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軽油とハイオクの差は31円から21円になった|ディーゼルを選ぶ理由がひとつ薄くなる

ハイオクと軽油の全国平均価格差は2026年4月以降21.5円。2024年の31.1円から9.6円縮んだ Car|車
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2019年から4年半はハイオクのAMG C43に乗っていて、2023年8月からディーゼルのG400dに替えました。ハイオクと軽油、どちらも長く入れてきたことになります。

軽油のほうが安い。これは誰でも知っていることですが、その差が今いくらで、昔と比べてどうなのかを時系列で出している記事が見当たらなかったので、資源エネルギー庁の週次データを1990年分まで遡って自分で計算してみました。

結果は予想と違いました。ハイオクと軽油の全国平均の差は、2024年は年間を通して31円台。それが2026年4月以降は21円台で固定されています。 差が9.6円縮んでいます。

軽油そのものの値段が上がったわけではありません。ガソリン側が、軽油より多く下がったというのが実際に起きたことです。

なお、ハイオクの単価が今いくらなのかという話は別の記事で書いたので、ここでは触れません。この記事が持つのは差のほうだけです。

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12年間ほとんど動かなかった数字が、去年の暮れに崩れた

資源エネルギー庁の石油製品価格調査は、毎週水曜の14時に全国平均の店頭価格を公表しています。この調査の週次ファイルには1990年8月27日からの全データが入っているので、ハイオクと軽油のシートを両方開いて、その差を年ごとに平均してみました。

ハイオク−軽油の平均 最小 最大 週数
2017 32.0円 31.3円 32.9円 51
2018 32.1円 30.1円 32.8円 51
2019 29.9円 29.4円 30.5円 50
2020 30.2円 29.5円 30.7円 50
2021 30.8円 30.3円 31.1円 50
2022 30.9円 30.6円 31.2円 51
2023 31.0円 30.6円 31.5円 50
2024 31.1円 31.0円 31.2円 51
2025 30.4円 23.3円 31.2円 50
2026(4月以降) 21.5円 21.4円 21.7円 17

全国平均・円/L。資源エネルギー庁「石油製品価格調査」週次ファイル(2026年8月5日公表)のハイオク・軽油の全国平均から筆者が年別に集計。2026年は軽油の暫定税率が廃止された4月1日以降のみを対象にしています。

2024年を見てください。1年間で最小31.0円、最大31.2円。 51週あって0.2円しか動いていません。原油が上がろうが円安になろうが、ハイオクと軽油は仲良く同じだけ動くので、差だけを見ると気味が悪いほど平らでした。

2017年から2024年まで、ずっと30〜32円のレンジに収まっています。この数字は動かないものだと思っていました。

それが2026年4月以降は21.4〜21.7円。こちらもまた平らなのですが、水準がひとつ下の階に移っています。

崩れたのは2025年12月

年平均だと2025年は30.4円で、あまり変化がないように見えます。ただ最小値が23.3円まで落ちていて、これは年の後半で急に下がったことを意味します。週単位で並べるとこうなります。

調査日 ハイオク 軽油
2023年8月7日 191.2円 159.8円 31.4円
2025年10月6日 186.1円 155.4円 30.7円
2025年11月10日 184.3円 153.7円 30.6円
2025年12月22日 168.8円 145.5円 23.3円
2026年4月6日 178.3円 156.6円 21.7円
2026年8月3日 180.9円 159.4円 21.5円

全国平均・円/L。出典は上表と同じ。

11月10日の時点ではまだ30.6円ありました。それが12月22日には23.3円。6週間で7円ちょっと縮んでいます。

ちなみに2023年8月7日を入れたのは、私がG400dに乗り換えた時期だからです。当時は31.4円ありました。乗り換えの判断材料のひとつがこの差だったので、今と比べると前提が変わったことになります。

制度の側で計算すると、8.0円ぶんはガソリンが多く下がっている

理由は税金でした。しかも、わりと単純な引き算で説明がつきます。

ガソリンは25.1円、軽油は17.1円

資源エネルギー庁の暫定税率の廃止に関する解説ページによると、暫定税率(正式には「当分の間税率」)は1974年に道路整備の財源として導入されたもので、上乗せ額はこうなっています。

  • ガソリン: 揮発油税などに含まれる 25.1円/L2025年12月31日に廃止
  • 軽油: 軽油引取税に含まれる 17.1円/L2026年4月1日に廃止

同じページには、廃止当日にいきなり価格が下がるわけではないことも書かれています。急に下がると買い控えや駆け込みで流通が混乱するため、2025年11月13日から2週間ごとに5円ずつ補助金を積み増して、階段状に下げていく設計でした。軽油の補助金は11月27日に17.1円に到達しています。だから12月22日の時点で、軽油はもう下がりきっていたわけです。

25.1 − 17.1 = 8.0円。制度だけで考えると、ガソリンのほうが8円多く下がることになります。

実測は9.6円縮んでいる。残りの1.6円は分かりません

一方、実際のデータで縮んだ幅は 31.1 − 21.5 = 9.6円でした。理論値の8.0円より1.6円多い。

この1.6円が何なのかは、正直なところ特定できませんでした。 消費税のかかり方の違い、原油と為替、スタンドごとの利幅、そのあたりが全部混ざった数字です。どれか一つのせいにできるほど単純ではないので、ここは「理論値とは1.6円ずれている」とだけ書いておきます。

ただ、方向と桁は制度で説明がついています。 差が縮んだのは相場の気まぐれではなく、税金の下げ幅がガソリンと軽油で違ったから。ここは動かないと思います。

> ちなみに2026年3月に一度、全油種が29円ほど跳ね上がった週があります。中東情勢による原油高で、政府が緊急の補助を入れて戻しました。この経緯はハイオクの記事のほうで扱っているので、そちらを見てください。補助の終了時期は公表されていないので、この記事でも書きません。

ディーゼルを選ぶ理由が、ひとつ薄くなった

では、この9.6円は実際いくらの話なのか。

年に1万km走って、燃費が10km/Lなら、使う燃料は1,000Lです。この前提だと 9.6円 × 1,000L = 年9,600円。差が縮んだぶん、ディーゼルの有利さがこれだけ削られた計算になります。

残っている優位のほうは 21.5円 × 1,000L = 年21,500円です。以前は31,100円あったので、3割ほど目減りしたという感覚が近いと思います。

> ※ この1,000Lという数字は読者が自分に当てはめるためのモデルで、私の実績ではありません。走行距離と燃費を自分の値に置き換えてください。

年に1万円弱。これを大きいと見るか小さいと見るかは人によります。車両価格の差やメンテナンスの手間と並べると小さい額なので、これだけでディーゼルをやめる理由にはならないと思います。

ただし、単価だけでは決まりません

ここは正直に書いておきます。燃料の単価差は、ディーゼルを選ぶ理由の一部でしかありません。

同じ車格ならディーゼルのほうが燃費自体も良いことが多く、その差は単価差とは別に効きます。ただ、その燃費差が何割なのかは車種によってばらつきが大きく、信頼できる一次データを見つけられなかったので、ここでは数字を出しません。 検討している車種のカタログ値と、できれば実燃費の報告を突き合わせるのが確実です。

逆にディーゼル側のコストもあります。尿素SCRを積んだディーゼルはAdBlue(尿素水)の補充が要ります。 ただし補充の間隔も費用も車種と乗り方で大きく変わるうえ、こちらで実測した記録もないので、具体的な金額は出しません。 検討中の車種の取扱説明書と、ディーラーの見積もりで確認するのが確実です。

ディーラーで入れると工賃込みになりますが、自分で補充する前提なら容器入りのものが売られています。給油口の周りにこぼすとそれなりに厄介なので、手袋も一緒に置いておくと楽です。

AdBlue(尿素水)

※ 対応規格(ISO 22241等)と補充口の形状は車種ごとに違います。取扱説明書を確認してから選んでください。

使い捨てニトリル手袋

Gクラスの場合、燃料費よりずっと大きい金額が3年目に来ます。メルセデス・ケアが切れたあとの保証延長が759,000円で、こちらのほうが判断としては重いです。

給油口の前で効くのは、制度より給油先だった

この記事を書きながら、少し気が抜けたところがあります。

制度がひっくり返って動いたのが9.6円。 一方で、コストコのガソリンスタンドは通常より約10円/L安いことがあります。

半世紀続いた税制が廃止されて動いた幅と、給油する場所を変えて動く幅が、だいたい同じなんです。

もっとも、これは万人向けの話ではありません。会員費がかかりますし、店舗数が限られるので、わざわざ遠回りして給油しに行くと燃料代で相殺されます。 通勤や買い物の動線上にあるかどうかで結論が変わります。ここは自分のルートで判断するしかありません。

単価は自分で動かせない。給油先も動線次第。それでも確実に動かせるのが、同じ金額をどう払うかの部分です。年間10万円を超える出費なので、決済側は一度整理しておく価値があります。

ハイオク車に戻る判断はあるのか

燃料代だけで決まる話ではないので、9.6円で乗り換えを考える人はいないと思います。ただ、燃料単価の安さを理由にディーゼルを選ぼうとしている人は、前提を確認しておいたほうがいいとは思います。

参考までに、ハイオクだったAMG C43のときは、累計20,855.1km走った時点で実測8.3km/L、満タンで638km走れました。給油量は月60〜120Lくらいでした。同じ距離を走るなら、燃料の単価差より燃費の差のほうが効くのがこの数字を見ると分かります。8.3km/Lと12km/Lでは、1万kmあたりの給油量が1,200Lと833Lで、370Lも違います。単価21.5円の差より、こちらのほうが大きい。

つまり、軽油が安いからディーゼル、という選び方は今も昔もあまり筋が良くないということかもしれません。トルクの出方や航続距離が好きかどうかのほうが、たぶん長く効きます。

よくある質問

軽油の暫定税率はいつ廃止されましたか

2026年4月1日です。上乗せされていたのは17.1円/Lでした。ガソリンの暫定税率(25.1円/L)は3ヶ月早い2025年12月31日に廃止されています。出典は資源エネルギー庁の解説ページです。

4月1日に軽油が17円安くなったのですか

いいえ。補助金を2025年11月13日から2週間ごとに5円ずつ積み増す形で段階的に下げていて、軽油は11月27日には17.1円分の補助に到達していました。つまり値下がりは2025年11月下旬までにほぼ終わっており、4月1日は補助金が税率の引き下げに置き換わった日、という位置づけです。

いま軽油はいくらですか

2026年8月3日時点の全国平均で159.4円/Lです(8月5日公表)。同じ日のレギュラーが170.1円、ハイオクが180.9円でした。この調査は毎週水曜14時に更新されるので、最新値は石油製品価格調査で確認できます。

価格差が21円台で固定されているのはなぜですか

ハイオクと軽油は同じ原油から作られるので、原油や為替が動くと両方が同じ方向に動きます。差として残るのは主に税額の違いで、その税額が変わらない限り差も安定します。実際、2026年4月以降の17週で最小21.4円・最大21.7円と、ほとんど動いていません。

この21.5円という差は今後また広がりますか

税率が再び変わらない限り、大きくは戻らないと考えるのが自然です。ただ断定はできません。 補助金の設計変更や税制改正があれば動きますし、緊急補助の終了時期も公表されていません。ここは今後の発表を見るしかない部分です。

最後に

半世紀続いた暫定税率が廃止されれば、ディーゼル乗りにも何かしら得があるはずだ——と考えるのが自然だと思います。実際に起きたのは、ガソリン側のほうが多く下がって、軽油の相対的な優位が9.6円ぶん削られたということでした。

損をしたわけではありません。軽油も17.1円ぶん下がっています。ただ、2023年にディーゼルを選んだときの前提とは、数字が変わっている。 そこだけは知っておいたほうがいいと思って書きました。

※ 記事中の価格はすべて2026年8月時点のもので、資源エネルギー庁「石油製品価格調査」の全国平均(店頭現金小売価格・2026年8月3日調査)に基づきます。実際の店頭価格は地域と店舗で異なります。年別平均・価格差は同調査の週次ファイルから筆者が集計したものです。