項がこれです。

自動車の後面には、番号灯を備えなければならない。ただし、最高速度二十キロメートル毎時未満の軽自動車及び小型特殊自動車にあつては、この限りでない。

道路運送車両の保安基準 第36条第1項

規程 7-80-1 と 8-80-1 は、末尾に「(保安基準第36条第1項関係)」と付けたうえで「自動車(最高速度20km/h未満の軽自動車を除く。)の後面には、番号灯を備えなければならない。」としています。「小型特殊自動車」が入っていません。規程の全文で `小型特殊` は0件でした。

同じ日に読んだ後退灯でも、保安基準第40条第1項にある「カタピラ及びそりを有する軽自動車、小型特殊自動車」が規程の引用から落ちていました。2件目なので偶然ではなさそうです。規程は検査の現場で使う文書なので、検査の対象にならない車を落としているのだと読めますが、「(保安基準第◯条第◯項)」と書かれていると条文そのままだと思って読んでしまう。そこは気をつけたほうがよさそうです。

なお細目告示のほうには `小型特殊` がちゃんと2件あります。落ちているのは規程だけです。

型式指定の側では、車の大きさで種別が分かれる

車検とは別の場面ですが、細目告示 第49条(型式の指定等・【2024.6.14】)の割り振り方が面白かったので置いておきます。

どの車か 基準
普通自動車で車両総重量8t以上/最大積載量5t以上/乗車定員30人以上のもの 協定規則第148号 種別2b
それ以外の自動車(下記を除く) 協定規則第148号 種別2a
二輪自動車・側車付二輪自動車 協定規則第148号 種別2
カタピラ及びそりを有する軽自動車、被牽引軽自動車 別添63「番号灯の技術基準」

大型車だけ種別が違う。ナンバープレートの位置が高くなるぶん、求められる配光が変わるのだろうと想像はしますが、協定規則第148号の原文は取得できていないので、種別の記号までにとどめます。

この条にも「交換式電球の受金形状は、定格電球を使用する場合にあってはJIS規格C7709に定められた形状」という一文がありました。後退灯の第58条と同じ文です。

字光式ナンバーは、条文に名前が出てくる

細目告示 第205条第2項の第4号に、こう書かれています。

四 施行規則第11条第3項に適合すると認められた後面に備えられた字光式自動車登録番号標

細目告示 第205条第2項第4号

「次に掲げる番号灯であってその機能を損なう損傷等のないものは、前項各号の基準に適合するものとする」という列挙の中に入っています。板そのものが光る字光式は、番号灯として扱うという整理です。第127条(新規検査等)の側にも同じ号があり、2003年版にも入っていました。古くからある規定です。

書けなかったこと

協定規則第148号の規則4.・5.11.・6.の原文は取得できませんでした。輝度の2cd/m²がどう定義されているかも、種別2a・2b・2の違いも、規則番号までしか書けません

別添63「番号灯の技術基準」・別添52・別添53は開いていません。表題だけ引いています

適用関係告示 第36条そのものは開いていません。規程が引いている項までを書いています

・検索の要約に出てくる「均斉度20以下」は扱っていません。「均斉」は規程にも告示にも0件で、協定規則か別添の側の話になります。私が開いた範囲には根拠がありません

LED化の可否と色温度(ケルビン)の可否は断定していません。条文にあるのは「白色であること」だけで、K(ケルビン)もルーメンも0件です

令和8年9月1日で何が実質的に変わったかは書けません。日本語の要件は同一で、変わったのは協定規則の版番号だけでした

よくある質問

ナンバー灯の明るさは何ルクス以上必要ですか

現行の細目告示 第205条第1項第1号は、番号灯試験器で計測した番号標板面の照度が8lx以上、又は協定規則第148号に基づく番号標板面の輝度が2cd/m²以上であれば「夜間後方20mから数字等を確認できる」という基準に適合するものとする、としています。二輪自動車と側車付二輪自動車は15lx(輝度なら1.6cd/m²)です。よく見かける30lxは、同じ第205条の【2003.09.26.】版に書かれていた値でした。

車検でナンバー灯の明るさを測られますか

改造等による変更のない使用過程車の審査にあたる審査事務規程 8-80-2(1) には、20mも8ルクスもcd/m²も書かれていません。性能要件として残っているのは「灯光の色は白色であること」と「灯器が損傷し、又はレンズ面が著しく汚損している若しくは一部が点灯しないものでないこと」の2つです。ただし新規検査や構造等変更検査にあたる第7章の側には照度の規定があります。

ナンバー灯のLEDが一部だけ消えていると車検に通りませんか

審査事務規程 8-80-2(1)② に「一部が点灯しないものでないこと」という文言があります。これは細目告示 第205条には無く(0件)、規程だけに書かれているものです。実際の判断は検査を受ける運輸支局または指定整備工場に確認してください。

ナンバー灯の色に決まりはありますか。青白いLEDは大丈夫ですか

条文にあるのは「番号灯の灯光の色は、白色であること」だけです。色温度(ケルビン)の規定は審査事務規程にも細目告示にもありません(0件)。したがって何K以下なら適合という線引きは、私が開いた範囲の条文には存在しません。白色と言えるかどうかの判断になります。

ナンバー灯をスイッチで消せるようにしてもいいですか

取付要件の①が「運転者席において消灯できない構造又は前照灯、前部霧灯若しくは車幅灯のいずれかが点灯している場合に消灯できない構造であること」と定めています。ただし書きで、道路交通法第52条第1項により前照灯を点灯しなければならない場合以外において、前照灯又は前部霧灯を点灯させる場合に番号灯が点灯しない装置を備えることは認められています。

字光式ナンバーの場合、別にナンバー灯が要りますか

細目告示 第205条第2項第4号が「施行規則第11条第3項に適合すると認められた後面に備えられた字光式自動車登録番号標」を、その機能を損なう損傷等のないものであれば第1項各号の基準に適合するものとして挙げています。審査事務規程 7-80-2(2)④ にも同じ号があります。

参考にした一次ソース

資料 使ったところ
道路運送車両の保安基準(e-Gov) 第36条(番号灯)
細目告示 第49条 型式の指定等・種別の割り振り(【2024.6.14】)
細目告示 第127条 新規検査・予備検査等(【2025.6.17】)
細目告示 第205条 使用の過程にある自動車・8lx(【2025.6.17】)
細目告示 第205条【2003.09.26.】版 30lx の出どころ
審査事務規程 7-80、8-80 番号灯 第7章・第8章の全文と従前規定(最終改正 第74次)
審査事務規程 目次 上記PDFのたどり方

細目告示の第127条と第205条は、条番号の3か所を除くと1,861文字が完全に一致していました。後退灯(第136条と第214条)でも同じでしたが、装置によっては差が出ます。並べてみるまでは分かりません。

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