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軽井沢の1月は、東京で入れた軽油の規格を下回っている|先に効くのは流動点ではなく目詰まり点

G400dの運転席まわり。軽油の号数と目詰まり点、軽井沢1月の日最低気温平年値-8.2℃ Car|車
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スタッドレスをいつ履くかという記事で、気象庁の平年値を8地点ぶん並べました。年に何度か東京から群馬・新潟・福島・長野のあたりへ出かけるので、行き先の気温を自分で引いたわけです。

そのとき見ていたのは路面の話でした。凍結と、雪が降った日数と、タイヤ。

ただ、あの表はもうひとつ別のものにも使えます。燃料です。

いま乗っているG400dは軽油で走ります。そして軽油には、JIS K 2204という規格で5つの種類があって、種類ごとに「どの温度まで大丈夫か」が違う。東京のスタンドで入れた1タンクが、行った先の気温に対して足りているのか——という問題が、タイヤとは別に存在するということです。

規格の表と、気象庁の表を並べてみました。結論を先に書くと、関東で冬に売られているはずの軽油は、軽井沢の1月の平年値を、規格の上では下回っています。

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号数は5つ。ただし表の中に1つだけ空欄がある

軽油のJIS規格は公開の資料で読めます。ENEOSの石油便覧が、JIS K 2204-2023 から抜粋した表を載せています。そこから低温に関わる2行だけを取り出すと、こうなります。

項目 特1号 1号 2号 3号 特3号
流動点(℃) +5以下 −2.5以下 −7.5以下 −20以下 −30以下
目詰まり点(℃) −(規定なし) −1以下 −5以下 −12以下 −19以下

出典: ENEOS 石油便覧 第2編第1章第5節 軽油(表2-1-5-1「軽油のJIS規格」)(2026年9月時点で確認)

目を引くのは特1号の目詰まり点が「−」になっているところです。5種類のうち1つだけ、この欄に数字がありません。特1号は夏用で、流動点が+5℃以下。つまり「5℃で流れなくなってもよい」という規格なので、その手前にある目詰まり点を決める意味がない、ということだと思います。

なお同じ表には引火点やセタン指数、動粘度なども並んでいます。そちらは号数の見え方を変えるので、次の節でまとめて出します。

号数で変わるのは9項目のうち6項目。しかも切れ目がそろっていない

この表、実は9項目あります。低温性状の2行だけ見ていると「号数=寒さ対応の等級」に見えますが、全部並べると少し違う絵になります。

項目 特1号 1号 2号 3号 特3号
引火点(℃) 50以上 50以上 50以上 45以上 45以上
蒸留性状90%留出温度(℃) 360以下 360以下 350以下 330以下※1 330以下
流動点(℃) +5以下 −2.5以下 −7.5以下 −20以下 −30以下
目詰まり点(℃) − −1以下 −5以下 −12以下 −19以下
10%残油の残留炭素分(質量%) 0.1以下(全種共通)
セタン指数※2 50以上 50以上 45以上 45以上 45以上
動粘度 30℃(mm²/s) 2.5以上 2.5以上 2.5以上 2.0以上 1.7以上
硫黄分(質量%) 0.0010以下(全種共通)
密度 15℃(g/cm³) 0.86以下(全種共通)

※1 動粘度(30℃)が4.7mm²/s以下の場合は350℃以下 / ※2 セタン指数はセタン価を用いることもできる。出典は前掲のENEOS 石油便覧・表2-1-5-1(2026年9月時点)。上表は同ページのHTMLの結合セル(colspan)を実際に読み取って号ごとに割り当てたものです。

号数で変わるのは6項目だけです。 残留炭素分(0.1以下)・硫黄分(0.0010以下)・密度(0.86以下)の3つは、特1号から特3号まで5種類すべて同じ値でした。ここは季節や地域で動かない部分ということになります。

そして気になったのが、変わる項目の「切れ目」の位置が、項目ごとにそろっていないことです。

  • 引火点は、2号と3号のあいだで落ちる(特1号・1号・2号が50℃以上、3号・特3号が45℃以上)
  • セタン指数は、1号と2号のあいだで落ちる(特1号・1号が50以上、2号からもう45以上)
  • 動粘度は2段階で下がる(特1号〜2号が2.5以上、3号が2.0以上、特3号が1.7以上)

つまり関東の冬用とされる2号は、引火点の下限は夏用と同じ50℃のままなのに、セタン指数の下限だけ先に45へ落ちているわけです。セタン指数は着火性の指標なので、「冬用にすると寒さに強くなる」だけの話ではない、ということになります。

動粘度のほうも意味があります。石油連盟が軽油の要求品質として5つ挙げているうちの5番目が、これです。

燃料噴射ポンプの摩耗防止に必要な適度な粘度と潤滑性を維持すること

特3号は動粘度の下限が1.7まで下がります。特1号の2.5と比べると、要求される下限が0.8ぶん低い。寒さに強い号数を選ぶというのは、この項目を1段ゆるめる側に動くことでもあります。

ここは弱点も書いておきます。上の値はすべて「規格の下限・上限」で、実際の製品がそのどこにいるかは分かりません。 「2号はセタン指数45」ではなく「45以上であればよい」という話なので、実物が50を超えていることは普通にあり得ます。手元に製品の分析値が無いので、そこは確かめられていません。

先に効くのは流動点ではなく、目詰まり点のほう

石油便覧の本文はこう書いています。

JIS規格(JIS K 2204)は、流動点の違いにより、特1号から特3号まで5種類に分類されている

分類の軸は流動点です。 ところが実際に走っていて先に当たるのは、もう一方の目詰まり点のほうになります。

理由は同じページに書かれています。軽油は温度が下がると中のパラフィン分が析出して、燃料フィルターの閉塞を起こす。つまり油全体が固まる前に、フィルターが先に詰まる。その詰まり始める温度が目詰まり点で、規格の数字を見ると流動点より必ず高い(=先に来る)側に置かれています。

ちなみに、石油連盟は軽油に求められる品質を5つ挙げています。低温の話はそのうちの4番目です。

# 要求される品質(石油連盟「軽油の品質」より)
① 適度な着火性があり、エンジン内で安定した燃焼が得られて異常騒音や白煙をださないこと
② 適度な蒸発性で、不完全燃焼物を出して排気ガスを悪化させないこと
③ 自動車排出ガス浄化装置の性能が維持できるとともに、排出ガス中の粒子状物質の一つである硫黄酸化物の排出も低減できること
④ 低温時に十分な流動性があり、燃料系統内で固まりにくいこと
⑤ 燃料噴射ポンプの摩耗防止に必要な適度な粘度と潤滑性を維持すること

出典: 石油連盟「軽油の品質」(2026年9月時点)

5つのうち1つが低温性状で、号数で変わるのはそこを中心とした部分です。①の着火性はセタン指数、⑤の粘度は動粘度に対応しているので、前の節で見た「号数で動く項目」はこの5つの上にきれいに乗ります。

さて、流動点と目詰まり点の差を出すとこうです。

号数 流動点 目詰まり点 差
1号 −2.5 −1 1.5℃
2号 −7.5 −5 2.5℃
3号 −20 −12 8℃
特3号 −30 −19 11℃

寒い号数になるほど差が開きます。特3号は流動点が−30℃なのに、目詰まり点は−19℃。11℃ぶん手前で先に来るわけです。「特3号は−30℃まで平気」という覚え方をすると、11℃ぶん楽観することになります。

間違えやすいのはここだと思います。号数を「流動点で決まっている」と読むのは規格のとおりで正しい。ところがそこから「じゃあ使える下限も流動点だ」と続けると、特3号なら11℃ぶんずれます。

軽井沢の1月は−8.2℃。2号の線は−5℃

では行き先の気温です。気象庁の平年値(統計期間1991〜2020年・資料年数30年)から日最低気温を取ると、こうなっています。

地点 12月 1月 2月
東京 3.8 1.2 2.1
新潟 2.4 0.1 −0.1
前橋 1.9 −0.5 0.0
福島 0.7 −1.5 −1.2
会津若松 −0.9 −3.4 −3.5
長野 −1.5 −3.9 −3.7
日光 −4.9 −7.9 −7.8
軽井沢 −5.3 −8.2 −8.0

出典: 気象庁「過去の気象データ検索 平年値(年・月ごとの値)」軽井沢/同・日光(地点ごとに prec_no と block_no を変えて取得。2026年9月時点)

石油便覧は「夏期は1号または特1号、冬期は2号(寒冷地は3号、特3号)」と書いています。関東で冬に入るのが2号だとすると、規格の線は目詰まり点−5℃以下・流動点−7.5℃以下。上の表と突き合わせると、

  • 軽井沢の1月(−8.2℃)は、目詰まり点も流動点も下回る
  • 日光の1月(−7.9℃)も、目詰まり点(−5)と流動点(−7.5)の両方を下回る
  • 軽井沢の12月(−5.3℃)は、すでに目詰まり点を割っている
  • 長野(−3.9)と会津若松(−3.4)は、目詰まり点の内側に収まる
  • 東京は1月でも1.2℃で、氷点下にならない

北海道の話ではありません。 東京から高速で2時間ほどの行楽地で、2号の線が切れています。軽油の号数の記事はだいたい「北海道は特3号」で終わるのですが、平年値を並べると関東のほうが先に引っかかる、という順番になります。

ひとつ正直に書いておくと、「関東で売られているのが2号」というのは、石油便覧の一般的な記述からの推定です。 特定のスタンドの表示を見て確認したわけではありません。ここは推定のままです。

観測史上最低は軽井沢で−21.0℃。特3号の線も下回る

平年値は平均なので、実際の夜はこれより下に振れます。同じ気象庁のページで「観測史上1位の値」を見ると、

地点 統計期間 日最低気温 1位 同 10位
軽井沢 1925年1月〜2026年9月 −21.0℃(1936年3月1日) −18.6℃(2012年2月3日)
日光 1944年1月〜2026年9月 −18.7℃(1984年3月15日) −15.6℃(1988年2月22日)

出典: 気象庁「観測史上1位の値」軽井沢/同・日光(2026年9月時点)

軽井沢の−21.0℃は、いちばん寒い特3号の目詰まり点(−19℃以下)すら下回ります。 3号(−12)なら9℃ぶん下です。

古い記録だから関係ない、という話でもありません。10位に入っている−18.6℃は2012年2月3日です。この日の値は3号の目詰まり点を6.6℃下回り、特3号の−19℃まで0.4℃しかありません。

もうひとつ、同じ表から。「日最低気温0℃未満寒候年間日数」の1位は軽井沢181日(1927寒候年)、日光171日(1996寒候年)。年の半分が氷点下になる土地です。

月の内訳もついでに見ておくと、軽井沢の上位10件は3月が2件(1位を含む)・1月が4件・2月が4件。日光は1位と2位がどちらも3月で、3月が3件・1月が3件・2月が4件でした。

平年値のほうを3月まで伸ばすと、軽井沢が−4.5℃、日光が−4.6℃。2号の目詰まり点(−5℃)のすぐ内側です。平年値だと3月はぎりぎり収まり、観測史上最低はその3月に出ている、という妙な形になります。

ここで「3月が危ない」と続けたいところですが、それは書けません。 3月に何号が売られているかの資料を、こちらは持っていないからです(次の節)。書けるのは「両地点の観測史上最低は、どちらも3月に記録されている」という事実まで。

では何月から何号なのか。その表は無料では出てこない

ここがいちばん知りたいところだと思います。実際、サジェストにも「軽油 冬用 いつから」「軽油 号数 地域」が並びます。

探しました。見つかりませんでした。

石油便覧には、こう書いてあります。

JIS K 2204(解説)には、低温特性の観点からみた軽油のガイドラインが示されている

つまり地域と月の対応表は規格票の「解説」の中にあるらしい。ところがその解説の中身は、無料で公開されている範囲には出てきません。

石油連盟のページも当たりました。全文を機械で読み直しましたが、号数ごとの表は載っていません。 書かれているのはここまでです。

ディーゼル車の燃料用の場合、地域や季節により低温時の流動性能の異なる軽油が販売されています。そのため、寒い時期に暖かい地域から寒冷地域に移動した場合、現地で販売されている軽油を給油しないと、エンジンが停止するなどのトラブルが発生する可能性があります

出典: 石油連盟「軽油の品質」(2026年9月時点で全文を確認)

業界団体が公式に出している対処法は、「現地で給油する」の一点です。 号数を選べとも、添加剤を入れろとも書いていません。

検索すると「〇月から2号に切り替わる」と具体的に書いている記事はあります。ただ、その根拠まで辿れたものはありませんでした。なのでこの記事は「いつから」に答えません。 答えられる資料を持っていない、というのが正直なところです。

メルセデスの公式シートに、凍結防止の添加剤は載っていない

「軽油 凍結」で出てくるサジェストは12件あって、そのうち8件が凍結防止剤の話です。デメリット、成分、おすすめ、ホームセンター、オートバックス——需要はほぼここに集まっています。

メーカー側が何と言っているかを見ました。メルセデス・ベンツは作動油・燃料の仕様シートを公開していて、燃料(Kraftstoff)のカテゴリーにあるのは2枚だけです。

シート番号 公式タイトル 中身
138.9 Fuel Additives 全1,264字。挙がっている添加剤は1種類だけ
138.5 Compatibility with new fuels 欧州でのXTL・B10・HVO100の話

出典: Mercedes-Benz Operating Fluids シート138.9「Fuel Additives」/同 シート138.5(2026年9月時点)

138.9 に載っている唯一の添加剤は 138.91 Diesel Fuel Guard で、用途は劣化(酸化と生物的な増殖)対策。使う場面として書かれているのは「For longer periods of inactivity」=長く動かさないときです。

低温流動性のための添加剤は、このシートに1件も載っていません。

シート本文の書きぶりもそれなりに慎重です。

  • 「In many markets, the fuels are already optimally adjusted by the manufacturers with suitable additives for automotive use.」(多くの市場では、燃料はすでにメーカー側で適切に調整されている)
  • 「Most additives have narrow concentration limits … An overdose can quickly cause problems, so the dosage instructions of the manufacturers must be strictly adhered.」(濃度の許容幅は狭く、入れすぎるとすぐ問題になる)
  • 「We recommend consulting an educated workshop before using additives.」(添加剤を使う前に、知識のある工場に相談することを推奨する)

はっきりさせておくと、これは「使ってはいけない」という記述ではありません。 禁止の記述はどこにも見つけていません。シートに載っていないという事実だけです。ただ、こちらが読める公式の資料に無効・有効どちらの根拠も無い状態で、「これを入れれば凍らない」と書くことはできないな、と思っています。

もう1枚のシート(138.5)は、日本の話をしていない

燃料カテゴリーのもう1枚、138.5 は新しい燃料との互換性についての文書です。中身は欧州向けで、2020年末以降メルセデス・ベンツのディーゼル乗用車はXTLとB10の使用が承認された、という内容。HVO100(EN15940)にも触れています。

ただ、この文書に JIS という語は1件も出てきません。EN 590 も出てきません。日本のスタンドで何が買えるかという話は、ここからは読み取れないということです。日本でHVO100が買える、という書き方はしません。 販売の実態を示す資料を持っていないので。

競合として上位に出てくる記事も、ひととおり読みました。号数と流動点の対応表まではどこも書いています。ただ目詰まり点まで踏み込んでいるものは少数で、大半は「流動点=使える下限」という並べ方でした。そして行き先の実際の気温と突き合わせたものは見つかりませんでした。だいたい「北海道は特3号」で終わっています。

私がやっているのは、行き先の気温を先に見ることだけ

走っているのはほぼ都内です。ということは、タンクに入っているのは基本的に都内で売られている軽油ということになります。そしてスタッドレスの記事で書いた遠征は、C43に乗っていたころの話です。 いまは軽油の車なので、同じ行き先に対して、タイヤとは別の条件がひとつ増えたことになります。

やれることはそんなに多くありません。石油連盟の言い方に従えば現地で給油する、それだけです。

ただ、ここには自分でも引っかかっているところが2つあります。

ひとつめ。G400dの直近の給油は89.25Lで12,941円でした(2026年8月時点)。タンクがこれだけ大きいと、現地で入れたぶんは東京の燃料と混ざることになります。混ざったあとの性状がどうなるかは、こちらでは測っていません。だから「現地で入れれば解決」と言い切れるほどの自信はありません。

ふたつめは、もっと単純な話です。燃費の記事で、満タンで走れるのは600km〜900km前後(街乗り中心で600km、高速を多く使うと900km)と書きました。そこには「900km出る回なら、東京から離れた場所へ行って帰ってくる行程も無給油で収まります」とも書いています。

これは航続距離としては気持ちがいいのに、燃料の号数の話では逆を向きます。 現地で給油する必要がないほど走れてしまうので、東京で入れた1タンクのまま行って帰ってくることになる。石油連盟が挙げている唯一の対処が「現地で給油する」なのだとしたら、タンクが大きいことは、この1点だけは不利ということになります。

燃費の記事で長所として書いたものが、そのまま短所の側に出てくる。あまり気持ちのいい発見ではないな、と思っています。

規格の数字と比べられるのは日最低気温、つまり夜中から明け方の値です。平年値は平均なので、自分が行く日にいくらになるかは現地で見るしかありません。最低値を記録しておけるタイプの温度計なら、寝ているあいだの底が残ります。

最高最低温度計(記録付きの温度計)

行った先の朝の気温を数字で残すなら道具はこうなる、という紹介です。使用感のレビューではありません。底値が残れば、規格の線(2号なら目詰まり点−5℃)と並べて見られます。

ディーゼルという選択そのもののコスト側は、別にまとめています。

軽油そのものの単価がハイオクとどこまで近づいたかは、こちらです。

この記事で確かめていないこと

数字を並べた記事なので、どこまでが確認済みでどこからが推定なのかを分けておきます。

1. 規格値は「下限の要求」です。 2号の目詰まり点は「−5以下」であって「−5」ではありません。実際の製品はこれより良いことがあります。製品の実測値は持っていません

2. スタンドの号数表示を見ていません。 「関東は2号」は石油便覧の一般記述からの推定です

3. 地域別・月別の切替時期の資料を持っていません。 だから「何月から何号」は書いていません

4. 「目詰まり点を下回ったら必ず止まる」とは書いていません。 規格値と実際の挙動は別の話です

5. 観測史上の値は一度記録された値で、毎年来る数字ではありません。平年値との差は10℃以上あります

6. 灯油を混ぜる話は扱っていません。 サジェストには出ますが、一次の資料を取っていないので触れていません

7. 車両側の指定を確認していません。 メーカーが号数について何を指定しているかは、燃料添加剤のシート(138.9)と新燃料のシート(138.5)の2枚しか見ていません。取扱説明書や整備要領の記載までは当たっていないので、車側の条件はこの記事に入っていません

8. スタンドごとの在庫・切替の運用も見ていません。 同じ地域でも系列や店で違う可能性は残ります

同じ行き先の規制側(チェーン規制)は、別の記事にまとめてあります。

よくある質問

冬用の軽油と夏用の軽油は、何が違うのですか

低温での性状です。JIS K 2204 では流動点の違いで特1号・1号・2号・3号・特3号の5種類に分かれ、流動点は+5℃以下(特1号)から−30℃以下(特3号)まで。石油便覧は「夏期は1号または特1号、冬期は2号(寒冷地は3号、特3号)」と書いています。セタン指数や引火点も号によって違いますが、分類の軸は流動点です。

給油するとき、号数は自分で選べるのですか

こちらでスタンドの表示を確認していないので、選べるかどうかは書けません。石油連盟が公式に書いている対処は「寒冷地域では現地で販売されている軽油を給油する」ことで、号数を指定する話にはなっていません。地域と季節に応じたものが売られている、という前提の書き方です。

目詰まり点と流動点は、どちらを見ればいいですか

低温の限界という意味では目詰まり点のほうが先に来ます。流動点より高い温度に設定されていて、その差は2号で2.5℃、3号で8℃、特3号で11℃です。パラフィン分が析出して燃料フィルターが詰まるのが目詰まり点、油が流れなくなるのが流動点、という順番になります。

凍結防止の添加剤は、入れたほうがいいですか

こちらからは推奨も否定もできません。メルセデス・ベンツの燃料添加剤シート(138.9)に載っている添加剤は劣化対策の1種類だけで、低温流動性のための添加剤は載っていません。同シートは「濃度の許容幅は狭く、入れすぎるとすぐ問題になる」「添加剤を使う前に知識のある工場に相談することを推奨する」とも書いています。車種ごとの指定があるはずなので、そちらを確認してください。

軽井沢や日光へ行くときは、何を入れておけばいいですか

号数を指定して買えるかどうかを確認できていないので、具体的な指示は書けません。石油連盟が書いている対処は「現地で販売されている軽油を給油する」ことだけです。数字のうえでの目安としては、軽井沢の1月は日最低気温の平年値が−8.2℃で、2号の流動点(−7.5℃以下)も目詰まり点(−5℃以下)も下回ります。3号なら目詰まり点が−12℃以下なので、平年値には余裕があります。ただしこれは規格の下限同士を比べた話で、実際の製品や車両側の条件までは含んでいません。

同じ「東京で入れたものが行き先で足りるか」という話は、ウォッシャー液にもあります。ただしこちらは行き先ではなく、ボトルの数字の読み方のほうが問題でした。

まとめ

  • 軽油はJIS K 2204で5種類。分類の軸は流動点だが、先に当たるのは目詰まり点
  • 差は2号で2.5℃、特3号では11℃。「特3号は−30℃まで」と覚えると11℃ぶん楽観する
  • 関東で冬に入る2号の線は目詰まり点−5℃以下・流動点−7.5℃以下(号数は推定)
  • 軽井沢の1月は平年値−8.2℃、日光は−7.9℃で、どちらも両方の線を下回る。軽井沢の12月(−5.3℃)はすでに目詰まり点の外
  • 観測史上最低は軽井沢−21.0℃で、特3号の目詰まり点(−19℃)すら下回る。10位の−18.6℃は2012年
  • 「何月から何号」は答えられなかった。対応表は規格票の解説の中にあり、無料で読める範囲に出てこない
  • 業界団体が書いている対処は「現地で給油する」の一点

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