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ポジションランプの車検基準に、ケルビンもルーメンも書かれていなかった

夜の都心で尾灯を点灯させたMercedes-AMG C43。車幅灯は尾灯・番号灯と同時に点灯する構造が求められている Car|車
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ポジションランプを替えようとして明るさを調べると、「何ルーメンまで」「何ケルビンなら白色扱い」という話が出てきます。上位5本を落として数えたら、4本がケルビンを書いていて、いちばん多いものは6回出てきました。

それで、根拠になっている告示のほうを全文で数えてみました。

ケルビン0件。ルーメン0件。カンデラ0件。「cd」も「色温度」も0件です。

基準が明るさとして書いているのは、まったく別の単位でした。

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明るさとして書いてあるのは、ワット数と300mだった

車幅灯(=ポジションランプ、スモールランプ)の中身を決めているのは、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の第201条です。使用過程車、つまり普通に乗っている車に当たる条文がここになります。

第1項第1号を、そのまま引きます。

車幅灯は、夜間にその前方300mの距離から点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。この場合において、その光源が5W以上で照明部の大きさが15cm2以上(平成18年1月1日以降に製作された自動車に備える車幅灯にあっては、光源が5W以上30W以下で照明部の大きさが15cm2以上)であり、かつ、その機能が正常な車幅灯は、この基準に適合するものとする。

出典: 国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第201条(2025年6月17日版・2026年9月時点)

出てくる数字は3つです。300m5W以上30W以下15cm2以上

2006年1月1日で線が引かれていて、それ以前に作られた車には上限の30Wがありません。下限の5Wだけです。純正のポジション球によく使われるW5Wという規格は、名前のとおり5W。つまり下限ちょうどのところに純正が置かれています。

ここで正直に書いておくと、この条文には弱点というか、読んでも分からない部分があります。「白色」を何で判定するのかが書いていないんです。色度座標のような数値は、第201条にも後で出てくる審査事務規程にも見当たりませんでした。だから「何ケルビンまでなら白色」という問いに、条文の側から答えは出せません。

出せないものを出せるように書いてある記事は、たぶん条文以外のどこかを見ています。

替えるなら、条文が見ているのはワット数のほう

球を交換する場合、告示が名指ししているのは色と、光源のワット数と、照明部の大きさです。ルーメンでもケルビンでもありません。商品ページで最初に見るべきなのはそこ、ということになります。

T10(W5W)ポジションランプ用バルブ

※ 車種・年式によって適合する規格が異なります。「車検対応」という表示が基準への適合を保証するものではないため、適合はご自身で確認してください(2026年9月時点)。

なお最近の車は、ポジションランプがヘッドライトユニットの中にLEDとして組み込まれていて、球だけ抜くという構造になっていないものがあります。その場合は第201条第2項が効いて、指定自動車等に備えられているものと同一の構造であれば基準に適合するものとして扱われます。触らないなら考えなくていい、ということです。

色は白。ただし橙が許される条件が、条文に書いてある

第1項第2号です。

車幅灯の灯光の色は、白色であること。ただし、方向指示器、非常点滅表示灯又は側方灯と構造上一体となっているもの又は兼用のもの及び二輪自動車、側車付二輪自動車並びにカタピラ及びそりを有する軽自動車に備えるものにあっては、橙色であってもよい。

出典: 同 第201条第1項第2号

橙色が認められるのは「ウインカーやハザードと構造上一体、または兼用になっている場合」と、二輪などです。逆に言うと、四輪でウインカーと独立しているポジションランプが橙色をしていたら、そこは白色の側の話になります。

サジェストに「スモールランプ 青 車検」「ポジションランプ 車検 青」が出てくるので触れておくと、青は条文が挙げている色に入っていません。白色でも橙色でもないからです。

ただ、ここも断定を避けます。「青みが強いLEDは落ちる」と言い切れるだけの数値が、条文の側に無いからです。白色から外れるかどうかを決める境界が書かれていない以上、私が書けるのは「条文は白色と書いている」というところまでです。

いつ点灯するかという話は、オートライトの義務化のほうで整理しています。

個数は2個か4個。3個という選択肢が無い

取付側の基準は第3項です。ここが、読んだ記事でいちばん抜けていた部分でした。上位5本を数えたところ、「2個又は4個」も「2,100」も「250mm」も「15cm」も、5本すべてで0件です。サジェストには「個数」「位置」「高さ」が出ているのに、数字を書いている記事がありませんでした。

項目 基準(四輪の場合)
2個又は4個 第3項第1号
照明部の上縁の高さ 地上2.1m以下 第3項第2号
照明部の下縁の高さ 地上0.25m以上 第3項第2号
照明部の最外縁 自動車の最外側から400mm以内 第3項第4号
左右の位置 車両中心面に対して対称 第3項第5号
点滅 点滅するものでないこと 第3項第9号

出典: 国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第201条第3項(2026年9月時点)

「2個又は4個」という書き方が面白くて、3個が入っていません。左右対称という条件が別に付いているので、そもそも3個にすると対称になりません。

もうひとつ、第3項第8号にこう書いてあります。

車幅灯は、尾灯、前部上側端灯、後部上側端灯、側方灯及び番号灯と同時に点灯及び消灯できる構造でなければならない。

出典: 同 第201条第3項第8号

前のポジションランプと、後ろのナンバー灯・テールランプが連動している理由が、ここに書かれています。片方だけ点く配線にすると、この号から外れます。番号灯のほうの基準は別に整理しました。

車検(第8章)に残っているのは、3つだけだった

ここからが本題です。ここまで挙げた基準は、全部が車検で見られているわけではありません

自動車技術総合機構の審査事務規程 7-74・8-74「車幅灯」は、9ページのうち左半分が第7章(新規検査・予備検査・継続検査・構造等変更検査)、右半分が第8章(改造等による変更のない使用過程車)という2段組みになっています。改造していない車をそのまま車検に出すと、当たるのは右側です。

性能要件を並べると、こうなります。

7-74-2(新規検査等) 8-74-2(使用過程車)
① 前方300mから点灯を確認できる/光源5W以上30W以下・照明部15cm2以上 ① 照射光線が他の交通を妨げないこと
② 灯光の色は白色(兼用等は橙色可) ② 灯光の色は白色(兼用等は橙色可)
③ 見通し角度(上方15°・下方15°・内側45°・外側80°) 該当なし
④ 灯器の損傷・レンズ面の著しい汚損がないこと ③ 灯器の損傷・レンズ面の著しい汚損がないこと

出典: 独立行政法人自動車技術総合機構 審査事務規程 7-74,8-74 車幅灯(最終改正:第64次)(2026年9月時点)

4つが3つになっています。 そして消えているのが、よりによって300mと5W〜30Wと15cm2、つまり最初に見た「明るさ」の数字が丸ごとです。

取付要件のほうも同じことが起きていて、7-74-3が①〜⑭あるのに対して、8-74-3は①〜⑫です。落ちているのは次の3つでした。

  • 照明部の上縁の高さ 地上2,100mm以下(8側は下縁250mm以上だけが残っている)
  • 照明部の最外縁が自動車の最外側から400mm以内
  • 側車付二輪の照明部中心 地上2,000mm以下

ここで弱点も書いておきます。規程に「残っていない」ことと、検査の現場で誰も見ないことは、別の話です。 8-74-2は「視認等による審査」と書かれていて、測定器具の指定がありません。検査員が目で見ておかしいと思えば止まる余地はあります。私が言えるのは、規程の文面上はこの3つになっている、というところまでです。

300cdは、車幅灯の条には書かれていない

読んだ5本のうち3本が「光度は300cd以下」と書いていました。これは結論としては合っています。ただ、その300cdは第201条には1件も出てきません。冒頭で数えたとおり、cdという文字自体が0件です。

出どころは別の条で、審査事務規程 8-96「その他の灯火等の制限」の(11)です。

自動車に備える灯火は、次に掲げる灯火を除き、光度が300cd以下のものでなければならない。

出典: 審査事務規程 7-96,8-96 その他の灯火等の制限(最終改正:第74次)(2026年9月時点)

「次に掲げる灯火を除き」の除外リストは①〜㉞まであります。前照灯、前部霧灯、昼間走行灯、番号灯、制動灯、後退灯、方向指示器……と並んでいて、この34項目を全部数えても、車幅灯は入っていません。除外されない、つまり300cdの上限がかかる側です。

ややこしいのはその隣で、㉝に尾灯が入っています。ところが同じページの適用関係にこう書いてあります。

平成18年1月1日以降に製作された自動車については、㉝及び㉞は適用しない。

2006年1月1日以降の車は、尾灯も除外から外れます。除外リストは、リストを読むだけでは足りなくて、年式で読み替えが要るという作りです。300cdという上限がなぜそこにあるのかという仕組みそのものは、昼間走行灯の記事で先に整理してあります。

私の車で言えること、言えないこと

自分の話も書いておきます。

私がこれまで乗ってきたのは2台とも正規ディーラーで買った個体で、日本仕様として入ってきた車です。そのぶん灯火まわりの条文で困った経験がなく、この記事も自分の失敗談から書けるたぐいのものではありません。

面白いなと思ったのが、さっき出てきた上縁2,100mm以下という数字でした。

G400dの全高は、カタログ上1,975mmです。AMGラインを履いている私の車だと全幅が1,985mmになりますが、全高はグレードによらず1,975mmで共通です。乗用車で2,100mmという数字が現実味を持つ車って、そんなに多くありません。その数字が、車検の側では審査項目から落ちている。

ただし、ここは慎重に書きます。全高と、車幅灯の照明部の上縁の高さは別物です。そして私はそれを測っていません。 ヘッドライトの記事のときも同じ留保を書きましたが、車体のてっぺんの高さと、灯火の光っている部分の上端の高さは、当たり前ですが違います。1,975mmだから2,100mmに収まっている、という書き方はできません。

車検の請求書のほうも同じです。C43の初回車検をヤナセに出したときの請求は「MB2年点検A 47,916円」と「車検費用 79,750円」の2行だけでした。車幅灯を何で見たのかは、当然ながら1文字も書かれていません。この2行が何でできているかは、別記事で分解しています。

書いていないことも、はっきりさせておきます。私は自分の車のポジションランプが何Wなのか、何個なのかを数えていません。球を替えた人がどこで引っかかるかも、実体験として語れる材料を持っていません。ここで書けたのは、条文に何が書いてあって、車検の章に何が残っているか、という話だけです。

結局どこを見ればいいのか

条文を追った結果を、短くまとめます。

  • 明るさの単位はワット数。5W以上30W以下(2006年1月1日以降に製作された車)
  • 色は白色。ウインカー等と一体・兼用なら橙色も可
  • 数は2個又は4個、左右対称、点滅しない
  • 尾灯・番号灯と同時に点灯・消灯する構造であること
  • 光度の上限300cdは、車幅灯自身の条ではなく「その他の灯火等の制限」から来ている
  • 改造していない車の車検で規程上残っている性能要件は、色・損傷/汚損・他の交通を妨げないことの3つ

ケルビンとルーメンは、この一覧のどこにも出てきません。商品を選ぶときの目安としては役に立つ数字かもしれませんが、車検に通るかどうかを決めている単位ではない、というのが全文を数えた結論です。

なお細目告示には、新規検査等に当たる第123条と、使用過程車に当たる第201条の2本があります。並べて機械で比較したところ、参照している条番号の違いを除けばほぼ同じ本文でした。違いは、第201条にだけ被牽引自動車についての読み替えが1文多いことだけです。どちらを引いても中身は変わらない、と言ってしまってよさそうでした。

装備そのものが義務かどうかは、道路運送車両の保安基準の第34条第1項に「前面の両側には、車幅灯を備えなければならない」とあります。備えることができると書かれている昼間走行灯とは、そこが違います。条文の対応関係は国土交通省の対応表で確認できます。

よくある質問

ポジションランプは何ケルビンまで車検に通りますか

ケルビンで決まる基準はありません。細目告示第201条にも審査事務規程 7-74・8-74 にも、色温度の規定は出てきません。条文が書いているのは「灯光の色は、白色であること」までです。何ケルビン以下なら通るという数値は、条文の側からは出せません。

ポジションランプは何ルーメンまでですか

ルーメンの規定もありません。第201条が明るさとして挙げているのは、前方300mから点灯を確認できること、光源が5W以上30W以下(2006年1月1日以降に製作された自動車)、照明部の大きさが15cm2以上の3つです。別に「その他の灯火等の制限」で光度300cd以下という上限がかかりますが、これはカンデラであってルーメンではありません。

ポジションランプは何個必要ですか

二輪以外は2個又は4個です(細目告示第201条第3項第1号)。3個は基準に入っていません。あわせて車両中心面に対して左右対称に取り付けることも求められています。

青いポジションランプは車検に通りますか

条文が挙げている色は白色と、条件付きの橙色だけで、青は入っていません。ただし白色かどうかを判定する数値(色度の範囲など)は条文に書かれていないため、「どこから青とみなされるか」の線引きまではこちらでは示せません。

車検でポジションランプの何を見られますか

改造等による変更のない使用過程車の場合、審査事務規程 8-74-2 に残っている性能要件は、①照射光線が他の交通を妨げないこと ②灯光の色が白色(兼用等は橙色可)であること ③灯器が損傷し、又はレンズ面が著しく汚損しているものでないこと、の3つです。新規検査側にある300mや5W〜30Wは、この列挙には入っていません。ただし規程に列挙が無いことと、現場で一切見られないことは別の話です。

ポジションランプとスモールランプと車幅灯は同じものですか

法令上の名称が「車幅灯」で、ポジションランプ・スモールランプは通称です。保安基準第34条、細目告示第201条、審査事務規程 7-74・8-74 は、いずれも車幅灯という語で書かれています。

※ 本記事は2026年9月時点の細目告示(2025年6月17日版)および審査事務規程(7-74・8-74 は第64次改正、7-96・8-96 は第74次改正)に基づいています。基準は改正されることがあるため、実際の判断は一次資料および検査を受ける事業者にご確認ください。

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