2019年3月から2023年8月まではハイオクのAMG C43に乗っていて、2023年8月からディーゼルのG400dです。ハイオクと軽油、どちらも長く入れてきたことになります。
2026年4月1日に、軽油にかかる税金の金額が変わりました。1リットルあたり32.1円だったものが15.0円になっています。17.1円です。
で、2026年8月時点での直近の給油の記録が手元にあって、89.25リットルで12,941円でした。1リットル144.9972円、ほぼ145円ちょうどです。
このうち税金はいくらなのか、という話を書きます。先に結論を言っておくと、この12,941円から税額を確定させることはできませんでした。足し算ができなかったのではなく、給油したスタンドの契約形態によって答えが2通りあって、レシートにはそれが書かれていないからです。
税率が書いてある条文は、30字しかなかった
軽油にかかる税金の名前は軽油引取税です。根拠は地方税法で、税率は第144条の10に書いてあります。
全文がこれです。
軽油引取税の税率は、一キロリットルにつき、一万五千円とする。
出典: 地方税法(昭和25年法律第226号)第144条の10(e-Gov法令検索・2026年10月4日に本文を取得)
これで終わりです。30字、1項だけ。 項が2つ目以降ありません。
そして、この条には 32,100円という数字が一度も出てきません。 「暫定」も「当分の間」も出てきません。長いあいだ実際に適用されていた32.1円は、この税率の条文そのものではなく、その外側に置かれていた数字で、2026年4月1日にそれが廃止されました。東京都主税局が「当分の間税率(旧暫定税率)」と呼んでいるのがそれです。
東京都主税局の告知がいちばん端的です。
軽油引取税の当分の間税率(旧暫定税率)については、令和8年4月1日に廃止されました。令和8年4月1日以降に行われた行為に対して課する軽油引取税については、1キロリットル当たり15,000円の税率が適用されます。
同じページには「令和8年4月1日より前に行われた行為に対して課する軽油引取税については、引き続き1キロリットル当たり32,100円の税率が適用されます」とも書いてあります。切り替わったのは行為の日付で、支払いの日付ではないということです。
ガソリン側も同じ構造になっていて、揮発油税法第9条が24,300円、地方揮発油税法第4条が4,400円。足すと28,700円で、1リットル28.7円です。こちらも2025年12月31日に上乗せ分が外れています。
つまり2026年4月1日に、軽油とガソリンの両方で、ようやく条文の数字と実際の税率が一致しました。 半世紀ぶりに本則だけになった、という言い方もできます。ハイオクと軽油の価格差がどう動いたかは、週次データを1990年分まで集計した別記事があるので、この記事の後半でそちらに送ります。
ここで少し気になるのは、条文が短すぎて何も教えてくれないことです。15,000円と書いてあるだけで、それに消費税がかかるのかどうかは一言も書いていません。そこは別の法律の話になります。
12,941円に乗っている税は、3つだった
軽油1リットルにかかる税金は、調べた範囲では3つでした。
| 税の名前 | 税率 | 根拠 |
|---|---|---|
| 軽油引取税 | 15.0円/L(15,000円/kL) | 地方税法 第144条の10 |
| 石油石炭税 | 2.8円/L(2,800円/kL) | 石油石炭税法 第9条第1号+地球温暖化対策のための税率の特例 |
| 消費税 | 10% | 消費税法 |
石油石炭税は2段になっていて、法律の本則が1キロリットルあたり2,040円、そこに地球温暖化対策のための特例で760円が上乗せされて2,800円です。国税庁のパンフレットに、2,290円(+250円)→ 2,540円(+500円)→ 2,800円(+760円)と段階的に上がっていった表が載っていて、満額の2,800円になったのは平成28年4月1日からです。
ここが地味に大事なところで、検索して出てくる「軽油の税金の内訳」の記事には、石油石炭税を2.54円と書いているものがあります。 2.54円は2,540円の段階、つまり上乗せが500円だったころの数字です。10年以上前に終わっています。
15.0円と2.8円と10%が分かれば、あとは12,941円を割っていくだけ、のはずでした。ところが消費税を何に対してかけるのかが、この3行だけでは決まりません。
なお以下の計算では、軽油引取税を2026年4月1日以降の15.0円で置いています。給油が3月31日までの行為であれば、ここは32.1円になります。
同じ燃料にかかる税なのに、消費税の扱いが逆になっている
消費税法基本通達の10−1−11に、どの税が消費税の計算に入るかが並んでいます。原文です。
法第28条第1項《課税標準》に規定する課税資産の譲渡等の対価の額には、酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、石油ガス税等が含まれるが、軽油引取税、ゴルフ場利用税及び入湯税は、利用者等が納税義務者となっているのであるから対価の額に含まれないことに留意する。ただし、その税額に相当する金額について明確に区分されていない場合は、対価の額に含むものとする。
出典: 国税庁「消費税法基本通達 第10章 課税標準及び税率」10−1−11(平12課消2−10、平15課消1−37により改正)
石油石炭税は「含まれる」側に名前があり、軽油引取税は「含まれない」側に名前があります。 同じ1リットルの軽油に乗っている2つの税で、扱いが逆です。
分かれ目は税率の高さでも税の種類でもなく、誰が納税義務者かでした。石油石炭税は元売などが納める税で、価格の一部になっています。軽油引取税のほうは地方税法第144条の2に「その引取りを行う者に課する」と書いてあって、納める人は引き取る側です。給油する人の税金をスタンドが預かって代わりに納めている、という構造になっているので、スタンドの売上そのものではない、という理屈です。
ついでに言うと、第144条の2第1項はかっこ書きが何重にも入った長い一文で、第144条の10の30字とは対照的でした。税率の条文がいちばん短くて、誰が納めるかの条文がいちばん長い。 条文の長さと読者が知りたいことの順番は、だいぶ違います。
ここまでなら話は簡単です。軽油引取税の15.0円には消費税がかからない。実際、そう書いてある記事はたくさん見つかります。
ただ、これには続きがありました。
「軽油引取税に消費税はかからない」が成り立たない場合がある
国税庁のタックスアンサーNo.6313に、同じ話が整理されています。そしてその注記に、こう書いてあります。
軽油引取税は、特別徴収義務者である特約店等が販売する場合は課税標準に含まれませんが、特別徴収義務者に該当しないサービス・ステーション等が販売する場合には、課税標準から軽油引取税を控除することはできません。
「特別徴収義務者に該当しないサービス・ステーション等が販売する場合には、控除することはできません」。
つまり条件付きです。軽油引取税が消費税の計算から外れるのは、売っている側が特別徴収義務者であるときの話で、そうでないスタンドが売る軽油は、軽油引取税を含んだ金額の全部が消費税の対象になります。
同じ国税庁の質疑応答事例でも、同じ結論に「(その税額に相当する金額が明確に区分されていない場合を除く。)」という括弧が付いています。こちらは令和7年8月1日現在の法令・通達に基づくという注記つきです。
「ガソリンは税金に税金がかかっているが、軽油は違う」という書き方をよく見かけます。 条件を書かずにそう言い切ってしまうと、半分しか当たっていないことになります。少なくとも私は、自分が給油したスタンドがどちらなのかを知りません。
仕組みには名前が付いていて、「委託販売契約」と呼ばれていた
では特別徴収義務者ではないスタンドは、どうやって前者の扱いになるのか。ここを説明している資料が1つだけ見つかりました。全国石油商業組合連合会が出しているQ&Aで、2026年2月20日付の第2版、18ページあります。冒頭に「このQ&Aについては、経済産業省資源エネルギー庁燃料流通政策室との協議を経ているものです」と書いてあります。
Q7が「軽油引取税と消費税の適正処理について」で、そこにこうあります。
軽油委託販売契約を結んでいない販売業者が販売する軽油については、軽油価格(軽油本体+軽油引取税)全額が消費税の課税対象となる。
出典: 全国石油商業組合連合会「軽油引取税の当分の間税率の廃止に伴う課税の取扱い Q&A【第2版】」(PDF・2026年2月20日)
軽油委託販売契約。 特別徴収義務者とスタンドのあいだで結ぶ契約で、これがあると、スタンドでの販売が特別徴収義務者からの引取りとして扱われます。同じQ&AのQ1に「委託販売契約とは、消費税導入時に、特別徴収義務者と販売店との間で結ばれた『軽油委託販売契約』を含むものであり、改めて、委託販売契約を結び直すようなことを条件とするものではない」とあって、1989年の消費税導入のときに作られた仕組みがそのまま生きていることが分かります。
同じQ&Aに、税率が変わる前後の公式モデルが載っています。価格は石油情報センターの調査価格で、2026年1月26日の全国平均です。
| 軽油本体(税抜) | 消費税 | 軽油引取税 | 店頭価格 | |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月31日まで | 101.5円 | 10.2円 | 32.1円 | 143.8円 |
| 2026年4月1日から | 101.5円 | 10.2円 | 15.0円 | 126.7円(▼17.1円) |
消費税の10.2円が、101.5円に対してだけかかっています。32.1円にも15.0円にもかかっていません。Q&Aはこの表に「本体価格が変わらないのがポイント」と添えていて、さらにシステムを直さずに旧税率で計算してしまったケースまで並べています。そちらでは店頭価格は同じ126.7円なのに、本体が101.5円ではなく86.0円、売上の消費税が10.2円ではなく8.6円になってしまう、という形で誤りが出ます。
ここから先は私の計算です。本体価格を101.5円に固定したまま、契約の有無だけを入れ替えると、店頭価格が変わります。
| 計算 | 店頭価格 | |
|---|---|---|
| 委託販売契約あり | 101.5 × 1.1 + 15.0 | 126.65円 |
| 委託販売契約なし | (101.5 + 15.0)× 1.1 | 128.15円 |
差は1.50円です。 軽油引取税15.0円の10%、そのままです。2026年3月31日までは同じ差が32.1円の10%で3.21円ありました。つまり暫定税率の廃止は、店頭価格を17.1円下げたのと同時に、この見えない差も3.21円から1.50円へ縮めています(縮んだ分は1.71円で、17.1円の10%です)。
※ 1.50円・3.21円・1.71円は公表されている数字ではなく、公式モデルの本体価格101.5円を使って私が計算したものです。
私が払った12,941円のうち、税金は2,643円か2,765円のどちらかだった
ここでようやく手元の記録に戻れます。89.25リットルで12,941円。
契約の有無で2通りに分けて、同じ12,941円を分解しました。軽油引取税は15.0円 × 89.25リットル、石油石炭税は2.8円 × 89.25リットルで、どちらのケースでも金額は同じです。動くのは消費税だけです。
| 本体(税抜・石油石炭税を含む) | 消費税 | 軽油引取税 | 石油石炭税 | 税の合計 | 税の割合 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 委託販売契約あり | 10,547.5円 | 1,054.75円 | 1,338.75円 | 249.9円 | 2,643.4円 | 20.4% |
| 委託販売契約なし | 10,425.8円 | 1,176.45円 | 1,338.75円 | 249.9円 | 2,765.1円 | 21.4% |
どちらも合計は12,941.0円になります。払った額は1円も違いません。違うのは、その中の何円が税金だったかです。 差は121.7円でした。
そして、どちらなのかが分かりません。 レシートには軽油引取税の金額が書かれていることもありますが、そのスタンドが特別徴収義務者と委託販売契約を結んでいるかどうかは書かれていません。 給油した人の支払額は同じなので、実害があるわけでもありません。ただ「自分が払った税金はいくらか」という問いには、120円ぶんの幅を付けないと答えられないということになります。
ちなみに、ハイオクのときはこの迷いがありません。揮発油税と地方揮発油税は通達で「含まれる」側に名前があるので、スタンドの契約形態に関係なく、税金に消費税がかかります。迷わなくていいほうが損をしているという、少し妙な話です。
1回の給油でこの量が入るのは、タンクが大きいからです。満タンからの走行距離や車載表示の燃費は別記事にまとめてあります。
分解できたのは記録が残っていたからで、ここは普通にレシートを取っておくかどうかの問題です。車の中で紙が散るのが嫌なら、サンバイザーに挟むタイプのホルダーがあります。
車載用のレシート・書類ホルダー(サンバイザー取付タイプ)
給油のレシートを入れておく場所が決まっていれば、あとから単価と数量を拾えます。製品の良し悪しまでは確かめていないので、こういう種類のものがある、というところまでの話です。
値段が動いた日は、税率が変わった日ではなかった
サジェストに「軽油 暫定税率廃止 安く ならない」という語が出てきます。これは正しい観測で、理由は資源エネルギー庁のQ&Aに書いてありました。
暫定税率の廃止当日に、ガソリンの価格が25.1円下がるわけではありません。
軽油についても、11月13日に、現行の補助金10円に5円が増額されて15円の補助金が支給されます。11月27日には、軽油の補助金は暫定税率による上乗せ分と同水準の17.1円となります。
出典: 資源エネルギー庁「ガソリンの暫定税率(当分の間税率)の廃止でガソリン代はどうなるの?」(2025年11月19日)
軽油の17.1円ぶんの値下げは、2025年11月27日に補助金で満額まで到達していました。 税率が実際に動いた2026年4月1日は、税と補助金が入れ替わった日で、価格が落ちた日ではありません。4か月早く効いていたので、4月1日に何も起きなかったように見えるのは当然でした。
価格の動き自体は別記事のほうで週次データを並べてあるので、ここでは深追いしません。
事業で軽油を使っている人には、ここが実務になる
ここまでは「払う側は結局同じ額」という話でした。売る側と、仕入れて経費にする側では話が変わります。
全石連のQ&Aが18ページも割いているのは、委託販売の事務手続きのほうです。拾っておくと、
- 特別徴収義務者ごとに分けて、仕入・販売・在庫の数量を把握すること(Q2)。月初と月末の在庫は実測値を書くことになっています
- 在庫の数え方は先入先出法(Q5)
- 不正があった場合は更正処分と追徴に加えて、特約業者の指定取り消しまであり得る(Q8)
- システムを直さずに旧税率で計算すると、売上と売上消費税の両方を間違える(Q7)
経費として落とす側から見ると、仕入先が委託販売契約を結んでいるかどうかで、同じ軽油代の消費税の区分が変わります。請求書の見え方も変わります。ここから先は帳簿の付け方そのものの話になるので、顧問税理士に確認するのが早いところです。
領収書をまとめる側の実務でもあるので、紙を溜めない道具を1つ置いておきます。
レシート・領収書の整理用ホルダー
月ごとに仕切れるタイプなら、上のQ2が求めている「特別徴収義務者ごとに分ける」作業がそのまま乗ります。こちらも実物を比べたわけではありません。
車を事業で使うときの経費の線引きは、燃料だけの話ではないので別にまとめてあります。
今の軽油はいくらで、そのうち補助金はいくら出ているのか
税率の話をしてきましたが、いま価格を決めているのは税率より補助金のほうです。
資源エネルギー庁の石油製品価格調査で、直近の軽油の全国平均は159.5円でした。調査日は2026年9月28日、公表は9月30日です(同じ週のハイオクは180.7円)。週次のデータがExcelで公開されていて、全国平均の列にこの数字が入っています。
一方、緊急的激変緩和措置の公式サイトに出ている2026年10月1日以降の支給単価は、軽油が50.7円/Lです。ガソリン・灯油・重油も同じ50.7円、航空機燃料が40.5円。調達費用に基づく調整単価が10月分で3.7円/Lと書かれています。
| 項目 | 数字 | 時点 |
|---|---|---|
| 軽油 全国平均小売価格 | 159.5円/L | 2026年9月28日調査 |
| 軽油 補助金の支給単価 | 50.7円/L | 2026年10月1日以降 |
| 軽油引取税 | 15.0円/L | 2026年4月1日以降 |
出典: 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」/経済産業省・資源エネルギー庁「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」
税率を17.1円下げたのに対して、補助金は50.7円出ています。 3倍です。しかも補助金は2週間ごとに単価が動くもので、税率のように条文に書いてあるものではありません。
補助金が無かったらいくらなのか、という引き算は今回していません。 支給単価は元売に出るもので、公式のQ&Aにも「必ずしも補助金価格がそのまま店頭価格に反映されるわけではありません」と書かれています。足し算して「本当は210円」と書くのは簡単ですが、それは私が作った数字になります。
調べて、分からなかったこと
正直に書いておきます。
- 総務省の通知文書そのものは読めていません。 全石連のQ&Aの別添1に、令和8年2月20日付の総務省自治税務局都道府県税課長名の通知が綴じられているのですが、そのページは画像で、テキストが取り出せませんでした(ページ番号だけが出ます)。なので引用していません。この記事で引いているのは、エネ庁と協議済みと明記されているQ&A本文までです
- 委託販売契約を結んでいるスタンドがどのくらいあるのかは、統計が見つかりませんでした。 「ほとんどが結んでいる」とも「少ない」とも書けません
- 自分が給油したスタンドがどちらだったのかも分かりません。 だから上の表が2行あります
- 免税軽油の制度(地方税法第144条の21以下)は、船舶や農業など用途が決まっているもので、乗用のディーゼルには当たりません。条があることだけ書いて、中身には入っていません
よくある質問
軽油引取税に消費税はかかりますか
条件によって変わります。 消費税法基本通達10−1−11では、軽油引取税は利用者が納税義務者なので消費税の課税標準に含まれません。ただし国税庁タックスアンサーNo.6313の注記に、特別徴収義務者に該当しないサービス・ステーションが販売する場合は控除できないと書かれています。「かからない」と言い切れるのは前者のときだけです。
軽油の税金は1リットルあたり合計いくらですか
軽油引取税15.0円と石油石炭税2.8円、それに消費税10%です。2026年9月28日調査の全国平均159.5円で機械的に割ると、税の合計は1リットルあたり30.9円から32.3円のあいだになります(幅が出るのは上の消費税の扱いによるものです。この計算は私が行ったもので、公表値ではありません)。
軽油引取税はいつから15円になりましたか
2026年4月1日からです。 それより前に行われた行為には1キロリットルあたり32,100円が、それ以降には15,000円が適用されます。ガソリンの上乗せ分が2025年12月31日に外れたのに対し、軽油が4月1日だったのは、軽油引取税が都道府県の税だからです。
暫定税率が廃止されたのに価格が下がった実感がないのはなぜですか
税率が変わる前に、補助金で同じ幅の値下げが先に実現していたからです。 資源エネルギー庁のQ&Aによると、軽油の補助金は2025年11月27日に上乗せ分と同水準の17.1円に達しています。4月1日は税と補助金が入れ替わった日でした。
レシートを見れば自分が払った税額は分かりますか
軽油引取税の金額が書かれていても、消費税の計算にそれが入っているかは分かりません。 スタンドが特別徴収義務者と委託販売契約を結んでいるかどうかはレシートに書かれていないためです。私の給油1回ぶん(89.25リットル・12,941円)で計算すると、税額は2,643.4円と2,765.1円の2通りになり、差は121.7円でした。
最後に
条文は30字で、答えは条文の外にありました。
軽油引取税の税率は地方税法第144条の10に一文だけ書いてあって、それ以上何も教えてくれません。消費税がかかるかどうかは消費税法の通達の側にあり、その通達にも「ただし」が付いていて、最後は給油したスタンドが誰と契約しているかまで降りていきます。そこはレシートに書かれていない。
12,941円のうち税金は2,643円か2,765円。120円の幅です。金額としては誤差ですが、「自分が何にいくら払っているか」を調べていった先が『場合による』で終わるのは、なかなか据わりの悪い感じがします。
もう1つ付け加えると、いま軽油の値段をいちばん大きく動かしているのは、ここまで読んできた税率ではなく、条文のどこにも書かれていない50.7円の補助金でした。2週間ごとに変わります。税金の話をしていたつもりが、最後は補助金の話になりました。
この記事で使った一次ソース
地方税法(第144条の2・第144条の10)/揮発油税法 第9条/地方揮発油税法 第4条/石油石炭税法 第9条
消費税法基本通達 10−1−11/タックスアンサー No.6313/質疑応答事例「課税売上高の範囲」/国税庁「石油石炭税の特例措置等について」
本記事は情報提供を目的としており、特定の商品やサービスの勧誘を目的とするものではありません。税率・制度・価格はすべて2026年10月4日時点で確認した内容です。軽油引取税と消費税の区分、経費処理の判断は個別の取引内容や契約形態によって異なります。実際の申告・経理処理については、税理士など専門家にご相談ください。記事中の計算のうち、公表値でないものは「私の計算」と明記しています。
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