2023年8月からG400dに乗っています。走っているのはほぼ都内です。
Gクラスのサイズを検索する人が本当に知りたいのは、4,660という全長ではないと思います。いつも停めているあの駐車場に入るのか、そこだけのはずです。なので、その順番で書きます。
先に断っておくと、この記事で出せるのは数字の突き合わせまでです。「機械式で断られた」「係員に止められた」といった現場の武勇伝は書きません。できるのは、カタログ値と駐車場側の公表値を並べて、どの数字でどこが引っかかるのかをはっきりさせるところまでです。
私の個体の数字を先に置きます
2021年5月発売のG400d、AMGライン、ディーゼルターボ、4WD。数字はこうです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 全長 | 4,660 mm |
| 全幅 | 1,985 mm |
| 全高 | 1,975 mm |
| ホイールベース | 2,890 mm |
| 車両重量 | 2,520 kg |
| 最小回転半径 | 6.3 m |
出典: カーセンサーエッジ「Gクラス G400d AMGライン ディーゼルターボ 4WD(21年05月-24年06月)」(2026年8月時点)。メルセデス・ベンツ日本の公式サイトは外部から参照できない状態のため、カタログ値はこちらを出典にしています。
この4つのうち、都心の駐車場で効いてくるのは全幅・全高・車両重量の3つです。全長4,660mmは、実は都心ではほとんど問題になりません。5m制限の駐車場が多いなかで、Gクラスは意外と短い。ここは拍子抜けするところです。
一点だけ先に断っておくと、上の数字はカタログ値です。年式やホイールのサイズ変更で変わる部分があるので、自分の車で判断するときは車検証を見てください。車検証には全長・全幅・全高と車両重量が書かれています。
素のG400dとAMGラインは、全幅が55mm違う
ここが一番の落とし穴だと思っています。
| 項目 | G400d(素) | G400d AMGライン |
|---|---|---|
| 全長 | 4,660 mm | 4,660 mm |
| 全幅 | 1,930 mm | 1,985 mm |
| 全高 | 1,975 mm | 1,975 mm |
| 車両重量 | 2,490 kg | 2,520 kg |
| 最小回転半径 | 6.3 m | 6.3 m |
| 新車価格 | 12,890,000 円 | 13,296,000 円(税込) |
出典: 素のG400dはMOTOR FAN「メルセデス・ベンツ Gクラス G400d(2021年5月)」、AMGラインは前掲のカーセンサーエッジ(いずれも2026年8月時点)。
差は全幅55mmと車重30kg。 全高は同じです。
つまり「Gクラスの全幅は1,930mm」と書いてある記事を読んで、それを自分の車の数字だと思い込んでいると、1,950mm制限の駐車場で計算が狂います。1,930なら通る、1,985なら通らない。そのあいだに線を引いている駐車場は実際にあります。
逆に言うと、高さ制限の話をしているときはAMGラインかどうかは関係ありません。どちらも1,975mmです。ここを混ぜて語っている記事が多いので、分けて考えたほうがいいです。
このサイトの別記事でも「現行Gクラスの公表値は1,930mm」と書いたのですが、あれは素の仕様の話でした。AMGラインを履いている私の車は1,985mmです。
法律が決めているのは、自走式の最低ラインだけ
ここからは駐車場側の話です。
まず知っておくと整理が早いのが、「駐車場にはこういうサイズの車が入れるように作れ」という法律は存在しないということです。あるのは「駐車場をこういう構造で作れ」という基準のほうで、しかもすべての駐車場にかかるわけではありません。
駐車場法第11条は、技術的基準がかかる対象をこう限定しています。
路外駐車場で自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものの構造及び設備は、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)その他の法令の規定の適用がある場合においてはそれらの法令の規定によるほか、政令で定める技術的基準によらなければならない。
500平方メートル以上。 これがひとつめの線です。街角の小さいコインパーキングは、この基準の外にいます。
そのうえで、駐車場法施行令第8条が車路について定めている数字が、外車乗りには効いてきます。
| 項目 | 基準 | G400dは |
|---|---|---|
| 建築物である路外駐車場の車路のはり下の高さ | 2.3 m 以上 | 全高1,975mm。325mmの余裕 |
| 車路の屈曲部 | 自動車を内法半径5m以上で回転させられる構造 | 最小回転半径6.3m(後述) |
| 車路の幅員(対面通行) | 5.5 m 以上 | 全幅1,985mm |
| 車路の幅員(一方通行) | 3.5 m 以上 | 同上 |
| 傾斜部の縦断勾配 | 17% を超えないこと | — |
出典: e-Gov法令検索「駐車場法施行令」第8条(2026年8月時点)。数値は条文の記載どおりです。
自走式に限れば、G400dは法令の最低ラインに対してはかなり余裕があるという結論になります。全高1,975mmで、はり下の最低が2.3m。ここで落ちることは基本的にありません。
ただし気になる点もあります。2.3mというのは「はり下」であって、天井から下がっているものの高さではありません。 実際の駐車場では、はりの下にスプリンクラー配管やダクト、案内標識が下がっています。入口の看板に「2.1m」と書いてあれば、それが本当の制限です。法令の数字は「そこまで低くは作られていないはず」という安心材料であって、現場の数字ではない。
機械式には、寸法の法定基準が無い
自走式と違って、機械式駐車場の受け入れサイズには根拠になる法令がありません。
機械式駐車装置については(公社)立体駐車場工業会が認証基準を出していますが、確認したところ安全機能についての基準であって、収容できる車両の寸法区分を定めたものではありませんでした。
つまり、よく見かける「機械式の標準は全幅1,850mm・全高1,550mm」という説明は、業界の慣行や過去の設計を要約したものであって、法令ではありません。だから施設ごとに違うし、新しい施設ほど大きい車に対応しています。ここを「標準はこうだから」で片づけると判断を間違えます。
実例として、東京ミッドタウンの公式ページには制限がこう書かれています。
| 方式 | 車高制限 | G400d(1,975mm)は |
|---|---|---|
| 自走式 | 2,300 mm | 通る |
| 機械式 平面往復式(普通車) | 1,550 mm | 通らない |
| 機械式 平面往復式(ハイルーフ) | 2,050 mm | 高さは通る |
出典: 東京ミッドタウン公式「車でお越しの方へ・駐車場」(2026年8月時点。料金は400円/30分、年中無休24時間営業と記載)。
自走式の2,300mmが、さきほどの施行令の「はり下2.3m以上」とぴったり同じ数字なのが分かると思います。自走式の高さ制限は、だいたいこの法令の最低ラインに張り付いています。
問題はハイルーフの機械式のほうです。高さ2,050mmは通るのに、全幅と車両重量が公表されていません。 ここが実務上いちばん困るところで、「高さは大丈夫そうだ」と思って行くと、幅か重量で止められる可能性が残ります。
幅と高さが通っても、重量で落ちることがある
G400d AMGラインの車両重量は2,520kgです。
この数字は、駐車場を選ぶときの3つめの関門になります。そして厄介なことに、重量を公表している駐車場は多くありません。上の東京ミッドタウンも、公式ページに載っているのは車高だけでした。
森ビル系の施設のように、駐車場ごとに全長・全幅・全高・地上最低高・重量まで公表しているところもあります。六本木・虎ノ門・麻布台あたりに車で行くなら、施設別の実際の数字は別記事に一覧でまとめてあるので、そちらを見てください。あわせて書いておくと、都心で本当にストレスなのは「入るかどうか」よりも「空いているかどうか」でした。六本木は週末に満車で流すことが普通にあります。駐車場の予約についても同じ記事で触れています。
重量が公表されていない機械式に入れたいなら、電話で聞くしかありません。「2.5トンあるのですが入りますか」と聞けば5秒で終わる話です。入れてから止められるより、はるかに安い。
最小回転半径6.3mが効くのは、駐車枠ではなくスロープ
最後に最小回転半径です。G400dは6.3m。
数字だけ見ると大きく感じますが、まずこの数字が何を指しているかを確認しておきます。独立行政法人自動車技術総合機構の審査事務規程では、最小回転半径をこう定義しています。
かじ取装置を右又は左に最大に操作して低速で旋回させた場合の外側タイヤの接地部中心の軌跡の最大半径
大事なのは「外側タイヤの接地部中心」というところです。つまり6.3mというのはタイヤが描く円であって、ボディの前の角やドアミラーは、それより外側を通ります。カタログの6.3mより実際に必要な空間は広い、と思っておいたほうがいい。
ちなみに同じ規程には、最小回転半径は最外側のわだちについて12m以下でなければならないという保安基準の要件も書かれています。6.3mは法律の上限の半分ちょっとで、規格外に大きいわけではありません。「Gクラスは曲がらない」というのは、数字で見るとやや言いすぎです。
では6.3mはどこで効くのか。駐車枠に入れる瞬間ではなく、そこへ行くまでの車路です。 さきほどの施行令が屈曲部に「内法半径5m以上」を求めているのは、まさにこの部分の話で、立体駐車場のスロープや折り返しが一番きついポイントになります。切り返しが1回で済むか3回必要かは、枠の広さより車路の曲がりで決まります。
そしてもうひとつ、全幅1,985mmで枠に入れるときに実際に起きるのは、隣の車との距離が無くなることです。
自治体の附置義務条例では、乗用車の駐車ますの大きさが決められています。たとえば横浜市駐車場条例第11条第1項は「駐車台数1台につき幅2.3メートル以上、奥行5メートル以上」と定めています。この最低限の幅の枠に1,985mmの車を真ん中に停めると、左右に残るのは15cmちょっとずつです。ドアを開けるのに気を使う幅、と言ったほうが早いかもしれません。
この手の対策で定番なのは、ドアの縁に貼るプロテクターです。私は付けていませんが、幅のある車に乗っていて青空駐車場やコインパーキングを使う機会が多いなら、検討する価値はあると思います。
車幅感覚そのものが不安なら、後付けのコーナーセンサーという手もあります。純正のパーキングセンサーが付いていない年式や、輸入車で日本仕様の警告が物足りないと感じる場合に選ばれているものです。こちらも私は使っていないので、「そういう選択肢がある」という紹介にとどめます。
行く前に見る順番
ここまでの内容を、実際に使う順に並べ直します。
1. 自分の車の数字を車検証で確定させる(AMGラインなら全幅1,985mm・車重2,520kg)
2. 自走式か機械式かを先に見る。自走式なら高さで落ちることはほぼない
3. 機械式なら、全高・全幅・重量の3つが揃って公表されているかを見る。1つでも欠けていたら電話で聞く
4. 入口の看板の数字を優先する。法令の2.3mではなく、看板に書かれた高さが本当の制限
同じG400dの実燃費(満タンで何L入って何km走るか)と、Gクラスの保証・維持費については別に書いています。
前に乗っていたAMG C43のサイズ感との違いについては、そちらの記事に維持費と一緒にまとめてあります。
よくある質問
G400dの全幅は1,930mmですか、1,985mmですか
グレードによります。素のG400dが1,930mm、AMGラインが1,985mmで、差は55mmです。車両重量も2,490kgと2,520kgで30kg違います。全長4,660mm・全高1,975mm・最小回転半径6.3mは共通です。自分の車がどちらかは車検証で確認できます。
G400dは機械式駐車場に入りますか
施設によります。 機械式駐車装置の収容サイズには法令の基準が無く、施設ごとに個別に決められているためです。全高1,975mmは、いわゆる標準仕様(1,550mm)では通りませんが、ハイルーフ仕様(例: 東京ミッドタウンは2,050mm)なら高さは収まります。ただし全幅1,985mmと車両重量2,520kgの2つも同時に満たす必要があるので、事前に施設へ確認してください。
自走式の立体駐車場なら大丈夫ですか
高さについてはかなり安全側です。駐車場法施行令第8条が、建築物である路外駐車場の車路のはり下を2.3m以上と定めているためで、全高1,975mmには325mmの余裕があります。ただしこの基準がかかるのは駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上の路外駐車場に限られます。小規模な駐車場は対象外なので、入口の表示を必ず見てください。
最小回転半径6.3mは大きいほうですか
保安基準では最小回転半径を12m以下と定めているので、法律上の上限に対しては半分程度です。ただし6.3mは「外側タイヤの接地部中心の軌跡」の数字で、ボディの角やドアミラーはそれより外側を通ります。カタログ値より広いスペースが要る、と考えておくのが安全です。
全長4,660mmは長いほうですか
Gクラスの見た目からすると意外に思われますが、都心の駐車場では全長が問題になることはほとんどありません。5m制限の駐車場が多いなかで、4,660mmは収まる側です。引っかかるとすれば全幅・全高・重量のほうです。
※ 本記事に記載した車両のカタログ値、法令の条文、施設の制限値は2026年8月時点で確認したものです。施設の制限や料金は変更されることがあります。実際に利用する前に、必ず各駐車場の公式情報と現地の表示をご確認ください。
ここで扱った寸法は現行のG450dでもほぼ同じです。400dから450dへ何が変わって何が変わらなかったのかは、出力・燃費・価格まで並べて別記事にしました。
外車をリースで乗るという選択肢
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